手嶋龍一氏の著書。
本書は、「1991年日本の敗北」を改題、内容を一新し、湾岸戦争勃発に際して日本政府が巨額な資金援助を提供するも、戦争終結後の「感謝を申し上げる」のリストに日本の国名が入つてゐなかつたことの舞台裏といひますか、湾岸戦争に関する「政治の舞台裏」を克明に記述されてをります。
P422 - P436の「取材・参考文献ノート」では手嶋氏の人脈と言ひますか、経歴の凄さ(厚さ)が感ぢられます。
いろいろなジヤアナリストの方がいらつしやいますが、本書は手嶋氏にしか書けなかつたのではないか、さう思はれます。
それにしても、佐藤氏の著書でも感ぢましたが・・・・
外務省だけでなく、「民間外交官」としていかに民間企業の方々の活動が重要であるかがよくわかりました。
また、「湾岸戦争」といふ戦争により駐在してゐた民間企業の日本の方々の「人質」としてのご経験の大変さ、最終的には国のためになる活動をされてゐるこの方々に対する日本政府の対応のいい加減さがよくわかりました。
日本政府は、日本国民の税金で生活する資格は無いですね。
断言します。恩給も貰ふ資格はありません。
様々な失態を犯した厚生労働省だけでなく、大蔵省・外務省も国益に反する基幹だと思ひます。
ハイチ地震の時の「自衛隊救護活動」派遣の決定も大変遅かつたですが、そのトロさはこの著書の自衛隊の後方支援活動に関する記述で「カラクリ」がよくわかりました。
全く、あきれ返る様相です。
なぜ、「人道支援」に関して憲法解釈を的確に判断して「軍事行為」にならない「自衛隊の援護活動=人的支援」をさつさと決められないのでせうか?
イライラゐたしました。
そして、とどのつまりは民間の船舶会社に「戦地への物資輸送」を要請してゐる体たらくです。
まあ、船舶会社ぢやなくても「なんで民間が戦地に物資を輸送するんだよ?」と呆れます。
そこで登場するのは、またもや馬鹿なマスゴミです。
「船社が非協力」つて、当たり前です。
危険地域に、身を守る装備の無い民間の船舶が赴くのが間違つてゐるのです。
危険地域への物資輸送など、防衛機能を搭載した船舶・飛行機を使用するに決まつてゐます。
さつさと自衛隊の「輸送機関」を「人的支援」に活動できるやうにすればよいのです。
湾岸戦争では日本国は増税してまで、「財源支援」を行なつたのに、馬鹿な大蔵省と外務省の責任で、日本国民の貢献がきちんと認識されませんでした。
当時のベーカー国務長官の人柄ではなく、さういふ人柄を考慮した外交をしなかつた(できなかつた)外務省と大蔵省の間抜けさの責任です。
日本を動かす基幹に居ながら、日本国のためにならないやうな「見得の張り合い」に終始するやうな役所は、その思考を直ちに改めて的確な処置をできるやうに勉強してください。
東大卒の方が大半のやうですから、「何が的確」なのかあたくしが言はなくてもお分かりのはづです。
国益に反する基幹は、その中身を直ちに入れ替えてゐただきますやう、心より御願ひ申し上げます。