読書おぶろぐ

読んだ本の感想を書いてます

日本国の研究

2012年04月24日 20時05分35秒 | 政治関連・評論・歴史・外交

猪瀬 直樹氏の著書。

猪瀬氏は現在東京都副知事であられる。本書を著述された90年代の肩書を文春文庫から引用すると
「作家。昭和21年長野市生まれ。「ミカドの肖像」で87年第18回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。本書「日本国の研究」で96年度文藝春秋読者賞受賞。既成の常識にとらわれないユニークな視点で次々と作品を発表」と言ふ方であります。

本書は96年1月から97年1月まで文藝春秋に連載され99年に文庫化されたもの。

本書の裏表紙に

「吹きつのる霞が関批判の嵐。行革は遅々として進まない。だが誰もこの国にある「もう一つの国」の話は書かない。(略)官僚国家日本の暗部を鋭くえぐりとる告発ノンフィクション。文藝春秋読者賞受賞」

となつてゐた。

猪瀬氏のツイイトを見て本書を図書館で検索したら、あつた。

早速予約

読んでゐる最中から最後まで、ひたすら呆れた。現在官僚のヒドさが元官僚の方により明るみに出てゐるが

なんのことはない、20年以上前からこの問題は継続してゐたのだ。

林野庁(現国土交通省内?)の酷さ

道路公団の酷さ

会計検査院の酷さ

と現在あれこれ取りざたされてゐる 「官僚の不始末」がもふ既にきつちりとはびこッてをり税金が無駄になつてゐること、

「補助金」の名の下に行はれてゐる「環境破壊」

等々

官僚の害の実例が列挙されてゐた。

民主党は、ほんたうに「天下り根絶」とか「事業仕分け」をやるのならここで事例を見て現実的にすべきであつた。

見てたのかな。

ここまで来た、この

「官僚の国潰し」

だうしたら止められるのか?

あたくしは

やはり

天皇統治となり、嘘が吐けない仕組みにすべきではないかと思ふ。

議員は不要だらう。もふ、いやといふほど「不要」の実例を見させられた。

 


黒の福音

2012年04月15日 20時50分35秒 | 小説

松本 清張氏の作品。

松本 清張は、中高生のときにほぼ全巻読んだのだが最近また読みだしてゐる。

面白い。

筆運びが、いい

現在の「小説家」のやうな「軽い日本語」ではないのがいい。

以前別の小説家のあとがきを読んだ時に編集者に「最近の若い人は難しいものを読まないから、やさしく書いてください」と言はれ新シリイズを書くにあたり文章のレベルを落としたといふことが書いてあつた。

だうりで、つまらないものが増へるはずだ。

そしてこんなところにも「マスゴミの弊害」があるのに驚き、怒りを感ぢる。

その点、松本清張氏の作品は昭和40年代に書かれたものが多く、社会的背景も興味深いことながら内容が薄ッぺらくなく、楽しめる。

本作品は昭和34年3月に起こつた「スチュワアデス殺人事件」に基づいて書かれたものであり、松本氏が独自の推理と解決を提示したものださうだ。(解説、中島河太郎氏より P693-)

「昭和35年版の「朝日年鑑」によると、東京都杉並区善福寺川で女の死体が発見された。持ち物からT子さんで英国海外航空のスチユワデスであることがわかつたが解剖結果から他殺と断定されて大騒ぎとなつた。容疑線上に最後まで残つたのが、T子さんの生前出入りしていたカソリツク教会のベルギイ人神父。操作本部は相手が外国人であるだけに国際問題にもなりかねないと慎重を期し、極秘の操作を続けたのち同神父を直接調べようとして出頭を求めたが応じなかつた。当人ばかりでなく教会組織をあげての出頭拒否に警察部内のみならず一般からも批判の声があがつた。

結局、2.3回出頭して取り調べを受けたが黒白がつかず、まだ警察がこれからも調べたいと言つてゐた矢先問題の神父は当局へ何の連絡もせず羽田から飛行機で本国へ帰ってしまつた」(P693-694)

松本氏はこの事件に深い興味を覚へ事件の資料を収集し、犯行現場にも出向くほどの熱意を示した。

結果本小説が生まれたのである。

解説者は「思ひきつた」と記述するのだが、それは昭和34年当時の日本の国際的立場などを考慮したものと思はれる。現在ではだうなのか?

未だに昭和34年から脱しきれてゐないのではないかと思ふこともあるが、松本清張氏の「取材してある過程を元に小説にしあげる」といふこの行動は大変思ひきつたことだつたのであらう。

現在でもおなぢことが言へるのではないか?

いずれにしても、松本 清張 といふ作家の文章力、構成力に感嘆するものである。 

三島 由紀夫といひ、松本 清張といひ、昔の作家の日本語と文章構成力はよかつた。深い洞察力のもとに表現力が加はり奥深い、いひ酒を呑んでゐるやうである。


数学を知らずに経済を語るな!

2012年04月10日 19時54分49秒 | 政治関連・評論・歴史・外交

高橋 洋一氏の著書。

高橋氏は1955年東京都生まれ。東京大学理学部数学科・経済学部経済学科卒業。博士(政策研究)。株式会社政策工房代表取締役会長、嘉悦大学教授であり著書に「さらば財務省!」「官愚の国」などがあります。

世の中の人はなぜ、これほどたやすく官僚・政治家・マスコミ・御用学者の噓に騙されるのだろうか。数学的思考が弱い編集者S君を生徒に、経済・ビジネスに強くなる「役に立つ数学の使い方」を教える、といふこの本はS君と教授なる高橋氏の会話形式で大変わかりやすく教へてくれる。

数学的思考が弱いS君

は他人事ではないあたくし。

正直、本書に出てくる数式がわからない以上に拒否感が飛びましたので、すッとばしましたが

本書の内容はわかりました。

とどのつまり

財務省官僚は高校レベルの数学が出来ないのに経済をなんとかしやうとしてゐる。

これでは財政再建も景気回復も円高対策もできるわけがない。すべて計算が正しくできないと出来ない問題だ。数学が出来ない人は経済を勉強しても無駄です。よくわかりました。

加へて

会話形式で、増税の嘘がわかる。

大変わかりやすい

増税しないと財源がない、は大嘘だ。

真剣に増税をおホザキの野田はとてつもない

バカ

財務省の操り人形

と言ふ事がわかつた。

一読をおすすめします。

 


決断できない日本 The Japan That Can't Decide

2012年04月05日 19時56分51秒 | 政治関連・評論・歴史・外交

ケビン・メア氏の著書。

メア氏は1954年サウスカロライナ州生まれ。ラグインジ大学、ハワイ大学大学院卒、ジョージア大学ロースクールを卒業し弁護士資格を取得。法学博士。81年国務省入省。駐日大使館経済担当官を振り出しに在日機関は19年に及ぶ。駐日大使館安全保障部副部長、国防総省空軍副次官付国際政策課長、国務省化学生物兵器・ミサイル不拡散部副部長。97年東大東洋文化研究所客員研究員。98年福岡首席領事に。駐日大使館公使、安全保障部長を経て、2006年から3年間沖縄総領事。
09年に国務省日本部長に就任するも、「ゆすり発言」報道で解任。11年4月、国務省を退職し現在はコンサルティング会社上級顧問であられる。

メア氏は、「沖縄はごまかしとゆすりの名人」等の発言をしたと報じられ、解任となつた。その発言はかなり有名といふか、知らない人はあまりゐないであらう。

メア氏は、そんなことは言つてゐないのださうである。 その諸事情を明らかにする詳細が本書の一部となつてゐる。本書は、その説明だけではなく、「実践主義のアメリカ」から見た、現在の日本の「お花畑思考の危険」を指摘してゐる。完全にうなづける指摘である。その他、メア氏の生い立ちから現在までの振り返り、日米同盟のアメリカの視点等貴重な見解が記述された本だと思ふ。

この本を読み終つて、最初に思つたのは 「これを読んだ政治屋が随分ゐるらしいが、恥ずかしくないのだらうか?」と言ふ事だ。

本書は2011年8月に発行されてゐる。 メア氏は上記の報道に戦ふため国務省を辞任しやうとする。しかし、その翌日東日本大震災が起きる。メア氏は辞意を表してゐたが、この震災に対し発動された「トモダチ作戦」に関はる仕事を打診され、辞表を撤回してトモダチ作戦の一員となる。

このやうすは「第一章 トモダチ作戦の舞台裏」に詳しい。この章にはメア氏個人の仕事だけではなくバカン政権へのアメリカの視点等もあり、かなり興味深い。

「第二章 嵌められた『ゆすりの名人』報道」 では、基地反対運動の人々とそれにつながる共同通信記者石山永一郎の「手口」が詳細に語られる。それを読んで、「嘘吐き左翼が人を罠にかける手に酷似してゐるな」と思つた。 現在の沖縄基地反対運動もいろいろな輩が沖縄県外から行き行つてゐるらしいがその人たちの活動の一部なのだらう。メア氏は珈琲店で襲はれたり危険な目に遭つてゐる。

この手口は必読ではないか? おなぢ手で他の人を陥れることは十分ありうる。

「第五章 沖縄『反基地』政治家との戦い」 ここも必読であらう。 なぜなら、日本が国内で「防衛」に関連する基地の問題でモメてゐることはシナ他にどんな印象を与へてゐるか、少し知るべきだ。 

個人的には、メア氏の「抑止力」の考へには賛成だ。シナは相手が自分たちより弱い、自分たちを攻撃してこないとわかると暴挙に出てくる。チベツトやウイグルなど周辺諸国を散々弾圧してゐる。 

今民主党政権になり、米国とゴタゴタしだしたとたん尖閣諸島に出てくるやうになつた。これがいい証拠だ。 これを見て、まだ「武器を捨てれば相手も捨てる」などと妄想を言つてゐるのはバカか日本を弱体化させ、乗ッ取らうとしてゐる反日左翼の民主社民共産朝鮮シナ人だ。 

これまで憲法改正、米軍と自衛隊に反対し現実に防衛をだうするのかの議論をただ「アジアに配慮」「戦争反対」の稚拙な言葉で邪魔し、尖閣諸島のビデオが流出するまでシナ漁船の行動について嘘を吐いてゐたのはこの連中だ。

この行動、今までの防衛に対する妨害がシナのためになつてゐるといふことを日本人はよく、認識すべきだ。

日米同盟に関しては孫崎 享(まごさき うける)氏の著書 「日米同盟の正体」の視点http://blog.goo.ne.jp/liebe-kdino-schumi/e/8e8b8144a5c6ab8f4a7b360d2d3cb177 もあるので、メア氏の視点だけでなく双方の視点を理解することが重要と思ふので、なんとも言へないが。

いい加減、日本人は日本人で日本と日本人を防衛すること

を考へるべきではないのか? 

歴史に学べ 

シナ朝鮮がどんな民族か、マスゴミが報道しない事件を書いた本もあるしネツトの記事もある。 日本人がシナ朝鮮を虐殺したと大騒ぎするが、実際はその反対。

必読 : 通州事件 http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-1025.html

本書を読みながら、いろいろ考へ上記の引用まで思考が行つたが・・・・

普天間基地の問題は、政治屋が利用するだけでなく暴力団関係者が金銭を得る手段にも使用されてゐるらしい。それが「第五章 沖縄 『反基地』 政治家との戦い」に記述されてゐる。

霞が関でやつてゐることを舞台を変へてやつてゐるにすぎない、といふ印象である。

自衛隊の「サムライの心」を記した一部もある(P218-219)。 マスゴミが散々「++軍に守つてもらふ自衛隊」等の報道をしたが現実は随分と違ふやうだ。

今後、海外派兵に関するマスゴミの報道は一切信用しないこととする。自衛隊を貶めるやうな内容しか報道してゐない。 

メア氏のこの言葉が、今の政治を表してゐる。

「『コンセンサス』の美名の下に決断を先送りし二股かけて責任を回避しようという政治には引導を渡すべき次期が来ています。(中略)決断しない日本の政治家は本来の日本人ではありません」(P226)