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外交の力

2011年05月24日 20時20分05秒 | 政治関連・評論・歴史・外交

田中 均氏の著書。

田中氏は1969年京都大学法学部卒業後外務省に入省。1972年オックスフォード大学修士課程修了され、北米局北米第二課長、アジア局北東アジア課長、在英大使館公使、総合外交政策局総務課長、北米局審議官、在サンフランシスコ総領事、経済局長、アジア大洋州局長、外務審議官(政務担当)などを歴任され、2005年退官。現在(財)日本国際交流センターシニア・フェロー、東京大学公共政策大学院特任教授であられる。

読後感想を一言で言へば、見えないところで色々な事柄があり、それに伴ふご苦労があり最終的に政治家の口を通じて結果となるのであることがわかつたが、「国益」を重視されてゐる旨の記述がところどころにあるが、第三者に見える範囲では、「国益を重視した結果」の外交となつてゐたとは思へない。 (残念であるが)

一番許せないことは、強制連行やら創氏改名の強制やらの朝鮮人のウソを暴く証拠があるのに、それを突きつけづに相手のウソをそのままに「村山談話」に関はり国を貶めたことに気付いてゐないことである。

首相が変はつて就任するたびに、おなぢ「謝罪」を出されるが外務省の人がウソを正す気がないのであるから、国益のためになる話し合いがもたらされることはなく、バカン民主党政権では過去において既に話し合いが済んでゐたことを蒸し返すやうな談話を発表した。

この素地は、外務省官僚が「真実は何か」を追究せづ国益を損ねることを損ねるとの自覚も無く物事を進めていくことにより作られたのであらう。

かういふ前提があると、本書の中で「外交とは」とか「国益を重視」といふ言葉が使はれてゐる文章が出てきても、信用できない。

それから、米国の内政干渉とも言へる行為を疑問もせづに「みなし」とされてゐるのではないかと思ふ記述もあつた。つい先日、普天間基地機能の一部をグアムに移転することに関して、ウィキリークスに日本の役人が米国の利益になるやうなことをしてゐたことが暴露され、それを取り上げたワイドシヨウのコメンテエタアの一人が「日本の税金で給料をもらつてをきながら、日本より米国のために働いてゐることが明らかになつた」と発言されてゐたが、本書を読むとそれが外務省のやり方のやうに感ぢられる部分がある。

ゆえに、先にも書いたが「国益を重視」と繰り返されても、「あーたの言ふ国益とは何?(どこの国の利益追求?) 」と疑問が出てきて止まらなかつた。

驚いたことに、記者クラブをよくないものとして捉えてゐる記述があつた。記者クラブを利用してゐるのは官僚ではないか? 官僚の思ふやうな記事を「スクウプ」として書かせるべく利用してゐるシステムの一つが記者クラブだと、数名のジャアナリストがご自身の体験も含めて指摘してゐる。

この人が、「官僚機構」に批判的な見解をもつてゐたことを書いただけなのか不明だがびつくりした。

外務省といひ、厚生労働省といひ、官僚といふのは「建前」は素晴らしい表現を作り上げるが中身はウソといふことを作り出すのに全然抵抗がないんだなと思はざるをへなかつた。

奇しくも、この人の著書に出てくる「国益」が虚偽と思はれるおにゅーすが本日あつたので、引用する。   

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110524-00000604-san-pol 

衛藤晟一議員、外務省幹部に激怒 コップの水掛ける

5月24日(火)19時6分配信  

自民党の衛藤晟一参院議員が24日、党本部で開かれた外交部会で、説明のため出席していた外務省幹部の態度が悪いと憤り、コップの水を掛ける騒動があっ た。出席者によると、衛藤氏らが韓国国会議員の北方領土訪問に際して中止を働きかけたかたずねていた際、この幹部が答えず横を向いたことに激怒、水を掛け たという。

 衛藤氏は記者団に「質問に対し調査中で遺憾だというばかりだった。外交だから報告できないというのはおかしいというと、(同僚に向かって)ニヤニヤ笑っ ていて『何バカなことをいっているんだ』みたいな感じだったからだ」と説明。ただ、直後に幹部から「大変申し訳なかった」と謝罪があったといい、「(距離 が離れていたため)水は掛かっていないと思う」と話した。

 一方、松本剛明外相は同日の記者会見で「物理的な力の行使ということは遺憾だ。自民党側には何らかの形ではしっかり申し入れをさせてもらいたい」と述べた。

 自民党の石破茂政調会長は国会内で記者団に「物理的な力を加えることはあってはならないことだが、(外務省側が)これまで適切な説明をしてこなかったこ とに憤りを感じている」とコメント。逢沢一郎国対委員長は「わが党の正式な会議で適切でない行為があったとすれば、大変残念で遺憾なことだ」と述べた。



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