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日本は「侵略国家」ではない!

2015年02月14日 17時21分25秒 | 政治関連・評論・歴史・外交

田母神 俊雄氏と渡部 昇一氏共著。

本書は、田母神論文 http://www.apa.co.jp/book_report/images/2008jyusyou_saiyuusyu.pdf

と呼ばれる論文を巡り、平成20年(2008)10月31日防衛省の田母神 俊雄航空幕僚長が更迭された件を
受け、懸賞論文の審査委員長であつた渡部氏がこの時の報道のやうすと田母神氏の論文の審査過程、そして
この論文の内容が更迭されるべき内容なのか等を「序にかえて」でわかりやすく説明してゐる。

その後田母神氏と渡部氏で論文による航空幕僚長解任の背景、「歴史問題」とされる反日の背景、
反日がしつこく継承を要請する「村山談話」の背景を中心に、日本人の精神と国防に対する現実的な
対応の必要性等を説くもので、大変ためになる。

また、平成20年当時の麻生政権の恐ろしさにも気づく。プロローグでは、田母神氏が解任から退職までの
経緯を書いてゐるが、「言論の自由」だの「民主国家」だの言つてゐる日本では到底考へられない弾圧と
いふか、独裁政権並みの対応である。独裁政権の場合は、意に沿はない人間は殺されるが、田母神氏の
場合は、「職を解く」ことで社会的に殺されたやうなものであらう。

常々自民党は保守を謳ひながら、反日に加担する陰湿な反日政党だと思つてゐたが、麻生政権のこの
対応が、まさにすべてを物語つてゐると言へやう。

現在も戦後70年に関して安倍談話の内容を村山談話を継承したものにしろとか主張してるのが多く、
安倍氏自身も歴代内閣の考へを継承すると今から言つてゐるが、これは日本が村山談話以外の
話を認めないと暗に宣言してゐることであり、到底自由で真実を語る国ではないと発表してゐるやうな
ものである。

それを、本書が田母神氏の件を実例にして証明してゐると思へる。

また、田母神・渡部両氏による歴史の「事実」と捉へられてゐる説の紹介もあり、現在日教組や
反日新聞が絶対に書いたり教へたりしない内容なので勉強になる。

今右傾化とか大騒ぎされてゐるが

ただ、反日が自分達の嘘がバレてゐるのを焦つて隠蔽したがつてゐるだけなのだとよくわかる本である。

簡単に目次を紹介:

プロローグ 空幕長解任劇でわかってきた重大なこと
第一章   無知と鈍感さが露呈した批判の論点
第二章   日本を危うくする「村山談話」の呪縛
第三章   「文民統制」に潜む危険な罠
第四章   優れた武人を育てた日本の伝統
第五章   国防に甘え・予断は許されない
付録     懸賞論文全文
        産經新聞 平成20年11月6日 「正論」  空幕長更迭事件と政府の姿勢 
         産經新聞 平成20年11月21日 「正論」 空幕長更迭と「思想信条の自由」 


いつか、あなたも

2015年02月07日 21時09分03秒 | 医療 (医療小説含)

久坂部 羊氏の作品。

本書は、作家ご本人も記されてゐるが、「めずらしく」あとがきがある。
この本は、久坂部氏の実体験に基づいて書いてゐる本ださうだ。
だが、登場する2人の医師のモデルが久坂部氏であることは明かされてゐるものの
登場するクリニツクの看護師や事務員の方はフィクションと明記されてゐる。

主人公は在宅医療専門のクリニックの看護師。
この看護師の勤めるクリニツクは、在宅医療のケアなので訪問診療のみであり、クリニツクに
患者を迎えることはしない。

訪問して、患者の自宅で診察をし、必要な措置が出た場合は外部の病院を紹介するクリニツクである。

このクリニツクを中心とした、さまざまな患者の物語が短編となつてゐる。

題名の「いつかあなたも」 は

あなたもいつか死にます、それが在宅なのか・・・・といふ問ひかけといふか語りかけのやうな雰囲気で
つけてゐるのであらう・・・・と思ひながら読んでゐたら

とんでもなかつた。 それぞれ症例の違ふ患者の短編集なのだが、「いつかあなたも」は精神疾患を
患ひ、それを元に身体的に胃ろうや導尿カテーテルをつけてゐる患者の言葉なのであつた。

ここまでほんたうに酷いのか戸惑ひながら読んだ。

最初の「綿をつめる」では、文字通り自宅で亡くなつた方の遺体の処置を描いてゐるが・・・・
知らなかつた・・・・ これを読んだら人によつては食事ができなくなるであらう 

しかし

かうした処置をしてくれるからこそ、葬式の時に遺体が粗相をしないのだ・・・・と思ふと
こんな手間人様にかけたくない・・・・  海かなんかで泳いでる時に突然高波が来て攫はれて
行方不明で死にたい・・・・ と以前よりの願望をさらに強くした。

次の「罪滅ぼし」では、認知症が重度になると座ることもできないのかと愕然・・・・・
そんなになつてまで生きてゐたくない。 安楽死協会で認知症も対象にしてもらへないだらうか
(なつてゐるのかな?)

死体の処置はともかく
生きてゐるのに、生きてゐないやうな恐ろしい状態・・・ 人間ッてこんな状態にもなるのかと

個人的な事を言ふと、自分は安楽死協会に登録してゐて、何かあれば無駄な延命治療はしないで
ほしいといふ書類に署名してゐる。

本書は

自分で食事ができないのに、栄養チュウブをつけ、栄養液を注入されてゐるせいで死なずに
ただやせ衰え、寝たきりの患者が何人か出てくる

そのうちの一人は明確に安楽死を望む・・・・・

安楽死協会に登録してゐる自分としては、物が食べられなくなつた時点で死ぬ時を迎へて
ゐるので、死ぬべきと考へてゐる。

変な例へだが、野生動物は自分で狩り(食事)ができなければ死ぬ。 食べられないことは
体がもふ、終了を告げてゐることだと思ふ。

それを、身体に穴を開け養分を流し込み

息をしてゐる

状態を保つことに何か重要な意味があるのだらうか? 自分で食事もできないのは最早
生きてゐると言へないと思ふ

無駄な事はしてほしくないので、自分の最期は海で人知れず遭難して沈んで死にたいと思つた