李 登輝氏の著書、といふか講演等をまとめたものである。
李 登輝氏は 1923年、台湾・台北州淡水に生まれる。旧制台北高等学校を卒業後、京都帝国大学農学部農業経済学科に入学。学徒出陣で陸軍に入隊。終戦後の46年台湾に帰国、台湾大学へ入学。
その後72年行政院政務委員に就任。78年台北市長、81年台湾省政府主席、84年台湾副総統、そして88年蒋経国総統の死去により総統に。90年の総選挙、96年の台湾初の総統直接選挙を勝ち抜き、総統を12年務める。コーネル大学農業経済学博士、拓殖大学名誉博士であられる。
本書は日本の政治屋へ「読め」と言ひたくなる部分多い。
講演なので、場所が違へど内容がかぶるところがあるが、一読の価値がある。
李 登輝氏は、大変博学のやうでその一部に触れるだけでも勉強になる。
今読んでゐて、政治屋に読めと言ひたいのは
「坂本 竜馬の船中八策 若き日本人に伝えたいこと」 の部分である。
現在の日本でこれをやるべきと思ふ。
李登輝氏は、日本人とは違ふ「一歩引いたところ」から日本を見、その博学で解説してゐるので勉強になるし、李氏が引用してゐる本などは読まふかと思ふ。
また、日本が統治してゐる間にお生まれになり教育も日本が統治してゐる間に受けられたご経験があり、終戦後シナが来てシナの統治の経験もお持ちであるといふ、「台湾の歴史」「日シナの統治の差」「日本統治時代の台湾」「尖閣諸島が日本統治時代、台湾との間でいかなる状態だつたか」等々現在の問題の根本を語る部分があり、勉強になる。
興味深いのは、日本統治(完全なる植民地であり、賃金の差も日本人とあつた)であつた台湾と「併合」といふ植民地とは違ふ形(台湾のやうに賃金の差もなく、かなり平等であつた)朝鮮についての差を語られてゐる部分があるところである。
李 登輝氏によると、台湾人の気質といふのは日本人と国土の状況(海洋国家である)が由来して似てゐるところがあるらしく、それゆへ日本が持ち込んだ日本の教育、日本精神といふものをすんなり受け入れたのではないかと書かれてゐる。対してシナ朝鮮は「大陸」なので、その気質がまるで違ふらしい。 終戦後、台湾の統治が日本からシナに移り、日本的なものがすべて禁止されたこと、シナ人が移住してきたことから腐敗や堕落等が蔓延し始めた。
それを 李 登輝氏が台湾総統になつてから排除すべく、「台湾人の自我」を取り戻し「台湾的なもの」「日本精神」を教育するやうにしたらしい。
このやうな状況を読むと、日本にシナ朝鮮が合はないのもよく理解できるしさらに、こいつらが「日本国籍」を取得することはとんでもない暴挙であることがよくわかる。
李 登輝氏はその教育に必要な文献を本書で挙げられてゐる。また、「武士道」といふ日本人が書いた日本の精神論なのに、名前は聞けども日本人が読むことは今日少なくなつたことを嘆いてをられる。 現在の日本が戦前の日本精神を失ひつつある状況を憂慮し、取り戻すやうにとのメツセイジもある。
こんなに日本のことを思つてくださる方がゐるといふのはありがたい。
教育は大事だ、と思ふ・・・・
そしてここや自分の他のブログで散々おホザキしてきたが
教育を荒廃させてきた、いまだにやつてゐる自民党は絶対に許さない。 とどのつまり、今後議員として出てくるべき人は、これまでの「政治屋」では到底駄目といふことだ。