読書おぶろぐ

読んだ本の感想を書いてます

友情

2012年08月29日 19時39分04秒 | 小説

武者小路 実篤氏の作品。

武者小路氏は明治18年(1885年)東京府麹町区元園町(現、千代田区一番町)に生まれる。父の武者小路 実世(さねよ)は子爵、母も公家の出身。明治43年の「白樺」創刊の中心となり大正の初めにかけて「お目出たき人」「世間知らず」「わしも知らない」などを書いてそれまでの倫理と小説美学に反逆する作品として注目されてから、昭和51年90歳で没するまで戯曲「その妹」、長篇「幸福者(こうふくもの)」、中篇「友情」など数々の傑出した作品を残した。

武者小路氏の作品は、この後に書かれた 「愛と死」を読んだことがある。 解説によると、「お目出たき人」「友情」「愛と死」は徐々に変化してゆく恋愛小説といふことだ。

「お目でたき人」はひたすら片思ひに終はる主人公、「友情」も片思ひなのだが「お目でたき人」よりは成長してをり、「愛と死」では両想ひになるのだが恋人の死に直面するといふ主人公を描いてゐる。

さて、この「友情」であるが。

現代人が読むには、関心を引くのはまず、社会通念であらう。 明治大正の時代の恋愛、人付き合い、結婚といふものが現代とだう違ふのかは注目するところである。

その次に感じるのは、この時代は「文明開花」として西洋の文化他が日本に流れ込み、日本人は日本は西洋より劣等であると思ひ、西洋に追ひつけ追ひこせの精神状態にあるのである。

ゆへに、作品の中でパリやイタリアの芸術家たちにあこがれる場面が出てくるし、西洋に行き西洋を見たいといふ願望が高まつてゐる当時の人々の思考を主人公たちが語つてくれる。

200年も経つと、西洋が日本文化を持ち上げ日本にやつてくるのであるが・・・・ 現代を思ふと主人公たちに「日本は実は一番素晴らしいのだよ」と言ひたくなつてくる。

そして、主人公たちが「偉くならう」と目標を掲げて生きていくことを誓ふ場面が出てくる。西洋に劣等感を抱きながらも、勉強して偉くなつてゆかふといふ前向きの精神が垣間見られるのである。

この精神で明治大正の日本人たちは頑張り、大戦に打ち勝ち日本を西洋の植民地になることから護つてきてくれたのではないかと思ふ。それは、敗戦後の日本人に長らく欠けてきたものであり、これからの日本人が是非とも取り戻さなければならないものである。

この小説は現在の人間が読むと、作者が思ひもしなかつた「効果」をもたらしてゐるのである。

さて、小説の内容に入る。

主人公脚本家の野島は、友人仲田の妹、杉子に恋をする。杉子を思ひ、杉子と結婚することを夢見るが直接杉子にアプロオチはしない。(ここに一つの時代の差が出る)

野島には新鋭作家の大宮といふ親友がゐた。野島は大宮の従妹が杉子と親しいとしり、杉子への思ひを大宮に打ち明け杉子のことを知らうとする。

しかし、杉子が思ひを寄せたのは大宮であつた・・・ 

中篇の作品なので、その気になれば1-2日で読めてしまふので、この先は書かない。 武者小路 実篤は、夏目漱石の「こころ」を思ひうかべて書いたのかもしれないな、とふと思つたのは、「こころ」と「友情」の奥底にあるものは、「人間の究極のエゴ」であるからだ。

そして、その「エゴ」は誰にも否定も批判も出来るものではない。

一つ、この作品の中で痛快に思ふ杉子の台詞がある。 

「私はただあなたのわきにいて、お仕事を助け、あなたの子供を生むために(こんな言葉を書くことをお許しください)ばかりこの世に生きている女です。そしてそのことを私はどんな女権拡張者の前にも恥じません。「あなた達は女になれなかった。だから男のように生きていらっしゃい。私は女になれました。ですから私は女になりました」そう申して笑いたく思います。二人で生きられるものは仕合せ者です。ね、そうではありませんか。」 (P137)

田嶋陽子さんに贈りたい。 子供を生んでもわけわかんないことをしてゐる「福島 みずほ」なのる趙 春花にも「家族」の形はかういふことですよ、と言つてあげたくなる台詞である。


韓国併合への道 完全版

2012年08月14日 20時01分28秒 | 政治関連・評論・歴史・外交

呉 善花氏の著書。 本著書は12年前に刊行された「韓国併合への道」 http://blog.goo.ne.jp/liebe-kdino-schumi/e/217b5673f3227ed57e2fc3fb5b7e9a4d に追記したもの。

以前この前の版を読んだが、その時は日本統治前の朝鮮の写真を見たことがなかつた。見て、改めて読むと朝鮮人の物言ひの高飛車さに驚く。

毅然とした国家があるやうに書いてあるが、あの写真を見れば堕落した国家しか想像できない。朝鮮の嘘は写真と共に崩すべき。

そして朝鮮が蒙古日本清の侵略により「それまでに築き上げた朝鮮の産業や文化を繰り返し壊滅に近い状態にまで打ちのめしたといってよい」(P22)とある。

朝鮮が色彩のある服を着る事が出来たのは日本から技術が行った為だが朝鮮人はあの時代の生活に戻りたいのか。
なら経済的に破滅させて戻してあげやうぢやないか。
それに文化産業と言うが60年以上経過して朝鮮がやってるのは日本の模倣とそれを自分達の物と言い張る事。

産業といへば他社模倣して裁判になる事、自社広告に日本企業広告の模倣や富士、関取を使用し日本企業と思わせる事だ。

つまり朝鮮文化と言うのは模倣と盗用と虚偽か?何故これだけ月日が経つたのに朝鮮独自の物ができない?

更に読んで行くと、「朝鮮人は昔からいがみ合ひと殺し合ひなんだな」とよくわかる。呉氏も李承晩や金正日のやりかたとおなぢと書いてゐる。

かういふ民族には関はッちやゐけないのだ。 さッさと国交断絶すべきだ。

章を読み進むが高飛車な物言ひにイライラし、読み進むことが不可能だつたため今回補足された11章、12章を読んだ。(とばしとばし読んだが、朝鮮は日本の進出は望んでゐなかつたが、ロシアが出てきてゐたため、ロシアに対抗する力がなく、日本はいやだけどロシアから守つて的な現在 日本は嫌いだけど援助は欲しいといふ構造とそッくりな行動がところどころに出てくる。シナが「朝鮮人は犬のやうに躾けろ、徹底的にけなし、できても褒めるな、貶めろ」と言つてゐる動画があつたが、それは正しいことであらう。(これでシナと日本人の違ひが大きく明らかになるが))

それまでを飛ばしても11,12章は一読をお勧めする。 なぜなら

これまでの朝鮮のつけあがらせ、日本国民の税金の無駄、朝鮮(含シナ)の歴史捏造に加担し日本人とその祖先である戦争で戦はれた方々の名誉を侮辱し、貶したのは

なのか、はつきりわかるからである。 民主党が反日をあれこれ騒がれてゐるが

ほんたうの「反日売国」は自民党だ。

加えて、呉氏は「日本のとうちは悪だつたのか?」として現状下朝鮮が教えてゐる内容と実際を比較してゐる。下朝鮮の教科書記述と実際を併記してゐる。

日本人は、下朝鮮がどのやうな「捏造教育」を行つてゐるのかまず、知るべきだ。そして「捏造朝鮮ブウム」でやつてくる「笑顔」の整形集団が心からあの笑顔を見せてゐるわけはないと知るべきだ。その反日集団をこぞつて取り上げ、出演させるマスゴミに疑ひの目を向けるべきだ。(マスゴミにはかなり朝鮮人が入り込んでゐることを知るべきだ)

この日常生活の「下地」で日本人をだます根柢が出来てゐることを意識して朝鮮ネタを見るべきだ。

本書には、朝鮮人の思考がわかる記述が多々あるが 「ソウル大学経済学科教授 イ ヨンフン氏は総督府(日本が朝鮮に置いたもの)の土地調査事業について次のように語っている。  

『1990年に日程の土地調査事業の共同研究に取り掛かった。全国を回って土地台帳など現資料を収集した。慶南金海地域には大量の現資料が残っていた。資料をみて、教科書とはあまりに違う内容にびっくりし驚いた。土地申告をするようにして【それに反発した】粗暴な農民たちの未申告地をでたらめに奪ったという教科書の記述と違い、【総督府は】未申告地が発生しないように綿密な行政指導をしたし、土地詐欺を防止するための啓導・啓蒙を繰り返した。農民たちも、自分の土地が測量されて地籍にあがるのを見て、喜んで積極的に協調した。その結果、墳墓、雑種地を中心に0.05%が未申告地で残った。あの時、私達が持っていた植民地朝鮮のイメージが架空の創作物なのを悟った』 

しかしながら、これから先の発想が、朝鮮人「特有」のものであり大変興味深い。日本人はここを知らなければならない。
「日程の殖民統治史料を詳らかにのぞき見れば、朝鮮の永久併合が植民地統治の目的だつたことをわかる。収奪・掠奪ではなく、日本本土と等しい制度と社会基盤を取り揃えた国に作って、永久編入しようとする野心的な支配計画を持つていた。近代的土地・財産制度などはこのための過程だつた。(韓国日報 2004年4月22日掲載インタビュウより」 (P231)

朝鮮人は、相手を信用するのではなく疑ひ、貶める方向で見るのだ。日本人のやうに++してくれた、親切だ、とは思はない。++した、こいつはオレから何を取らうとしてゐるのだ、と考へ勝手に妄想にひたり、犯罪行為に走る。(ネツトにはさういふ妄想から犯罪のパタアンが多々出てゐる)

従つて、 朝鮮人が何か親切な行為をした時には、必ず裏があると考へるべきである。 親切だと信じて性犯罪の被害者になつたりするケイスが多発してゐる。万一相手が「ほんたうに親切」でやつてゐても、疑ひ警戒してゐれば最悪の事態はまぬかれるであらう。

この章では、英米の植民地に対する対応と日本のそれを比較してゐたり朝鮮人がお得意の「被害者面」をするにあたり、必ず言ひだす「創氏改名」にも触れてゐる。また、英米植民地では見られなかつた「教育制度の普及」の言及もあり、それにより朝鮮の識字率が上がつたこと等も記述してゐる。 旧版で書かれた内容とはまた違ふ書き方になつてゐる。

12章は現在の朝鮮の反日政策、そしていかに日本が「国民に知らされない」経済・技術供与してきたかを書いてゐる。ここで凄い事実が見える。日本人も知らされてませんよ、こんな金額は。詳細は252頁から256頁にあるが、一部抜粋する。

「日本と韓国は戦争をしたわけではないので、日本に戦後賠償責任は生じない。しかし日韓は日本による「補償」の観点から交渉を進め1965年に日韓経済協力協定を締結して国交正常化をなしとげた。(中略)歴代韓国政府は反日主義政策をとってきたために、一貫して日本からの経済援助の実態を国民に告知してこなかった。(中略)

1965年の国交正常化時に締結された日韓経済協力協定に基づいた援助の内訳は、有償二億ドル(720億円)、無償三億ドル(1080億円)=生産物および日本人の役務(10年)と別に民間の経済協力が三億ドル(1080億円)以上、合計八億ドル(2880億円)以上である。(中略)

なおこのほかに、民間人に対する補償として1975年に「軍人、軍属または労務者として招集され1945年8月15日以前に死亡した者」を対象にその直系遺族やく9500人にそれぞれ30万ウォンが日本から支払われている。また同時に日本の金融機関への預金、債権など財産関係の補償として9万3685件について総計66億4100万ウォンが日本から支払われている。

韓国は日韓経済協力協定に基づいた援助によつて、朝鮮戦争で破壊された漢江鉄橋の復旧事業を皮きりに港湾浚渫・鉄道整備等のインフラ整備を行うことが出来たのである。

以後の日韓経済協力は年間190億円ベースの借款を中心に実施された。 (中略)

これを1998年度までの韓国への日本のODA援助の実績で見てみると、無償資金援助が47億2400万円、無償技術援助が239億9400万円、有償資金援助(円借款)が6455億2700万円、合計で6742億4500万円である。

無償資金・有償資金の援助は90年で打ち切りとなったが無償技術援助は以後も続けられ99-2002年で3億1361万ドル、円換算で300億円を優に超える。したがって日本の対韓ODA援助は総計7000億円超ということになる。(外務省『ODA白書』各年版より)」 (P252-255)

皆さん、竹島で漁師さんらがどんなことに遭ひ、あの島が占拠されたかをhttp://www31.atwiki.jp/turu_takeshima/ で見てください。

本書には書いてありませんが、

**************************************************

1952年、韓国の李承晩大統領が行なった、一方的宣言によって規定された領海水域。
同宣言により
朝鮮半島周辺(最大二百マイル)の水域内に存在する、
すべての天然資源、水産物を利用する権利を主張した。

日本側はこのラインを認めず、
結局65年の日韓漁業協定で李承晩ラインが廃止されるまで、韓国軍による日本漁船の拿捕が続いた。

李承晩ライン廃止までの抑留者数・拿捕された船の数および死傷者数
抑留者数:3929人
拿捕された船の数:328隻
死傷者数:44人
死者の中には、娘が生まれたばかりの若い漁師も居た。
赤ん坊は、生後数ヶ月で父を殺された。
 
韓国が卑劣であったのは、
拿捕した漁民を人質として利用し、
日韓条約を韓国に圧倒的有利な内容で締結させたことである。
***********************************************
 
と「日韓経済協力協定を締結して国交正常化をなしとげた」にはこんな裏があるんですね。これを書かないのはさすがに朝鮮人でせう。

そんなことがあつても、自民党は援助を続けてをり軍の強制の証拠もないのに捏造の河野談話など出したのですよ。 そして挙句の果てに靖国参拝に行かなくなりました。 朝鮮だけにこんなに出してゐて、シナに幾ら出してゐるのか双方合はせて幾らなのか、円高景気回復も放置し25年以上、日本の輸出産業を敵国への技術供与といふ加担も加へて貶めてきました。 シナや朝鮮の家電メイカアが大きくなつたのはこのをかげです。

しかも自民党は、竹島に朝鮮人が何をしたのかもきちんと国民に教育せず、日本の領土ともきちんと公言せず、相手の嘘を黙殺し日教組に嘘の教育を行ふことを許してきました。

とどのつまり、自民党は日本にとつて有害な民族に60年以上加担してきたのです。

この政党が与党になつたところで、民主のしてゐることをまた過去のやうに「陰湿」にやるだけです。

この事実をもつて自民党に徹底抗議すべきです。 次回選挙はマスゴミに出ない小政党を調べて行くべきでせう。小政党でこのやうな嘘吐き民族国家に毅然と対応する活動をしてゐる党があります。 

一人ひとりが調べ、考へて投票することが大事です。 


現代語訳 武士道 

2012年08月11日 21時26分58秒 | 文化

新渡戸 稲造氏の著書。

新渡戸 稲造氏は1862年南部武士の子として生まれる。 札幌農学校(現在の北海道大学)に学び、その後アメリカ、ドイツで農政学等を研究。1899年アメリカで静養中に「武士道」を執筆。帰国後、第一高等学校校長などを歴任。1920年から26年まで国際連盟事務局長を務め、国際平和に尽力。
辞任後は貴族院議員などを務め、33年逝去。他の著書に「修養」「東西相触れて」などがある。

本書を現代語訳に訳した訳者は 山本 博文氏。 氏は1957年生まれ。東京大学院情報学環教授。専門は江戸時代の政治外交史研究および武士研究。著書に「江戸お留守守居やくの日記」(第40回日本エッセイストクラブ賞受賞)、「切腹」「江戸に学ぶ日本のかたち」など多数。

以前「要約版」を読んで投稿してゐるが http://blog.goo.ne.jp/liebe-kdino-schumi/e/95a2cb321012f4bbf323236644496ac3
今回、さらに新しく完訳が出てゐることがわかつたので、拝読した。

ダイジェストと違ひ、新渡戸氏の執筆の構成の上手さ、博識、かなりの頭脳の高さを実感してゐる。

「サムライの道」といふ異国人に全く未知な世界を紹介するにあたり、かなり上手い。一つを説明すると次の章にすんなりとつながる。

しかも例が聖書やシエイクスピアの小説や西洋になじみのあるものを引用してゐるので西洋人にもわかりやすいだらう。

新渡戸 稲造氏ッて、すごい人だつたんだな・・・と思つてゐる。

また、「武士道」は武士の教へであり他の人(農民、商人他)には直接教へられるものではなかつたが、「物語」として武士の武勇伝が語られその武士の精神論、つまり武士道が知れ渡り日本人の教へとなつていつた等様々な逸話があり読んでゐて楽しい。

紹介されてゐた文献で江戸時代にすでに本として出てゐた「古典」の現代語訳を読んでみやうかと言ふ気持ちになつた。

出だしが、かなりいい。 
「武士道 Chivalry は、日本の標章(しるし)である桜の花にまさるとも劣らない、わが国土に根ざした花である。それはわれわれの歴史の植物標本箱に保存される干からびた古い美徳ではない。私たちの間にあってそれは、いまだに力と美を持つ生きた存在である。そしてそれは、なんら実体的な形をもたないが、道徳的雰囲気の香りを漂わせ、私たちがなおその魅力のもとに置かれていることを気づかせてくれる」 (P17)

武士道の目次 :

第一章  道徳体系としての武士道
第二章  武士道の源泉
第三章  義 - あるいは正義について
第四章  勇気 - 勇敢と忍耐の精神
第五章  仁 - 惻隠の心
第六章  礼
第七章  信と誠
第八章  名誉
第九章  忠義
第十章  武士の教育
第十一章 克己
第十二章 切腹と敵討の制度
第十三章 刀、武士の魂
第十四章 女性の教育と地位
第十五章 武士道の影響
第十六章 武士道はまだ生きているか
第十七章 武士道の未来

「本書が書かれた1899年は日本が四年前に日清戦争に勝利し、ようやく世界の先進国の仲間入りをしようとしていた時期である。当時ヨーロッパ人にとっての日本人は好戦的で野蛮な国民であつた」(P199, 山本氏の解説より)

さうした環境の中で米国人を妻に、その妻や他の人から日本についてあれこれ尋ねられてゐるうちにきつと新渡戸氏は「武士」および「日本」について理解と理解を深める上での知識量が圧倒的に不足してゐることを実感し、それゆへなにやらの誤解等が起きてゐることを実感したのであらう。

今でさえ、日本でベツトで寝てゐると知らない白豚はゐる。テイブルも使はず、江戸時代の部屋の様相をしてゐると信じてゐる人達がゐる。 新渡戸氏の時代はそれ以上の「無理解、無知と偏見」があつたのであらう。

本書では、新渡戸氏がいかに「日本」「武士」を知つてもらはうと尽力を尽くしてゐるかよくわかるし、また現代に於いて本書を読むことは日本の「隠れた歴史の一部分」を知ることとなり、大変貴重な文献である。

武士といふのは、大小を刺し人を斬ることが可能であるが斬つたら自分も切腹しなければならない。命がけで斬るのである。戦国時代に於いては死ぬことは特別なことではなく、名誉のことであつた。 そのやうな時代に於いて、武家の男子を躾ける母親の厳しさがすごいし、人間精神が立つには厳しさを乗り越へる必要があるのだらう、と実感した。

新渡戸氏は本居頼長の和歌を引用してゐるが、これがまたいい。

「敷島の大和心を人問はば
朝日に匂ふ山桜花  (大和心とは何かと人が尋ねたら、朝日に照り映える山桜の花だと答へやう) 

そう、桜は昔からわが国民が愛する花であり、わが国民性の象徴であつた。特にこの歌人が用いた「朝日に匂ふ山桜花」という語に注意されたい。大和魂は、弱い栽培植物ではなく、自生の野生植物である。大和魂は、日本の国土に固有のものである。その性質は他の国の花と共通のところもあろうが、その本質はあくまでわが風土に固有な原生・自生の植物である。

ヨーロッパ人がバラをほめたたえる気持ちを私達は共有できない。バラは桜の単純さに欠けている。またバラが甘美さの下にとげを隠していること、生に強く執着し時ならず散るよりはむしろ茎の上で朽ちることを選び、まるで死を嫌いおそれているようであること、派手な色、濃厚な香り - これらすべては桜と著しく違う性質である。

わが桜花は、その美の下に刃も毒も隠しておらず、自然が呼ぶときにいつでも生を捨てる準備ができている。その色は華美ではなく、その香りは淡く、人を飽きさせない。色彩と形状の美しさは外観に限られる。色彩と形状は固定した性質である。これに対し香りはうつろいやすく、生命の生きのように天上にのぼる。 (P172-173)

次章に吉田松陰の処刑前夜の歌がある。

「武士道は無意識のうちに抗しがたい力となり、国民そして各個人を動かしてきた。近代日本のもつとも輝かしい先駆者のひとりである吉田松陰が、処刑の前夜に詠んだ次の歌は、日本民族の偽らざる告白であつた。

かくすればかくなるものと知りながら 
やむにやまれぬ 大和魂  (こう行動すれば、死ぬことになることを知っていながら、私をその行動に駆り立てたのは大和魂である) 」(P177-178)

第十四章 女性の教育と地位 とそれ以下に散見される武家での女性の役割、位置づけも「封建制」と言はれる中での女性の地位が明確になり、重要だ。 「福島みずほ」「田嶋陽子」らは、これを読んでも正しく理解できず、封建制は女性差別だとホザくであらうが、武士の世の中に「女性の役割」がきちんと果たされてゐなければ、「武士道」は続かなかつたと思ふし、武士が生き延びることがなかつたのではないかと思ふ。

新渡戸氏も説明されてゐるが、女性(妻と母)は「武士道」を子供に継承するのに「内助の功」として大変貢献してゐるのである。目立ちたい左翼のおばさんには理解不能だらうが、「陰ながら貢献する、自己犠牲」を武士道は決して軽んじてはゐない。

他にも日本人が知るべきことがたくさん書いてある。

一読をおすすめしたい。


リベラルが日本を潰す 保守新生

2012年08月02日 16時59分23秒 | 政治関連・評論・歴史・外交

平沼 赳夫氏と櫻井よしこ氏の対談形式の本。

本書の発刊は2009年2月。 民主党が大勝してから、「マニフェストにはない政策」(外国人参政権、人権擁護法案等売国政策)を推し進めてくる動きから、平沼議員が政治の現況に危機を感じ、発刊された。

櫻井よしこさんとの対話形式で、大変わかりやすく、あッといふ間に読める。 発刊は2009年であるが、今後の選挙のためにも民主党の政策に大いに不満だつた方は一読をおすすめする。

目次 :

第一章 「民主党インデックス2009」の売国的政策 

感想:
(民主党はマニフェストにはいいことばかり満載したが、実はこちらがほんたうの政策集であり、売国政策が山積みとなつてゐる。民主党はひたすらこれを隠してきたが、外国人参政権などマニフェストにないことがここに全部書いてある。民主党は今後もこれを中心に進めて行くであらう。 多くの方必読)

第二章 理念なき民主党政治が国を滅ぼす! 

感想:
(民主党の「友愛」といふおとぼけ、自分ひとりがいいと思つてゐるオバカ政策がどれだけ世界から相手にされてない酷いものなのか、解説されてゐる。)

第三章 自民党政権がなしえなかった政策 

感想:
(民主もひどいが、自民もひどい、と思つてゐる方がうなづく内容)

第四章 今後なすべき政策 

感想:
(自民党がしてこなかつた、すべきだつたこと。常々、自民が60年以上反日売国だと批判してゐるが、ここではさらに怒りがました。自民党はほんたうにダメだらう。 今の自民党員は何を考へてゐるのか?)

第五章 保守政治の目指すべきこと ~伝統と保守~ 

感想:
(これまで、旧皇族の竹田氏の著書を読み、書を紹介し感想を書いてきたが、それと基本一緒の内容。つまり、日本に今必要なことは、「天皇陛下」の「おおみたから」にきちんと戻ること。それが日本人である。だからシナ朝鮮が必死になつて神話を嘘だの、皇室を否定することをしてゐるのだ。)

といふことで、あたくしが考へる「今日本人一人ひとりがすべきこと」は

1. 神話(古事記)を読む 現代語訳あり、図書館で借りるでもいいから読む
本書の中でも紹介されてゐるが、古事記の中の出来事により現在の地名や言葉があり、神社がある。日本の起源を教へてくれるのが神話なのだ。
古事記を読まふ。

2. 朝日新聞はじめとした、マスゴミ、日教組が牛耳る授業、教科書他を信用しない。 基本、嘘。慰安婦と南京に代表されるが、マスゴミが騒ぐことはシナ朝鮮の作り話である。本書にはほんたうのことを書いてある本が紹介されてゐるので参考になる。 (本ブログでもいくつか紹介し感想を投稿してゐる)

3. 東京裁判は裁判の形式をした、戦勝国による国際法違反の「処刑」である。 未だに「A級戦犯」等のシナの言葉を持ち出して靖国参拝を否定するマスゴミは不勉強で愚の骨頂。 東京裁判の「判決」を引用する輩には気を付け、東京裁判の実態を解説した本の紹介もこの本にあるので参考に。

4. 日本国憲法の根本を知る。 権利ばかりが並んで耳当たりがいいことがあり、国民が主権であれこれ出来る自由ないい法律、といふ見解が教科書でありマスゴミだが。
権利に伴ふ義務がない。義務を果たさず権利ばかり主張する世の中がどんなものか、身近で考へてみやう。 

究極の例をだせば給食費を払はないのに食べる権利を主張する、毎夜暴走行為で周囲に迷惑をかけてゐるのに個人の自由だと主張する。収入があるのに生活保護を不正受給し、事がバレると人権侵害と主張する。

極端な例だが、日本国憲法はかうした輩に悪用されると大変な悪法になる。元々、義務を果たして人に迷惑をかけず・・・と心がけてゐる人は法の悪用など考へないが、世の中には真逆の奴がゐる。日本国憲法は、そんなやつに大変都合がいい条文が並んでゐる。

明治憲法の精神を紹介してゐる本もある。「日本国憲法」なるものが、日本人の幸福をもたらすものか一度考へるべきだ。 (この憲法を改正として出した自民党は問題外だ)

5. 日本の伝統の根本を破壊する、女系天皇を否定しやう。 天皇は男系男子であるべきだ。 本書で紹介されてゐるが「海外の研究者から『世界中さがしても、125代続く家系っていうのは無いけど、なぜ日本人は大切にしないのか?』と言はれたことがあるらしい (P202)

本書で紹介されてゐる、印象に残つたこと。

武道館で行われた皇室典範の改正に反対するための国民集会の参加者の発言で

「ヘブライ大学のベン・アミ・シロニー名誉教授からのメッセージでした。『自分はユダヤ人だからユダヤ教である。ユダヤ教のユダヤ人は男女同権という思想を正しいと考えている。しかしユダヤ教のラビと呼ばれる位を持つ坊さんは、父親から息子にのみその資格が移る。女性のラビはいない。だけれども、男女同権思想を持っているユダヤ人は誰一人、そのことに対して異議を唱えない。それは長い歴史・文化・伝統であるから、現代の思想である男女同権はそこに立ち向かうことはできない。 

全世界にカトリック教徒は10億人くらいいる。ローマ法王を見なさい。ローマ法王はすべて男性だ。これは男女同権思想がないがしろにされていることであるにも関わらず、誰ひとり異議を唱えない。それも歴史と伝統と文化があるからだ。

日本人の皆さん、目を覚ましなさい。125代続いている家というのはあるのか。それが男系で続いてきているということは尊い日本の伝統であり、文化であり、歴史なんだからそれを日本人が守らないのはおかしい』と発言したのです。」(P198-199)

大体、GHQが日本を長い時間をかけて「解体」しやうとしたのが皇族追放であるのだ。 マスゴミの耳当たりのよい言葉を無視して、GHQがやつてきたことと真逆のことをしたら、日本はきちんとした日本となり、日本人のための日本になるのだ。

ここまで書いて

やはり、今までの自民公明民主の議員では今後、ダメ といふことだ。 (社民共産は日本ではないので、ハナから除外)