読書おぶろぐ

読んだ本の感想を書いてます

ハゲタカ II

2009年06月21日 18時46分50秒 | 経済
真山 仁氏の大ヒツト 作品。
(バイアウト改題)

ハゲタカ
ハゲタカ II 
とあるが・・・・

自分はIIのはうが面白ひと思ひます。

主要登場人物

鷲津 政彦 ホライズン・キヤピタル(投資フアンド) 会長  別名ハゲタカ
アラン・ウォード ホライズン・キヤピタル 副社長
リン・ハツトフォオド ゴオルドバアク・コオルズ (米系投資銀行)副社長
鷲津の元恋人
芝野 健夫 曙電機 CRO 担当執行役員専務 (元三葉銀行、元えびすや)

ハゲタカ IIでは、アランが女性に地下鉄線路に突き落とされ殺害されるところから始まる。

アランを失つた鷲津は世界放浪の旅に出、約1年後日本に帰つてくる。
日本でかつてのやうに、企業買収を行なふべく行動を起こすが彼の前に立ちはだかつたのは思ひもかけない相手であつた。

煮え湯を飲まされた彼が狙つた次の相手は・・・

最後の最後に、物語はまだ終わらなひと教へてくれる。
次が楽しみです。

死の点滴

2009年06月21日 10時19分05秒 | 医療 (医療小説含)
霧村 悠康氏の作品。

倉石 祥子 国立O大学呼吸器内科医師と彼女の恋人、
医学部卒業の経歴を持つ埼玉県警刑事 岩谷 乱風(らんぷう)の活躍シリーズであります。

霧村氏は現役医師であり、現場で感じられてきたことや起きてきたことをテーマに
諸書の作品をお書きになつてをりますが、この作品もその一つです。

薬物中毒患者が死亡した翌日、治癒間近の十二指腸潰瘍患者も急変し
命を落とした。
当直に来ていた倉石祥子はその死に疑問を抱く。調べていくうち、点滴使いまわしおよび使用期限切れの薬剤使用疑惑が持ち上がる。

そこへ、祥子が所属する国立O大学の教授選も絡む。

山崎豊子氏作 「白い巨塔」のやうな大学病院の実態を描場面・開業医の現実的部分も描かれる作品です。

魚神 (いおがみ)

2009年06月14日 16時29分30秒 | 小説
千早 茜さんの作品。
千早さんは北海道生まれ、小学校時代の大半をアフリカのザンビアで過ごされ
現在京都市在住。
長編の処女作となる本作で第21回小説すばる新人賞を受賞されてをります。

主人公 白亜は「島」で遊女をしてゐる。
白亜は幼いころにスケキヨとともに婆に拾われた。
婆は親切心から2人を拾つたのではなく、「将来高く売れそう」といふ気持ちから
2人を拾ひ、育ててきた。

やがて、年頃になつたスケキヨを婆は売りに出す。
スケキヨの売られた先は

それから白亜も売りに出される

白亜にはスケキヨの行方は知れないが、スケキヨは何処からか白亜を見ている・・・
白亜はそう感じてゐた

幻想的なそれでいて現実的な話。
この人が次回どんな作品を書くのかも楽しみです。

殺しあう家族

2009年06月09日 21時01分11秒 | 小説
新堂 冬樹氏の作品。

新書だと思ふが
図書館で借りて、三分の一位まで読んで気持ちが悪くなりました。
そこで読むのを止めやうかと思つたくらい、すんごい内容でした。

主人公、小田貴子は厳格で世間体を気にする両親の元で育つ。
教職員を追われた貴子は、「街」と呼ばれてゐるところへ行き「ビユウテイ・アドバイザア」として働き始めた・・・ はづだつた。
そこの社長、富永に出会つてからの日々は・・・・

「殺しあう」とはこの作品の場合「殺しあいさせられる」が表現として正しいのか
わからなひが

人間は、所詮自分のことを優先に考へて行動する生き物なのだ・・・ (動物は皆
さうだけど、人間のやうに嘘をつかずに正直だよね)と思はせるのと
こんなことがあるのか?
自分で考へて、逃げるなりなんなりしろよ!!
結局人のせい?

等々
複雑に考へが及びました。

しかし!!
相当グロテスクなシインも出てくるので映画にするのは難しいかと。。。
潔癖な人は読まなひはうがいいでせう。

ロザリアの裁き

2009年06月07日 20時32分53秒 | 医療 (医療小説含)
霧村 悠康氏の作品。

「ロザリア」とはロザリア・ロンバルト (1918-1920) のことで、イタリアのカプチン・フランシスコ修道会地下納骨堂に眠る二歳の少女。死蝋化したため、全く腐敗しておらず、生前の姿を保ったままの奇跡ともいえる世界一美しいミイラである (本書扉より)

ある不倫カップルの車が人を撥ねた。しかし被害者の人間が出てこない。
数ヵ月後、同じ場所で同じやうなことが起きる。それでも前回同様、ニュースにさえならない。
一方で不倫カップルの事故と同じ日にある女性を殺し、土に埋めたはずの男が居た。
しかし、彼が再び現場に戻つた時、埋めたはずの死体は消えていた・・・・

霧村氏は、現役の医師であり医療現場の矛盾や裏事情を多くの作品にされて
きてゐます。
この作品も、ミステリイの面を持ちつつ、現役医師が知る裏事情も盛り込まれ
読み応えのある作品となつてゐます。