紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

ミケランジェロと理想の身体

2018年06月30日 | 美術館・博物館
ミケランジェロのデッサンとかその類は見たことありますが、大理石彫刻となるとイタリアとか現地に行かないと見るのは難しい...でも今まさかの上野にミケランジェロの彫刻作品が2体も来ているなんて!! 国立西洋美術館で開催中の「ミケランジェロと理想の身体」展です。
ダヴィデだかアポロ神だかわからない未完の彫像《ダヴィデ=アポロ》。のみの彫り跡が生々しく、ミケランジェロの存在が感じられそうな作品です。背中にある石の塊が矢筒となるか...今となっては知る由もありません。ゆるやかなS字カーブを描くそのボディライン。しなやかな造形美を目にして、ちょっとお腹を引っ込める所作なぞ。
長年による修復でよみがえった《若き洗礼者ヨハネ》。古代の理想美を表現した初期の傑作です。御御足の美しいことと言ったら...なでさすりたいような思いがします。ちなみにこの彫像と同じエリアにあった、ベネデット・ダ・ロヴェッツァーノの《若き洗礼者ヨハネ》。こんなモヤシっ子みたいなヨハネ...足が細くて弱々しくて、どうにも気になって仕方がない彫像でした。
上の画像《ラオコーン》のみ写真撮影可。



国立西洋美術館の本館はル・コルビュジエの設計。明かり窓のなんと美しいことか。
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ミラクル エッシャー展

2018年06月19日 | 美術館・博物館
12年前に渋谷のBunkamuraで見た「スーパーエッシャー展」。もうそんなに経ちますか...いま上野の森美術館では、イスラエル博物館所蔵 ミラクル エッシャー展というものが開催されています。イスラエル博物館のエッシャーコレクションは世界最大級、今回の出品は日本初公開だそうです。ちなみにスーパーエッシャー展で見たことある作品が結構あるようですが、やはり版画なので1枚1枚違うものと考えればいいんでしょうかね。
無限に回廊を上り下りするような作品は、見ていて引き込まれそう。個人的には形が変化していくモザイクタイルのような作品が好みです。トカゲモチーフはどツボ。イタリア旅行で見た風景版画の細やかさ。《海の微光》というリトグラフはいいね!!
幅約4mの大作《メタモルフォーゼⅡ》の手ぬぐいあったら即買いですけど(願望)。もう1回行きたいわ〜。
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芒種の北陸路 その三

2018年06月09日 | ニッポンの奥深さ (番外篇)
日航金沢の朝食も和洋バイキングです。オニオンリング、スクランブルエッグ、ボローニャソーセージその他いろいろある洋食コーナー。和食は石川の治部煮がありました。やさしい味わいですが添えたわさびがツンとくる一品。スルメイカの麹漬け、甘エビのうまかったこと...アイスクリームとコーヒーで締め。車麩のフレンチトースト頼むの忘れたわ!!



金沢駅で1日バス乗り放題チケットを買って、金沢城公園に向かいます。迫力ある石垣が見えてきました。これが加賀百万石の城ですか...積み方が違う石垣の美しいこと。石垣の博物館と言われるだけのことはあります。




野面積み、打ち込みハギ積み、切り込みハギ積みなど、さまざまな種類の石垣。海鼠壁も良い。

 三十間長屋。
 玉泉院丸庭園。


前田利家公とお松の方を祀る尾山神社。境内には庭園もあり見どころ多し。


 レンガ壁。



金沢21世紀美術館。気軽にぶらりと立ち寄れるこの美術館の開放的なこと。ガラス窓からは明るい陽光が差し込み、雨の日には床がずぶ濡れになるであろう部屋もある。思わずニヤッとすること必至。





無料の展示ゾーンだけでもそれなりに楽しめます。



兼六園は広すぎてどこにいるのか分かりません。有名な灯籠は観光客の撮影スポット。兼六園はトイレもおしゃれ。



豊かな水のある風景。日本最古の噴水もあり。



兼六園の中にある前田家の奥方御殿、成巽閣。建物内部は撮影禁止ですが、縁側からの庭園は可となっています。御殿内部は優美な造り。2階の数寄屋風書院造りの壁色や天井のデザインに注目です。1階の縁側には柱がなく開放的な景色が広がっています。兼六園の喧騒が嘘のような静けさ。



昼飯は回転寿司〜ということで近江町市場のもりもり寿司に向かうも店前には大行列が。どんだけ待つのか見当もつかないので、仕方なく近江町コロッケで甘エビクリームコロッケと金沢カレーパン棒みたいなやつを食します。熱々でうまいがこの3日間あぶら地獄ですわ。




金沢駅でお土産あさり。長生殿で名高い森八の生〆は一度食べてみたかった...もうホロホロ。車内で食べる用に笹寿司を購入。れんこ鯛?と鮭が熊笹に包まれた香り豊かな一品です。
北陸新幹線かがやきはまもなく発車時刻。
「一筆啓上 おかずもうまい米うまい 体重計には近寄らぬ」 ー完ー

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芒種の北陸路 その二

2018年06月08日 | ニッポンの奥深さ (番外篇)
アローレの朝食は和洋バイキングです。洋食はまあ大体こんなもんでしょうけど、やはりご飯がうまいので食が進みます。茄子の煮たのが絶品。ちなみに今日は丸岡城に行く予定。それと夕方には金沢に移動します。
アローレを出発して加賀温泉駅から北陸本線で丸岡駅、そこからタクシーで丸岡城へ向かいます。車から見えてきたのはこじんまりとした天守閣。でもこれ現存する最古の天守閣だそうです。



素人集団が積み上げた石垣。ぶらぶらでご紹介。



ありえないほどの急階段。降りる時がスリル。



爽やかな風が吹き抜ける天守からの眺め。雨降ったら大変。



丸岡城のそばに一筆啓上 日本一短い手紙の館ってとこがありまして、そこの石垣はなんと石積プロ集団穴太衆の末裔が積んだものです。穴太衆の職人技はお見事。



丸岡城からバスで福井駅まで移動します。福井にはヨーロッパ軒総本店があるので、今日はソースカツ丼を食べるつもりです。Kにヨーロッパ行きますわって言ったら、ふくしんのソースカツ丼もおすすめって。ふくしん...福井信用金庫!? まあよくわからんのでスルーしときました。福井城址の近くに養浩館庭園という庭園があります。旧福井藩主松平家の別邸で、江戸時代中期の旧態を残して復原されました。



まるで水面に建物が浮かんでいるかのよう。




誰もいない。



きのうはパリ丼、今日はソースカツ丼。ジュワってなる揚げたてカツ。こんなうまい食いもんがあったなんて。ちゃんとフタの上にカツ2枚退避しました。



今日のお宿はホテル日航金沢。部屋からは金沢城公園が見えます。まだ18時前なので浅野川あたり歩いてみようと出かけてみましたが...ナビがどこ指しているのかイマイチわからず。21世紀美術館もけっこう遠いので断念。近江町市場で何か買おうとするもほぼ閉店状態。向かいにある名鉄エムザの食品街をうろつきます。



魚屋の寿司。本当なら回転寿司屋に行くはずでしたが、まだお腹にカツ丼の残骸がありますんで、ちょい軽めに。
氷見産のふくらぎ、海鮮いなり、永平寺の胡麻豆腐をゲット。ふくらぎってふくらはぎ!? あとでKに聞いたらブリの幼少期とのこと。あっさりしててうまかったわ〜。
夜の金沢は雨。

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芒種の北陸路 その一

2018年06月07日 | ニッポンの奥深さ (番外篇)
夜半まで降り続いた雨も上がり、これは良い天気になりそうな予感。今回はニッポンの奥深さ(番外篇)として、北陸地方を2泊3日で旅することになりました。ちなみに海鮮焼きの記事で出てきたKちゃんがいま里帰りしているので、初日は旅案内をしてくれます(オカンの運転付き)。これは助かる。
羽田から1時間ほどで石川県の小松空港に到着。ここからオカンの車に乗って一路永平寺に向かいます。車窓から外を眺めているとものすごい爆音が。一体なに!? あ〜F15。編隊組んどる時はもっとうるさいよって...こんな爆音が普通とは恐るべし。
一両だけのローカル線を横目に車はどんどん森の中へ。山深い地にある永平寺。木漏れ日に目映い青もみじ。空気が清々しいこと...さっそく拝観しましょうぞ。

 絵天井の間。
 伽藍が階段で繋がっている。
 古いガラスに映りこむ瓦屋根。



大きなすりこぎ棒。精進料理を作る時に使ったんでしょうか。



磨き込まれた廊下を修行僧が颯爽と歩く姿が印象的でした。東司(とうす)はお手洗い。戸の開け方から手の洗い方まで作法があるとのこと。伽藍を吹き抜ける風が心地よく、毒漬けされた心とカラダが清められます。



門前で食べたぶっかけそば。麺にコシあり。付いてきた胡麻豆腐のやわらかさに感動。

お次は福井県立恐竜博物館へ向かいます。国内最大級の恐竜に関する博物館だそうで、全身骨格標本が44体も展示。ちなみに博物館がある勝山市からは、5体の恐竜化石が発見されています。

 館内は見どころ多し。
 アートのような化石。
 新着の実物アロサウルス・フラギリス。 フクイサウルス・テトリエンシス。



変な鉱石もたくさん。始祖鳥の化石。

勝山市にある平泉寺白山神社のことは、BS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」という番組の中で知りました。今回の北陸の旅でもここに来るのが目的のひとつだったりします。奥州へ向かう義経と弁慶が立ち寄った中世の巨大宗教都市、「苔寺」とも言われる平泉寺白山神社。またしても苔の美しさに心が清められそうです。




白山神社から東尋坊へ。九頭竜川沿いを走って永平寺町抜けて延々と。車窓からは山の稜線と田んぼ田んぼ大麦畑がエンドレス。さすがはコシヒカリのふるさとです。夕方前に東尋坊に到着〜。断崖絶壁には手すりなんて付いてません。お好きなとこまでお進みください!?ですわ。




日本海を初めて見ました。今日は穏やかな海とのこと。



ホテルに向かう前に立ち寄ったヨーロッパ軒。メンチカツ2枚入りのパリ丼は熱々ジユ〜シいィ!! ちなみにすぐ食べないもう1枚のメンチは、丼のフタに一時退避させとくのが流儀だとKが言ってました。そんなこんなでもう19時過ぎ。今日のお宿のホテルアローレに向かいます。途中で見えた北潟湖で、薄暮に浮かぶプロペラ風車がきれいでした。しかし夜の県道29号線ってサーキットみたいですわ。



ホテルアローレの客室。ツインのシングルユースだから広々。オカンもKもほんとにご馳走さまでした、ありがとうございました。今日はだいぶ歩き回ったのでこちらも温泉で疲れを癒そうとしますが、エレベーター内に張り紙が。
『加賀の湯は本日メンテナンスのためご利用になれません』

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