読書おぶろぐ

読んだ本の感想を書いてます

この世にたやすい仕事はない

2016年03月27日 17時50分22秒 | 小説

津村 記久子さんの作品。

この人の小説は淡々と書いてあつて、しかもその描写がなかなか細かくて読んでゐて面白ゐ。
この作品もそのうちの一つ。

5話からなる短編小説。主人公は大学卒業後10数年続けた仕事を「燃え尽き症候群」のやうな形で
辞め職業案内所の担当者から紹介された仕事を始める。

それぞれの仕事が5回でてくるといふ御話しなのだが、それぞれの仕事がまた面白い。

第一話 みはりのしごと
第二話 バスのアナウンスのしごと
第三話 おかきのふくろのしごと
第四話 路地をたずねるしごと
第五話 大きな森の小屋での簡単なしごと

読みながら、それぞれの仕事に対して興味が沸いた。主人公も、最初はその仕事に好感をいだくのだが
続けるうちに、だんだんと仕事の問題点が出てきて悩むやうになる。

・・・ さうなんだよな、最初いいと思つても辛い事が出てくるし、問題点が見えてくるし・・・と思ひつつ
読み進んだ。

仕事の話に集中してゐるのではなく、仕事を通してみえる「世間」「社会」が面白い。そして少しミステリアスな
部分もあつた。

読んで行つて、さうなんだよな~、この題名が言ふとおり「たやすい仕事はない」んだよな~
だから、「働かないで御金が入つてくる方法ないかな~」とかシヨツチュウ考へるんだな


エンタテイナーの条件

2016年03月21日 15時54分08秒 | 人物伝、評伝 (自伝含)

堂本 光一さんが日経エンタティンメント!に連載してゐるインタビュウを書籍化したもの。
毎月のインタビュウをまとめ、インタビュウに関連する写真が掲載されてゐる、「所謂裏側」を知りたいと
願ふ人には興味深い、面白い一冊となつてゐる。

内容は SHOCK, Endless SHOCK 制作の裏側に関するものが多いが、ほかにもソロコンサアトや
PV制作、Kinki kids のコンサアトとの違ひなど興味深いことが語られてゐる。

観てゐるはうは、ほとんど考へもつかない事をスタツフさんらと話合ひ、作りあげていくのだと
実感。 発声の仕方とか「仕事」にする人にとつては一般的な視点とは違ふ面があれこれあつて
大変なんだなあと。

それにしても、見るはうは好き勝手な事を言ふものだから、一生懸命自分でやつたつもりでも
酷評されるとか、誰かと比較されるとかあるものだから

芸能人といふのは大変な仕事なんだな・・・・としみぢみ思つた。

精神的にタフでないと、多分やつてゐけないよね。 それか一切遮断するか、割り切るか

そんな事を最後の最後に感想で抱いた。

しかし、毎年観てゐる Endless SHOCK のフライングの解説などすごく新鮮で楽しかつたな。
一番辛さうな傘のフライングが実は一番楽だと知つてかなり意外だつたし(それにしても大変なのでせうが)、
その傘のフライングが歌舞伎の手法だといふことを知つたり・・・・

ドラマと舞台の演じ方の違ひとか、あれこれ普段知ることがないことばかりなので
読むはうとしては大変楽しめました。

この人に興味がなくても、「芸能界の制作の裏側」を知ることができる面白い一冊だと思ひます。