【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

文字で描く王朝の美

2010-08-01 15:52:25 | 心の宝石箱


     昨日の気温に続き、
    今朝は “朝から太陽” も戻って来ました。

     ただ灼熱の太陽とまでは行きません。
    湿気を含んだ空気。その分、不快ですが・・。

     今日から8月ですね。
    本当にいつの間にか・・アッという間に。
    そして若い月から段々、老いた月に。 

     ・・・ 略 ・・・しかし、8月の午後 は、
    古代詩などを読むよりは夢想に
    ふけるのにふさわしかった。
   
   斜面を成した畑は青いもやに包まれて豊かな収穫を約束している。
  そよ風が微かな音を立ててポプラの木々に囁き、
  桜の果樹園の片隅には、薄暗い若樅の繁みを背に、
  燃えるような赤いけしの花が首を振っていた。・・・ 略 ・・・”

                                            【「アンの青春」 第1章】



   8月の午後は勿論、
  堅苦しい古代詩などは読みません。

   風のように水のように雲のように
  流れる “大和言葉” で綴る
  「源氏物語」 などを。

   と言っても目で眺める、
  「源氏物語絵巻」 です。 

   この本にはカラー版の王朝絵巻は
  勿論の事、縦書きの流麗な文字も
  写真入りで収められています。ここで発見。

   美しいこれらの文字を眺めているだけで、
  さらさらと流れる水を連想し、涼しくなります。
  これぞ、空極の暑気払い! ~なんて。

   ところで日本語は、元々大和民族の言葉である 「大和言葉」
  6世紀頃日本に渡って来た 「漢語」、そして主にヨーロッパ言葉を
  カタカナ表記した 「外来語」 から成り立っています。

   話が前後してしまいました。
  「源氏物語」 が生まれた平安京の時代には日本独自の表記文字、
  「女手」 と呼ばれた、かな文字が生まれます。
  
   「源氏物語」 は、そのかな文字によって書かれた、たおやかな女流文学なのですね。
  尤も私は、このかな文字には、文学以前に芸術さえも感じてしまいますが・・。

   それにしても、この時代の日本語。
  主語もなく、文字の区切りもなく、たださらさらと流れています。
  それこそ、水の流れるが如く・・。