読書おぶろぐ

読んだ本の感想を書いてます

ゲバラ コンゴ戦記 1965

2010年11月24日 15時56分29秒 | 人物伝、評伝 (自伝含)

パゴ・イグナシオ・タイボⅡ(メキシコの作家、歴史家)、フェリックス・ゲーラ、フロイライン・エスコバル(フェリックスとフロイラインはいずれもキューバのジャーナリスト、作家)による共著。

現在、ゲバラの「革命への道程コンゴ編」は日本語訳になつてゐない。(スペイン語で刊行されてゐるのかも未確認)

ゲバラの「革命への道程コンゴ編」をおそらく引用しつつ、一緒に参加したキューバ人およびコンゴ人、ケニア他アフリカ人の証言をもとに刊行された著書。

以前、コンゴに関する著書で日本人女性が国連の立場で参加したことを記す著書の感想を投稿した。 その人の著書には、コンゴ人の「お人よし」による「支配下に置かれる」状況他が記述されてゐたが・・・

本書は、その人の著書を裏づけするものである・・・と思ふ。

本書を読んでゐて、最初から思つたのは・・・

「結局、コンゴ人はやる気ないんだな」といふ印象だつた。しかし、コンゴ人がやる気が無いといふよりは、いきなり侵入してきたベルギーのやり方(および各地で侵出してゐた植民地主義のやり方)により、「抵抗しない」やうに手なづけられてゐた感もあつた。

上官候補などが、「学校に行つて、指導者になり、自分らがよひ暮らし(白人の入植者のやうな生活)をしたい」といふ精神に染まつてをり、ゲバラ等が目指してゐた「過つた方向に導くエセ指導者から国と農民(自国の利益)を解放し、自分たちで得た糧は自分たちの利益にする」といふ考へとは全く違つてゐたやうに思へるからである。

なので、自動的に「しわ寄せ」は一番最初に物をつくる、農民に来るのであつた・・・・・・

コンゴ人の特徴は、本書によく表れてゐるのであるが、この特質は「征服しやう」として侵出してくるモノたちには大変都合のよひものであらう。何しろ、「抵抗」といふものをしないし、自ら武器を取つて闘ふといふ発想もほとんどなく、最初に行なふのは逃亡なのである・・・・

(アフリカで狩猟をして生活していく部族はまた違ふのかもしれないが)

また、アフリカは中東と同ぢやうな「部族」が多々をり、国民と言ふよりは部族の集まりであり、部族内での習慣も違ふ。ゲバラらとは言葉も違ふし、何しろ一番最初に来るのは「白人なのに」といふ反発なのである・・・・ (これは、ベルギー始めとした白豚がもたらした弊害である)

白豚がアフリカで何をしたのか、その結果だういふ印象をアフリカ人にもたらしたのかは、アフリカ人アレクシスの言葉でわかるであらう。

「キューバ人がわれわれの国のためにしてくれたことを忘れることはない。ほかの人間に同じことが出来たかどうか疑問だ。キューバ人は、われわれと共に飢えに耐え、われわれと同じボロをまとい、そしてわれわれと共に死んだのだ」

現在でも、コンゴおよび第参世界とされてゐる国々では、搾取とそれによる格差が続いてゐる。白豚らは、自らの犯罪が巻き起こしたことを償ふべきであり、COP10 のやうな国際会議で他国を巻き込むことを止めるべきである。また、自身らが引き起こしてきた環境破壊を棚上げして偽善を気取つた環境活動も止めるべきである。

白銀ジャック

2010年11月22日 13時18分23秒 | 東野 圭吾

東野 圭吾さんの最新作。

年の瀬のスキー場に脅迫状が届く。

「ゲレンデの下にタイマー付きの爆破装置が埋められている。我々はいつ、どこからでも爆破できる」

最初の脅迫状に従い、警察に通報せず用意した現金はものの見事に持ち去られる。

脅迫は最初の1回だけではなかつた・・・

スキー場のパトロール隊員の根津は、犯人のスノーボードの腕前、用意周到な現金受け渡し等を目の当たりにし、なんとしても犯人を突き止めやうとする・・・・・・

怪しい人物が出てくる。この人が怪しい、いやこちらも怪しい・・・と怪しい人物が次々に出てきて、最後の最後に明らかになる犯人とは。

東野さんの作品は、最後に明るさがあるからいひよな・・・


警察腐敗 警視庁警察官の告発

2010年11月19日 23時15分11秒 | 社会・報道・警察・教育
 
黒木 昭雄氏の著書。
黒木氏は、先日お亡くなりになりました。 「疑惑の死」と言ひますか、ブログの記事が削除されてゐたことや自殺の前日までツイツターを書き込んでゐたことから、様々な憶測が流れました。
下記の記事も、「殺人者」がやらふと思へばできないことはありません。
 
まあ、それはさておき・・・・
この著書には黒木氏が警察に所属してゐた23年間の体験が書いてあります。
黒木氏自身も、「嫌がらせ」をされてゐたのですが、この本の内容はすべて、民間企業でされれば裁判沙汰になり、企業は負けることばかりです。
 
警察官の方々は、そんな民間企業の「不祥事」のおにゅーすを見てどんな感ぢを受けられるのか?
それを想像すると、あまりにも気の毒です。
 
では、どんなことが日常「警察」といふ組織で行なはれてゐるのか?
まづ驚くのは自家用車を持てない (事故でも起こすと上司にとばつちりが行くから)
電子メール、携帯電話番号の強制的な調査
旅行は届出と上司の許可が必要 
休日でも外出および日帰りも行き先を明らかにする
知人・友人の交友関係の実名・住所の届出
 
・・・・ これ、立派なプライバシーの侵害であり人権侵害でありませう。
こんなことを通つてゐる警察組織がおかしいし、これでは警察官はストレスが溜まるに決まつてゐます。 
信ぢられません
 
しかも市民から評判の悪い、駐車違反とかネズミ捕りとかで点数を稼げと上司から言はれるのでやりますが、黒木氏が懸念されてゐるとおり、「くだらないこと」で警察に嫌な思ひをさせられたら、聞き込みなど重要事件で協力する気はなくなります。
 
また、驚いたのは110番は立ち上がつて即対処することになつてゐるらしいのですが。
あたくしは、許せない経験をさせられたことがあります。
 
昔の家の付近は田舎で夜になると人が途絶え、木々も多かつたので変質者が車を停めてゐたりジョギングを装った痴漢などがゐました。
ある日、夕刻停めてあつた車の横を通つたところ、「ああああ」と男の変な声がするのでそちらを見ましたら、中年おやじが顔にグレーの布切れをかぶせてオナつてゐました。
小学生なども通るところなので、子供が被害に遭つたら大変と思ひ、110番しました。
 
この時の中年警官の対応は絶対に忘れません。
にやついた声で
「で、車の中で何してるの?」
「ちよつと行つて、まだゐるか見てきてよ」
結局パトカーは来ませんでした。代はりに、電話した先を確かめるためなのか宅に「逆探知からかけたやうな電話」がかかつてきました。
 
このとき以来、黒木氏の指摘してゐるとおり、警察に協力する気は皆無となりました。
110番はあれ以来したことがありませんが、出た警官は名乗るべきです。
 
黒木氏の著書と実体験と、先日「流出」した機密情報を考慮すると、黒木氏の著書の内容が真実で、ストレスがMAXの人たちが行動を起こしてゐるのかもしれない・・・と思ひます。
 
 
11月9日(火)17時0分 
 謀殺説流れたジャーナリスト・黒木昭雄氏から死後メール到着

 ジャーナリスト・黒木昭雄氏(享年52)が11月2日、父親の眠る寺の駐車場に止めた車の助手席で亡くなっているのが見つかった。死亡推定時刻は1日23時ごろとされる。


 警察OBでありながら、警察の不正などを厳しく追及してきた黒木氏。最後に手がけていたのが、2008年7月に岩手県で起きた17歳少女殺害事件だった。岩手県警が指名手配している容疑者について、黒木氏はえん罪ではないかと疑問を呈し、警察の捜査を真っ向から批判していたのである。


 警察は、黒木氏が亡くなった原因について、練炭自殺の可能性が高いとしているものの、こうした背景があるだけに「口封じされたのでは」などと謀略小説のような話が飛び交った。ツイッターでは〈黒木昭雄さん暗殺事件が発生!「練炭自殺」に偽装!〉といった書き込みが相次いでいた。


「警察の人間は、黒木さんをあしざまに罵る人も少なくなかった。身内だっただけに裏切られたという思いも強かったのでしょう。それだけにこうした“謀殺説”が飛び交うのでは」(警察関係者)


 しかし、黒木氏とともに事件取材に当たっていた平松総合調査事務所の平松直哉代表はこう語る。


「死の翌日、11月2日午前9時頃に、黒木さんから〈こんな形になったけどいつも見守っている。また会おう〉という携帯メールを受け取りました。タイマー設定で送信したのでしょう。一部で『確認されていない』と報じられた、家族あての遺書もこの目で見ました。別れの挨拶と『葬儀はこうしてくれ』ということが簡単に書かれていました」


※週刊ポスト2010年11月19日号


新宿鮫

2010年11月15日 16時24分27秒 | 小説

大沢 在昌氏の作品。

シリーズとして刊行され、映画にもなつた「新宿鮫」の第一巻。本作品で日本推理作家協会賞と吉川 英治文学新人賞を受賞されてをられます。

1990年に刊行されてゐるといふことは、今から20年前だ。

その頃にはまだ、赤電話とかピンク電話があつたのだらうか? なんだか時間の感覚といふか、時代の流れがイマイチよくつかめない。逆に、読んでゐて「携帯が無いとこんなに不便な職業があるのだな」と実感する。

個人的に、携帯はあれば便利、くらいの需要しかないのだが警察や時間を争つて仕事をする人たちには絶対に必要だらう。

昔、「ハードボイルド」小説といふものを読み、登場人物が次々銃の撃ち合いで死に、最後に主人公も銃で死んで終はりといふ内容に心から「殺伐」として、以来ハードボイルドとか歌舞伎町舞台とかあまりいいイメージがなく、このシリイズも勝手に殺伐モノと思ひこんで避けてをりましたが、何気なく図書館でみたら、刑事物だつたのか~!と知り、読んでみたら面白かつた。

この人の作品を初めて読んだが、続けて読んでみやうと思ふ。

 


空の冒険

2010年11月11日 14時02分20秒 | 小説

吉田 修一氏の作品。

本書は吉田氏がANAの機内誌に連載してゐた短編小説およびエッセイをまとめたものである。

短編小説のはうは、様々な登場人物とその背景を描いてゐて、

小説家といふのは、観察力がすごいな~

と思ふ作品ばかりでした。

エッセイでは、行きたいなと思つてゐたブータンに吉田氏が行かれてをり、そのときのやうすが書いてあつた。

ブータン ・・・・

祭りを見にいくのもいひけど、空いてゐる時期にのんびり行くのもいいかもな・・・・