パゴ・イグナシオ・タイボⅡ(メキシコの作家、歴史家)、フェリックス・ゲーラ、フロイライン・エスコバル(フェリックスとフロイラインはいずれもキューバのジャーナリスト、作家)による共著。
現在、ゲバラの「革命への道程コンゴ編」は日本語訳になつてゐない。(スペイン語で刊行されてゐるのかも未確認)
ゲバラの「革命への道程コンゴ編」をおそらく引用しつつ、一緒に参加したキューバ人およびコンゴ人、ケニア他アフリカ人の証言をもとに刊行された著書。
以前、コンゴに関する著書で日本人女性が国連の立場で参加したことを記す著書の感想を投稿した。 その人の著書には、コンゴ人の「お人よし」による「支配下に置かれる」状況他が記述されてゐたが・・・
本書は、その人の著書を裏づけするものである・・・と思ふ。
本書を読んでゐて、最初から思つたのは・・・
「結局、コンゴ人はやる気ないんだな」といふ印象だつた。しかし、コンゴ人がやる気が無いといふよりは、いきなり侵入してきたベルギーのやり方(および各地で侵出してゐた植民地主義のやり方)により、「抵抗しない」やうに手なづけられてゐた感もあつた。
上官候補などが、「学校に行つて、指導者になり、自分らがよひ暮らし(白人の入植者のやうな生活)をしたい」といふ精神に染まつてをり、ゲバラ等が目指してゐた「過つた方向に導くエセ指導者から国と農民(自国の利益)を解放し、自分たちで得た糧は自分たちの利益にする」といふ考へとは全く違つてゐたやうに思へるからである。
なので、自動的に「しわ寄せ」は一番最初に物をつくる、農民に来るのであつた・・・・・・
コンゴ人の特徴は、本書によく表れてゐるのであるが、この特質は「征服しやう」として侵出してくるモノたちには大変都合のよひものであらう。何しろ、「抵抗」といふものをしないし、自ら武器を取つて闘ふといふ発想もほとんどなく、最初に行なふのは逃亡なのである・・・・
(アフリカで狩猟をして生活していく部族はまた違ふのかもしれないが)
また、アフリカは中東と同ぢやうな「部族」が多々をり、国民と言ふよりは部族の集まりであり、部族内での習慣も違ふ。ゲバラらとは言葉も違ふし、何しろ一番最初に来るのは「白人なのに」といふ反発なのである・・・・ (これは、ベルギー始めとした白豚がもたらした弊害である)
白豚がアフリカで何をしたのか、その結果だういふ印象をアフリカ人にもたらしたのかは、アフリカ人アレクシスの言葉でわかるであらう。
「キューバ人がわれわれの国のためにしてくれたことを忘れることはない。ほかの人間に同じことが出来たかどうか疑問だ。キューバ人は、われわれと共に飢えに耐え、われわれと同じボロをまとい、そしてわれわれと共に死んだのだ」
現在でも、コンゴおよび第参世界とされてゐる国々では、搾取とそれによる格差が続いてゐる。白豚らは、自らの犯罪が巻き起こしたことを償ふべきであり、COP10 のやうな国際会議で他国を巻き込むことを止めるべきである。また、自身らが引き起こしてきた環境破壊を棚上げして偽善を気取つた環境活動も止めるべきである。