読書おぶろぐ

読んだ本の感想を書いてます

2011年12月27日 21時53分03秒 | 小説

松本 清張氏の作品。

松本清張は、印刷工や給仕などを経て朝日新聞に入社する。在社中に応募した作品が賞の候補となり、翌年直木賞を受賞し小説家の道を歩き始めるといふ経歴の持ち主である。

本作品を執筆した時代が時代なので、登場人物が出兵した経験がある人ばかりとなつてゐる。 「網」の最後の解説にあるのだが、松本清張は1939年から45年にかけて青年期を過ごした人であり、のちに「戦中派」といふ言葉が生まれたがそこに該当する世代であつた。 松本清張が軍隊での経験を反映した作品や自叙伝があるが、本作品もそのうちの一つである。

主人公の小説家、小西は地方新聞社の社長となつてゐる沼田から小説寄稿の依頼を受ける。沼田は軍隊でも抜け目のない、要領のいひ奴であつた。その沼田の地域で選挙があり、選挙違反で数名が逮捕されるが沼田はうまく免れる。

沼田は候補者から堂々と大金をせしめて裏切り、選挙違反を免れると同時に候補者を落選させたゐたのであつた。。。。

やがて、選挙違反で協力してゐたはずの人物の死体が発見され主人公の小西は、沼田が自分に小説連載を依頼してきたこととのつながりを考え独自に捜査を始める。

別のおぶろぐに、「海老さまの弁慶を見てこんな、沼田のやうなずるい徹底的な悪役を演じてほしい気がした」と書いた。 途中、主人公の小西のはうがいひかな~とか考えたが

やはり、沼田を演じてほしい。

そして、最後の最後の沼田のセリフを海老様に言つてほしい

信義とは・・・・・

「信義」が文章として表され、それが大手を振つてゐた時代
いつのまにか「信義」が消えたやうになつてゐる現代

しかし

信義は残つてゐるだらう。。。 沼田と小西に残つてゐたやうに。


日本中枢の崩壊

2011年12月01日 17時05分42秒 | 政治関連・評論・歴史・外交

古賀茂明氏の著書。

読んでゐる最中からずつと思つてゐたが :

はつきり言つて、

政治屋が、いかに役に立たない存在なのかわかる。

本書では、官僚のやり方と考え方がどれだけ自分たち優先か書いてあるが

政治屋も一緒だな、と思ふ。

結局自分たちはカネがほしければ増税し、絶対に自分たちは貧困にならないやうに操作できる立場であるから、

わざわざ 「他人のために」 そのいひ構図を変へやうとはしないのである。

政治屋も同様。

税金でカネもらひ、好きなところに行き、相続税もかからないやうに法改正し、自分たちがトクをすることの議論はするが

国と他人

なんかだうでもいひのだ。

民間だと、「給金をくれるのはお客様」といふことがよくわかつてゐるので、「お客様対応をよくして、なんとか売り上げを増やし」となるのだが

政治屋と官僚の場合、給金をくださるお客様に払ふ金額を強制できる立場なので

ほんたうに、人のことはだうでもいひのだ。

政治屋は何かあると選挙で落ちる、と古賀氏は述べられた。確かにさうなのだが、落ちてほしいのに、いつも出てくる世襲などがゐる。これは官僚と一緒だ。

古賀氏は、改革をめざす政治屋の手足となつて働きたいと仰つてゐたが、

そんなヤツゐるのかな・・・と思つた。

はつきり言ふと

橋下氏のやうな、「既成政党は不要なので自分で作ります」的な行動力と世間がついてくる知名度他のある人ぢやないと、

古賀氏の主張されることを一緒に実現する人がゐないのでは?と思ふ

出てくるとしたら

ほんたうに、無名の新人とか

無名の議員とか

とにかく

利権に関はるチヤンスがなかつた人

そんな人でないと、無理だらうな  ( ̄◆ ̄;)

と思ひ

未だに、自民党がそこに気づいてゐないのが民主党よりも末期症状だと思つた。

民主党はもちろん日本に不要だが、これまでの土台を60年かけて築き未だにその間違ひを認識してをらず、反省も改善もない自民党などがまた政権を取つても日本のためにはならない。

それが今回の震災の対応でよく見えたし、本書でもよくわかつた。

呆れることに、自民党議員で野党の立場なのに役人に「国会の質問を書いてもらふ」ヤツがゐるらしい。

これなどは民主党以下の給金泥棒だ。

国会中継を注意して聴いてゐると、誰が役人が書いた質問なのかきつとわかるであらう。なぜなら、民主党の返答を書いてゐるのも役人だから、漫才内容のやうなやりとりになつてゐると思はれる。

「芝居」の筋書きのやうな党首討論、あれがものすごく臭い。 谷*なら、出身も役所だし平気で頼みさうだな。 ああいふ人を党首にしてゐる自民党は、すでに自分たちが最低の役人モタレ党だと公言してゐるやうなものだ。

古賀氏は、ご自分では大それたことをしてゐるつもりはないと書かれてゐるが、かなり勇気がゐる作業をしてゐると思はれる。 元々正義感といふか勇敢な人なのだらう。

おかしいと思ふことに黙つてゐるより行動する - これを実直に行動する方なのだと思ふ。なので、自分の損得よりもまず目の前にある「処理すべきこと」を見るのであらう。

概して人間は、物事への処理よりも「結果による損得」などを考えやすい。 特に、年を取り経験を積むほどさうなる。 古賀氏のやうに「純粋」を保ち続け行動する勇気があり、それを自覚せずに普通のこととして流すのはかなり貴重な存在だと思ふ。

かういふ方が自己利益ばかり追求し、平気でうそを吐くやうな組織にゐたのは宝の持ち腐れであるし、別方向から宝を生かしなさいといふ啓示のやうにも思へる。

P359-373には「東京電力の処理策」が記載されてゐる。 全くこの通りであり、あれだけの事故を起こしてをきながら自然の災害だと言ひつづけ、犯人を罰しない民主党とその他野党は同罪だ。 

東京電力と官僚はくッついてゐるので、何も行動しない政府と野党その他政治に責任と罪があると考える。

中でも、特にすぐに実施してほしい、「処理策」として
「東電全役員の報酬・退職金を100%返上または被災地への寄付。相談役・顧問等の常勤ポストを全廃。天下り役職員の全員退任。(国民の理解を得て国会での審議を促進するために不可欠)」
「東電の広報原則禁止。必要な場合は監視委員会の許可制とする。お詫び広告は即時停止を経産省が要請。その代り、毎日社長が土下座会見をする。(これまで見られるマスコミ、とりわけテレビ局への不当な影響力の排除。他の電力会社も同じ問題。)無意味な節電広告も禁止してよいのではないか。」「東電による学者等への資金拠出・原稿料・講演料などの支払いの公開(御用学者による東電寄り専門家情報の流布に歯止め。他の電力会社も同じ問題」
「東電および東電労組による政治家への献金、便宜供与、ロビー活動の禁止」 (以上4項目P367より抜粋)

2011年5月の段階の処理策であるが、これまでの政治屋の対応が東電よりもひどいので政治屋も給与100%返上または被災地への寄付にしてもらひたい。

官僚、政治屋、その他利権のみ追及する団体

給金もらふ資格ないよ