濱 嘉之氏の作品。
濱氏は、中央大学法学部をご卒業後警備考案警察を経て内閣官房に勤務、また
衆議院議員政策担当秘書のご経歴をお持ちです。
本書は階級「警視」の警視庁情報官、黒田純一を主人公とした小説ですが、濱氏のご経験が
反映された(と思はれる)内容となつてをり、大変面白く読み応えがあります。
一見、別世界のやうに見える警察。(世間では一般的に「警察」と言ふけれど、官庁としては
「警察庁」「警視庁」と分かれてをり、その階級と職名もそれぞれ異なります。
この階級と職名は目次の次ペイジに一覧表となつてをり、一口に「警部補」と言つても
「4級職」「5級職」と分かれ職名も「本部主任、署係長」「本部主任、署上席係長」と違ふのだと
わかります。(複雑)
主人公、黒田純一はかなりのキレ者である・・・ しかし、組織より「情報マン」といふ職人タイプとして描かれる。
この黒田を取り巻く人間関係が非常~に面白ひ。
上司である警視庁の人々、国家公務員一種の人々(他官庁)、黒田の学生時代の繋がりから卒業後別の職(俗に言ふ民間企業)に就いてゐる人たち、マスコミ、そして「協力者」たち・・・・
警視庁(警察)と言ふのは、こんなに関わりすごいんだ~
逆に言へば、官公庁はすべてがかのやうに繋がつてゐると言ふことで。。。。
面白ひ反面、かのやうな世界に繋がりを自ら求めてゐる人たちの「うさん臭さ」も予想できました。
「国民の生活が第一」としてゐるが、「実は自分の箪笥預金が第一」とか国民の前に「中韓」がつくとかまあ、現実の世界でも色々キナ臭いことが起きてをり、「かういふ裏がアルワケね」と今の時世にぴつたりでした。
笑つたのは、黒田氏が新部署を創設するにあたり「優秀な人材」を集める場面が出てくるのだが。
「条件」に「身長178センチ以上」と「容姿」を考慮に入れてゐるといふ記述が出てくる。
「容姿」・・・・・・
さうよね~、容姿は大事ですね~
今回の代表選の一方を見ると(どちらとは言ひませんが)、
「容姿が大事」
頷きますわ
それはともかく
面白ひので、続編の「公安特命捜査」これも続けて読む。
楽しみ~