紺青小鉢

ミニマムな和の空間で、日本の伝統文化を再発見

伊太利亜るねさんす

2014年10月16日 | 美術館・博物館
イタリアのフィレンツェにあるウフィツィ美術館は、メディチ家が蒐集した美術作品を数多く所蔵していることで知られています。東京都美術館では日本初となる「ウフィツィ美術館」展を開催しています。フィレンツェといえば昨年この上野でルネサンス三大巨匠が一堂に会したわけですが、今回も聖母子像みたいな絵が多いんでしょうか…。
薄暗い展示室に浮かび上がるテンペラ画。高貴な緋色や青の色合いが際立っています。15世紀の絵がこれほど綺麗に見られるのもテンペラ画だからでしょうか。ちなみにテンペラとは乳化作用をもつ物質を固着材として使う絵画技法のことで、西洋では卵を混ぜて描く卵テンペラが一般的でした。経年劣化が少ないのがこの技法の特徴です。
鮮やかな絵画の中で異彩を放つフランチェスコ・グラナッチの《銀杯の探索を命ずるヨゼフ》が印象的です。メディチ一族や歴代教皇の小さな肖像画もなかなか。でも絵はがきの品揃えが残念~。
会期は12月14日まで。先日開催したばかりなのにもう2ヶ月切ってます...お早めに。
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ホドリズム!?

2014年10月08日 | 美術館・博物館
荒々しいタッチで描かれた雄大なアルプスの風景。初めてその名を知ったスイス人の画家、フェルディナント・ホドラー。展覧会のフライヤーには風景画の枠にとどまらない絵がいくつもあります。その趣を異にする画風に興味を覚えて、ホドラーの大回顧展が開催されている国立西洋美術館へ行ってきました。
きのう開幕したばかりということで、会場内はゆったりとした雰囲気に包まれています。これはじっくりと作品に向き合える良い機会かと思います。バアさんのおしゃべりも聞こえない静寂の中で、ひとつひとつの作品に見入る観覧客。
風景画家として歩み始めた初期の作品から、生涯追い求めた表現「光」の反射や反映などを描いたもの、若きホドラーにつきまとっていた「死」のイメージを描いたもの、その後のホドラーの絵画に出てきた躍動感あふれる「生」のイメージといった様々な画風の作品を鑑賞。
床や壁面がアイボリー系で統一された明るい部屋に、後期に描かれたアルプスの風景画が展示されています。白い壁に映える青い空と特徴のある雲、そこに描かれた山岳世界は素晴らしいの一言。壁画装飾も依頼されたホドラーですが、ドイツのハノーファー市庁舎に据えられた壁画《「全員一致」のための習作》はカッコ良すぎです。
この展覧会は滋養のある粥を食したような満足感がありました。
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