読書おぶろぐ

読んだ本の感想を書いてます

原発のウソ の作者の2003年の論文

2013年02月13日 20時12分01秒 | 科学・化学・理系

本来、「読書おぶろぐ」としてゐるので本の感想を載せるのだが、一言言ひたいことが出てきたので、読書ぶろぐでない記事を投稿する。

以前、この記事を投稿した。 「原発のウソ」 小出 裕章氏著

http://blog.goo.ne.jp/liebe-kdino-schumi/e/b43f26ed08dc7bd920bf35241ec0d230

原発事故といふこと、そして原発に対して無知であつたことにより、本書を読んだ。 

主張は間違つてゐないのかもしれないが

この主張を日本に対してしてゐる人、そして日本の京都大学といふ研究の場に存在してゐる人が

実は

北朝鮮の核保有を否定せず、核実験を支援してゐた

となると話は変はつてくる。 

ツイツタアでフォロウしてゐる人のツイで、知つた。 2003年の論文である。

http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/kouen/KoreanN.pdf
Ⅱ.朝鮮民主主義人民共和国にある核=原子力施設 
(前略)

1994 年の枠組み合意時までずっと初装荷燃料のまま運転されてきて、その燃料は IAEA の立会いの下、つい先日まで 8000 本の燃料棒すべてが IAEA の監視下にあった。ただし、この原子炉は 1989 年に 100 日ほど運転を休止したことがあった。その時に原子炉から破損した燃料を取り出し、建設途上の放射化学実験室でミリグラム・オーダーのプルトニウムを抽出したと朝鮮は認めている。しかし、そんなことが一体なんだというのであろう

(中略)

 しかし、朝鮮は「悪の枢軸」でどんな嘘をついているか分からないという人たちがいる。そこで仮に、朝鮮が使用済燃料の全量を再処理して原爆を作ったとしよう。

(中略)

朝鮮に仮にあったとした量が右側の点、左側の巨大な四角が米国が実際に持っている核兵器の量である。その米国が、実は核兵器など持たない朝鮮に対して、「悪の枢軸」というレッテルを貼って攻撃しようとし、日本政府もその尻馬に乗っている。私は、原爆は悪いと思う。どこの国も持つべきでないと思う。朝鮮だってやらないにこしたことない。でも、厖大に核兵器を持っている国が、あるやないや分からない国に対して「悪の枢軸」というレッテルを貼り、制裁するなどという主張は決して認めてはならない。

びつくりゐたしました。

日本には、原発を止めろ等「ゼロ」を求めながら、朝鮮に対しては「核大量保有国」の米国を引き合ひに出し、「少ないんだからいいぢやないか」と庇つてゐます。

成程、これは反原発派と反日マスゴミが担ぎだすわけですね。

よくわかりました。

京都大学は大丈夫でせうか? 核開発なんて、資金と技術をどこから得てゐるのかと思つてゐましたが(資金はおおよそパチンコでせうが)、肝心の「技術」もこんなところからだつたんですね。 

技術はうすうす、バカンのやうな東工大出身者がやつてゐるのだと思つてゐましたが、堂々とテレビに出て原発反対を言つてゐる人が実施してゐたとは。

著書を乱発するわけですね。さぞかし北朝鮮への資金が出来たことでせう。


原発はなぜ日本にふさわしくないのか

2012年02月21日 16時40分59秒 | 科学・化学・理系

竹田 恒秦氏の著書。

竹田氏は明治天皇の玄孫の方であり、憲法学を専門とされてゐるやうですが大学では法学部卒業、環境学を専攻してをられました。

不思議な経歴なのですが、竹田氏が卒業された慶應義塾大学といふのはその辺の区切りがおおらかだつたさうです。

竹田氏は高校時代に英語のデイベイトのクラブに入り、そこで原発をテイマに試合をしたことがあるさうで、そのデイベイトのために原発に関し勉強しその結果

「原発に反対」

といふ立場をとられることに決めたさうです。

「原発には愛がない」 と書かれた一言に、なんだかこぢやれた、歌の文句のやうに感ぢたことは事実ですが、本著書を読み進むうち、「愛がない」といふ表現に感心ゐたしました。なるほどな、と思ひました。

竹田氏は高校・大学と原発について勉強されたので原発の事実と問題点と巷をはびこる嘘の論破を非常にわかりやすく解説してくれてゐます。

そして、「第一章 原発の議論にイデオロギーは関係ない」(P43-62)に全く賛成です。「左翼=原発反対」「右翼=原発推進」のいびつな構造、として一言書かれてゐますが、何かを論じる時にすぐに「あいつは右翼だ」「あの人は左だ」などと一言で決めつけるのはをかしい。意見をすべてきかず、ろくに議論もせずに最初から前提のやうに「イデオロギー」を出してくるのは、一体だういふ意図があるのか。

かういふくだらない線引きは朝鮮人がよくやらかす手口であり、朝鮮人ならではの単純な脳細胞にはそれで終了なのであらうが、いろいろ話し合い考えて結論を出す日本民族には大変邪魔なものである。(個人的に「女性のための++」とか言ふのもなぜ性別線引きするのか大変疑問である。なんのために世の中に男と女がゐるのか?)

しかし

今の時点で、「右翼」ならば「原発反対」になるのではないのか?? なぜなら原発はとんでもない被害をもたらすものであり、管轄する電力会社にはきちんと対応ができず安全管理など夢のまた夢と言ふことが明らかになつた。ほんたうに国のためを思ふのなら、原発は停止して別のエネルギイに移行することを考えるはずである。

既存政党で、東電にカネを貰つてゐた人々が誰一人原発に反対せず、挙句には地下に造れなどと発言してゐるのを見たときにはほんたうに唖然とした。この人は保守といふイメイジの強い人であるが、今や原発を推進してゐる人たちは引き続きカネが欲しい、あとはだうでもいひと言ふしごく自分中心な人であらう。かういふのに右翼も左翼もない。

また、反原発を自分の人気取りに利用しやうとしてゐる反日もゐる。3月11日にバスツアアを組んで福島へ行き、原発停止だかのパレイドやら何やらをやるといふ神経は、日本人に思ひつかない愚なものであるがこいつはここぞとばかりに自分が今まで原発反対を主張してきたことそしてそれが正しいのだ的な行動をやらかしてゐるが

あたくしは

こいつが原発に反対してゐたのは、下記に出てくる嘘の中で原発がいつでも核兵器になりうるといふものがありそのため、日本無力化のために反対してゐたのだと思ひます。社民党の防衛に関する対処を調べるもしくは尖閣諸島領海侵犯事件の際にこのおばさんが「コツンと当たつた」などと中国漁船を庇ふ発言をしてゐたことでも明らかです。(こいつらのイデオロギーをそのまま用いるならば、左翼と言ふのは嘘吐きなのです)

次に、よくマスゴミが取り上げる原発に関する嘘を解説してくれてゐます。これは大変わかりやすい。
「第二章 原発に関する五つの嘘」 (P63-122)
1. 核兵器を持つためには原発が必要 
2. 原発が止まつたら電気が足りなくなる
3. 少量の放射能は身体に良い
4. 原発のコストは安い
5. 二酸化炭素を出さない原発は地球を救う 

それから

「第三章 原発が日本にふさわしくない三つの理由」(P123-184)とありますが、興味深い内容と化学的にわかりやすい内容がある。
竹田氏は、旧皇族の方であり皇統に対して普段意識しないことを意識されてきたためか、神話的な、宗教的な言ひ回しや発想があられるやうで、それが大変新鮮であつた。それに賛成反対するのは個人の自由だが、「嗚呼、日本は元々さういふ民族だつたんだな~」としみぢみ考へることとなつた。さうなると、非日本人がどれだけうようよしてゐる現在なのであらう? 自分が気を付けるのはともかく、いつまで経つても外国人の人は日本国籍を持つことを禁止してもらひたいですね。ぞッとします。

「終章 日本が世界の脱原発をリードしよう」 (P185-218)
ここも興味深い、知らなかつたことが書いてあつた。
「日本は『和』の国」として書かれた節(P214-218)には神道(大和の宗教、伊勢の宗教、出雲の宗教)がもともとばらばらで別物だつたが、日本は宗教戦争を起こすことなく統一され、「古事記」「日本書記」が編纂されたことの記述があり大変驚いた。神道が実はいろいろあつたとは。宗教の争ひはキリスト教やイスラム教で分裂してゐることの印象が強く、日本では神道も仏教も別々だからな~なんてのんきなことを思つてゐたのだが、実は神道は別だつた。

竹田氏は、この例を用いて日本では争ひよりも話し合いで「和」をもつて解決したことを説き原発といふ弱きものに危険な作業をさせ、金をばら撒き建設するこのやり方はアングロサクソン的発想であり、日本人にはそぐわない、と主張されてゐるがなるほどと思ふところがある。また、近年外国人が日本に増え、そのふるまひに大変不快に思つてゐたがこの章を読んで大変納得した。別おブログに投稿した内容をここでも掲載する。

竹田氏は「古事記」も発刊されてゐるので読むことにしてゐるが本書は一読の価値があります。

http://liebekdinoschumi.cocolog-nifty.com/

あなたたちは日本に来て、日本は美しい、古いもののなかに新しいものが融合してゐて面白い、寺や神社が好きだ等々言ふ

You say Japan is beatiful, old things and new, brand-new one exist together, it is interesitong, likes temples and shrines, etc.

しかし

However.

あなたたちは決して日本人が日本でふるまふやうにふるまはない

You never behave like Japanese, as Japanese do in Japan.

それは大変不愉快な思ひを日本人にさせてゐる、気づいてゐましたか?

Japanese feel very unconfirtable by Your behavior - did you know that ?

気づいてゐるとは期待してません、なぜなら

I never expect that you knew that, because

外国人は自己主張ばかり強く、他人に対する尊重などないからです。

Foreigners always take care of insisiting theirselves and never respect others.

その行為は日本の文化と精神に反します。

Your mentality is AGAINST ours and our culture.

おわかりゐただけますか?

Now, do you understand ?

あなたがたは日本が好きだ日本の文化が好きだなどと言つて日本に来て行動しますが

You come to Japan because you love Japan, you love Japanese culture then walking around though,

日本人のやうに行動してないので、行く先々で日本人に不愉快な思ひをさせてゐるのですよ。

As you do NOT behave like Japanese, we are VERY disigusting with you.

あなた方が来ると、日本が日本ぢやなくなるの

You are distroying Japan, that is all you do for Japan.

わかつたら少し日本について勉強して

If you understand, study hard about Japan before coming.

一番いひのは

The best what you can do is

来ないで

Never, ever, come to Japan, Never, ever, stay here.

特に中国人はじめとした嘘吐き民族

Especially, Chinese and Korean


原発のウソ

2011年07月09日 21時10分00秒 | 科学・化学・理系

小出 裕章氏の著書。

小出氏は京都大学原子炉実験所助教授。原子力の平和利用を志し、1968年に東北大学工学部原子核工学科に入学。原子力を学ぶことでその危険性に気付き、伊方原発裁判、人形峠のウラン残土問題、JCO臨界事故などで放射線被害をうける住民の側に立つて活動。原子力の専門家としての立場からその危険性を訴え続けている。専門は放射能線計測、原子力安全。

読んでゐる途中から

あれ程の事故を起こし、未だに終息の目処もついてゐないのに「ウソを吐き続ける」東電、政府、原子力保安院ら役所、それに加担するマスゴミの実態(嘘)がはつきりとよくわかり、呆れたと言ふより憤りを感ぢました。

本書は

第一章 福島原発はこれからどうなるのか

第二章 「放射能」とはどういふものか

第三章 放射能汚染から身を守るには

第四章 原発の”常識”は非常識

第五章 原子力は「未来のエネルギー」か?

第六章 地震列島・日本に原発を建ててはいけない

第七章 原子力に未来はない

といふ構成になつてをり、どの章もテレビ(マスゴミ)が決して報道(放送)しないことが書いてある。

一番、今知るべきなのは「第二章 放射能とはどういふものか」「第三章 放射能汚染から身を守るには」であらう。 実際、放射能は目に見えないのでどんな影響を身体に及ぼすかわからないことが多いが、ここでは「被爆した人の実例」「急性障害」と「晩発生障害」といふ放射能が人体に及ぼす影響が書かれてゐる。

ここを読んで、ほんたうに民主党政権の「ただちに人体に影響を及ぼすものではない」等の発表は大嘘であり、憤りを感ぢた。また、危険とされる被爆量の数値の引き上げをしたり、文科省の学校の「安全基準」の数値の大嘘も、物凄く憤りを感ぢた。

民主党政権は、人殺し政権ではないだらうか? さう思ふ。 民主党だけでなく、今まで原発を推進してきた自民党その他の人々、未だに推進といふ人々・・・・・・何をもつて推進と言ふのか、本書の「原子力の危険性(といふより、原子力のほんたうの姿、威力)」を知つたらとてもぢやないが、「平和に利用」することはほぼ不可能ではないかと思へる。使用済核燃料の始末も100万年必要といふことだし、そんなものの利用推進といふのはだういふ考えなのか?

元々、原子爆弾といふとてつもない威力を発揮する爆弾の素であるから、一歩間違へばとんでもない影響を人類に及ぼすことは容易に推測できる。しかし、日本だけでなく、全世界でその危険性を見ないやうにして推進してきたのが原子力エネルギーといふものではないか?

それから、「原子力は二酸化炭素を出さないので地球温暖化に影響しない」の大嘘もわかつた。原子炉の中では300万KWの熱が出てゐるが、発電に使用してゐるのは100万KWであり残りの3分の2の熱は海に捨ててゐるさうだ。1秒間に70トンの海水を原子力発電所の中に引き込み、原子炉の熱を下げるかわりに海水の温度が7度上昇し、その上昇した海水を海に戻してゐる・・・ 温度が7度上昇した水を毎秒70トン排出してゐたらその周辺の海水温度は上昇し、生物に影響が出ることが書いてある。(P118-121)

これには驚愕しました。 なんなんですか、この地球温暖化加速装置は・・・・・・ すつかり、騙されてゐました。

そして、今しつこく東電(他の電力会社も同様)とマスゴミが結託して「電気予報」なるものを毎日やつてゐるが。

原発が全部停まつても、電気は不足しないさうです。水力・火力などの発電所でまかなえるさうです。(P169-173) これもすつかり、騙されてゐました。 ほんたうに電力会社とそれに便乗したマスゴミ・政府・政党のこの「大嘘報道」は何なのだらう? びつくりゐたしました。 確かに、6月に真夏日が続いても駅の電光掲示板だの広告だのが点灯したままだつたので、「電力は足りてるんだな」と思つてゐましたが、まあ、ひどい大嘘一団です。

ここまでくると、国会はすべて茶番です。茶番といふか、「なんなの、国民を振り回して危険にさらして」といふ気持ちです。そして、原発が建設されたことでそこで働き生計を立ててゐる人たちへの影響・・・・ 電力が不足するとかワケわからない嘘に基づいた空論を展開するよりも、福島原発問題の終息と国民の安全を考慮した対処を早急にやつてもらひたい。

この人の著書の内容に疑問を持つたりする人もゐるかもしれないが(不安を煽る等)、この方は言ひ方が悪いが「すでに出世を放棄してきてゐる人」なので、今更ウソを吐く必要は無くこの人の著書の内容が正しいと考える。

しかし

今まで、嘘を吐いてきた学者たちがゐる。その人たちはまだ、嘘を吐いてゐる。テレビに出てきて「安全」を匂はすやうなコメントをしてゐた人たちがゐるが、あれは全部嘘だつた。しかもその人たちの大学は東電から金をもらつてゐた。 

マスゴミに出てくる人は、基本「嘘つき」なんだな・・・と思つた。

だうなるのであらう、日本だけでなく、世界・・・・・・・ さう思ふくらい「原子力のほんたうの姿」がよくわかつた。  


すばらしい人間部品産業 The human Body Shop

2011年05月31日 14時47分21秒 | 科学・化学・理系

アンドリュー・キンブレル氏の著書。

キンブレル氏は弁護士、市民運動家、執筆者としておよそ4世紀半にわたり活躍中であり、1997年には食品安全センター(本拠:ワシントンD.C)を創設、事務局長を務めてゐる。環境保護、持続可能な農業のあり方を訴えてゐる。おもな著書に" Your Right to Know" (邦題:それでも遺伝子組み換え食品を食べますか)がある。

この本の訳者は福岡伸一氏といふ、生物学者、京都大学卒、ハーバード大学研究員、京都大学助教授などを経て青山学院大学教授である。

福岡氏が「訳者あとがき」(p432-445)でこの本との出会い、翻訳に至つた経緯、本書に関する福岡氏の考えを書かれてゐる。本書に関する考えは全く同感で、福岡氏が本書の翻訳を引き受けて発刊にこぎつけてくださつたことに深く感謝したい。

読んでゐる最中から、慄然とすることが何度もあつた。

医学の発達、それによる治療法の増加、代理母の問題、臓器移植手術などのおにゅーすをテレビなどでちらちら見てゐたが、医学の発達といふか科学の発達がここまで来てゐるとは思ひもせづにゐたのである。 「研究対象」がとてつもなく拡がり、人間の要素を持つもの、生物の要素をもつものならなんでも対象になり(研究=実験となる対象)、研究者の思考がここまで来てゐることそして研究の「成果」をおぞましいとも思はづに「利益になる」として「販売」する方法を模索し、実践していく製薬会社・・・・

正直、おぞましい

しかし、この事実を「アメリカで起こつてゐること」として他人事と捉えるのは誤りである。何故なら、日本で臓器移植が出来ない人たちが臓器移植手術を求めて渡米し、代理母を求めて渡米してゐるからである。

今この瞬間も、病院で医師に「日本ではできないが、アメリカでは・・・・・といふことが認められてをり」と説明を受け、渡米を考えたり決意してゐる人たちがゐるかもしれないのである。また、それは明日の自分や自分の身内に起こることかもしれないのである。

それを考えると、日本はこの本に書かれてゐる「発展してきたアメリカの医療」の恩恵を大いに受けてをり、安易に批判できるものなのか・・・と考えるのである。

本書は「人間の何が『部品』として売られてきたか」を時代を遡つて検証する。

最初は血液である。「売血」といふ行為が貧しい人たちの間で行なはれ、健康を損なつても血を売るしかない人たちの行為が最初の「人間部品」の産業であつた。

血の次には臓器である。第参世界では腎臓を売る人たちが多く、その問題が取り上げられてゐる。

臓器の次は、胎児である。胎児は人間になりきる前の段階なので、胎児の臓器といふのは移植した際に拒絶反応が起きないのださうである。それが発見されてから、米国で中絶を行なふ病院に通ふ業者が表れ、胎児の臓器を販売するやうになつてきた・・・・また、胎児が死んでしまふと臓器の「新鮮さ」が落ちるため、「生きたまま」中絶する方法が編み出され実践されてゐるさうである・・・・ (日本でも起きてゐるかもしれない)

臓器に関しては胎児だけでなく、脳死した人の臓器に関するおぞましいこともある。胎児を生きたまま取り出すのと同様、「死体」から臓器を取り出すより「新鮮」な臓器を得るために「人体」を「臓器保管庫」として扱ふ発想である。

ここまで来ると、もふ、その発想にただ驚く。確かに「死ぬ人」よりは「生きる人」「生きる可能性のある人」を救うのが医療であらうがここまでやつてよひのだらうか? 不謹慎だが、脳死した人の身体を「臓器保管庫」として「生かして」をく場合の維持費などだうなるのか?全部移植される患者が手術費用として払ふのか?

生きるのも大変である。

さらに驚いたのは代理母を越えた「不妊治療」の現状である。

そして、「人間ッて欲張りなんだな」と思つたのは、「遺伝子操作」のところである。生まれてくる子供の遺伝子検査を行なひ、病気がある可能性が高いと告知し中絶するかだうかの判断をゆだねるのは聞いたことがあつた。しかし、現在は遺伝子操作により親と似つかない子供を作ることが可能なところまで来てゐるやうである。成長過程の子供に「背が高くなる薬」を与え続けてゐる家庭があるのはアメリカでは普通のことになつてゐるやうだ。しかし、生まれる前に「背が高くなる」やうに遺伝子を操作すれば、子供は自動的に背が高くなる・・・らしい。

遺伝子操作に関する薬や操作を促進する製薬会社らは、いひことしか言はない。しかし、弊害が次々に現れてゐる。それらについても本書では詳細に書かれてゐる。

また「生命に特許はあるか」といふアメリカで起きた裁判例も検証されてゐる。

クローンに関しても記述がある。「自分のコピイ」を作つてをけば事故や病気の際に移植治療が必要であつたら、即座に「問題のない臓器提供者」がゐる、といふわけである・・・・

クローンッてのは、何なの? 人間の形をした「生ける人形」なのか、それとも自分とそつくりの生命体なのか・・・・・・ 生命体とすると、それまでその生命体はどこに「保管」されてゐるべきなのか? 臓器提供の出番がくるまで檻の中にゐるのだらうか? そんな不健康な生活をしてゐる臓器は効果があるのか、とまで言ひすぎだが、臓器提供としか捉えないのは倫理観として全く欠落した発想である。動物のクローンも、なぜ作る必要があるのかわからない。

遺伝子研究には必づと言つていひほど「優生学」が出てくる。遺伝子操作が可能なら、「優生」な生物を作らうといふことなのであるが・・・ 「優生」と「劣生」の基準が何なのか?個人的には区分わけをする発想が十分「劣性」に思へるが、優生学を推奨する輩ほど差別主義者だと思ふ。ちなみに、ナチスが優生学他をあの時代に行なつたがそれはアメリカの優生学の流れを汲んだものださうだ。

訳者あとがきで、福岡氏も書いてゐるが本書のすごいところは「人間が売血から始まつて自身の部品を売る」やうになつた背景と時代の流れ、「自由市場」市場化により「売るはづのものではなかつたものを売るやうになつた」ところにあると深く考察してゐることである。 ここまで考えたことはなかつたので「成程」とうなづくところがあつた。

キンブレル氏は本書の最後で「部品」と化しつつある人間の売買をやめるにはだうすればよひかをまとめてゐる。 氏が主張するやうに、「臓器提供」「献血」などは善意でするもので販売するものではない。また「買ふ」人の心の問題でもあるだらう・・・  


DNA鑑定 暗殺、冤罪、浮気も暴くミクロの名探偵

2010年03月23日 21時11分02秒 | 科学・化学・理系

櫻井 俊彦氏の著書。
櫻井氏は警察レベルの科学鑑定を行なう国内有数の民間鑑定機関「法科学鑑定研究所」に
所属、「DNA型 鑑定」「指紋鑑定」「筆跡鑑定」など多岐にわたる科学分析を担当されてをります。

人体は約60兆個の小さな細胞から構成されており、その細胞一つひとつに細胞核が存在する。
細胞核の中には染色体と呼ばれる構造物があり、さらには染色体はDNAと核タンパク質で
形成されてゐる。DNAはこの染色体から核タンパク質を除去することによつて抽出できる
(本文P12より)。

よくおにゅーすで聞く、「DNA型鑑定」とはこの物資といふか細胞核の型の鑑定だつたのですね。
初めて「概要」といふか「定義」をきちんと知りました。

で、このDNA型なのだが。
犯罪の犯人特定にはもちろん、血縁関係の特定にも用いられてゐる。
が、万能なのかは最近「過去のDNA型鑑定が誤つてゐた」ことによる冤罪があつた。
これについてはP44からP60まで記述の第3章「再鑑定は万能か」に詳細が記述されてをり
興味深く拝読ゐたしました。

ここでもやはり、疑問なのにはマスコミの報道調「当時の鑑定はいいかげんなもので最新の
方法で行なわれた再鑑定の結果こそ信頼すべきものだ」(P54)は著者の指摘どおりだと
思ふ。
だうしてマスコミはいつもいつも、過去に自分らが報道してきた内容や姿勢を完全に無視して(忘却して?)、目の前の「新」出来事を鬼の首でも獲つたかのやうに報道するのであらう?
P58-P60 「経験値の重さ」は考へさせられた。

第7章では、DNA型鑑定の進化のやうすが記述されてゐるのだが・・・
科学も進みすぎると怖いなあ~と感ぢた。

第8章「DNA研究が描く驚異の未来」では、ここまでする必要があるのか?と思ふ。
自分には関係のない世界であらうが、世の「家柄」の人たちにとつてみれば「大事なこと」
なのかもしれない。