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捜査指揮 -判断と決断-

2011年05月24日 19時33分31秒 | 社会・報道・警察・教育

岡田 薫氏著、寺尾正大氏協力。

岡田氏は昭和23年生まれ、昭和47年警察庁入庁。千葉県警察本部刑事部長、警察庁鑑識課長、科学警察研究所総務部長、警察庁刑事企画課長、警察大学校特別捜査幹部研修所長、警察庁暴力団対策部長、警察庁刑事局長など刑事警察の要職を歴任。そのほか警視庁神田警察署長、山口県警察本部長、兵庫県警察本部長、警視庁副総監などで指揮を取った。いわゆる警察庁キヤリアOBの中でも、刑事警察への造詣の深さは随一といふ経歴の持ち主であられる。

協力者の寺尾氏は、岡田氏の上司のやうな立場にあたり岡田氏は寺尾氏の捜査指揮の判断・決断に多々学ぶところがあり、著書のなかで寺尾氏の担当した実例を紹介してゐる。

一言で「警察」と言ふのは簡単だが、岡田氏のやうな考えを持つ人が警察だけでなくあらゆる世界に増えれば、物事を多角的・総体的に考え判断し、起きたこと(失敗含)から学び次に生かし、前向きに進むことが出来ると思ふ。

岡田氏の思考と正反対のヤツが、見栄を張り建前を重視し平気でウソを吐き、自己保身のために人を陥れ社会を嫌なものにしてゐるのであらう。

黒木昭雄氏といふ、警察でかなり不条理な思ひをされ退官された方の本を以前読み、投稿した ↓

http://blog.goo.ne.jp/liebe-kdino-schumi/e/2bf8f605e80037997506df961339e114

もし、黒木氏の上司が岡田氏のやうな思考の持ち主であれば黒木氏は辞めずに済んでゐたのではないか? 本書で取り上げられてゐる暴力団員による大学院生殺害事件は黒木氏も著書を出されてゐた(神戸大学院生リンチ殺人事件 警察はなぜ凶行を止めなかったのか)。黒木氏の著書は未読だが、岡田氏もこの時の警察の対応を問題視してゐる。

この著書は中々興味深い。きつと、警察小説を書く人が参考にしてゐると思はれる内容である。   

岡田氏が終始記述されてゐるご主張で、「起訴不起訴は検察の仕事、警察は捜査すること」とし「証拠がないから起訴できない」と検察が言ふのは当たり前で警察はその証拠を探すこと、あるが全く同感である。検察といふ「司法」の中に警察の位置づけがまぎらわしくなるやうなことがあるさうだが、岡田氏が主張されるやうに起訴か否かを警察は考えづに、証拠証人を検証して冤罪にならないやう、真犯人を逮捕してほしい。

警察の仕事は表には目立つことが無いが、大変重要な仕事だと思ふ・・・ (マスゴミは、自社(自身)のスクウプを意識するあまり、捜査の邪魔をしないでほしい。それでゐて不祥事があると大騒ぎをするが、マスゴミ自身のヘマにより犯人が逃げて市民生活が脅かされることになつた事件を警察は発表してもよひのではないかとまで思ふ)



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