読書おぶろぐ

読んだ本の感想を書いてます

ラーメンの語られざる歴史 世界的なラーメンブームは日本の政治危機から生まれた

2016年04月09日 16時36分01秒 | 飲食

ジョージ・ソルト氏の著書。
ソルト氏はカリフォルニア大学サンディエゴ校にて博士課程修了、現在はニューヨーク大学にて
歴史学の准教授。専門は東アジアで、現代日本や政治経済、食物史などという経歴をお持ちの方。

この本が、出だしから中々面白い。一言でまとめると、米国(GHQ)の日本の戦後占領政策の一環として
日本人の主食である米を否定し、米国の小麦を売付る政策を進めるために小麦を日本に輸出したことから
日本人はパンを食べることよりも、小麦を茹でて食べる麺に加工することを選らんだ結果、麺が食べだされ、
ラーメンがいかに日本食になったかという分析。

外国人だからこそラーメンをこう分析するんだなと視点の違いに感心し、そしてラーメンに焦点を充てる部分が
映画や食生活を取り上げた記事を引用しての日本人の生活全体に焦点をあてているのが、面白い。

ふーん、こんな見方があったのね。。。。という感じ。逆の事を日本人がやるとしたら米国のホットドッグの歴史を
遡るべく、ホットドックがいかにして食べられるようになったのか、ホットドックにより人々の生活がどう変わったのか
を分析しているような感じである。

それにしても、終戦後の米の自国の食糧を日本市場に売込む政策が日本の農業を衰退させた状況がよくわかる。
今米で和食が食べられ成人病が減る一方、日本が欧米食で成人病が増えている事等考えると、日本人は和食中心の食生活に
戻るべきだと思う。

「終戦後の食糧難に助けてあげた米国」という洗脳とでも「それを言えと言わない米国」のやり方でやって「米を食べるとバカになる」
として小麦を輸入しパンを給食等で食べさせ米国による日本の食市場占領に手を貸した官僚や議員の姿が垣間見え、
昔から始末の悪い反日が政治に関っていたんだなと実感する。

第三章インスタントラーメンの食され方について1960年代当時の記事が紹介されてるが、これがまたなかなか面白い。

主婦が時短の為に食卓に出す事につき、その食事を否定する男性のライターが書く記事の内容が紹介されているが
フェミが見たら差別だと発狂しそうな勢いの事が書いてある。現在ではこのような記事はとても出せないか、出したら
たちまち炎上であらう。

しかもメーカーが「インスタントには栄養が添加されていて、手軽に必要な栄養素を取る事ができます」と謳い文句に
していることに対し上記の男性は「時間をかけて栄養バランスを考えた食事を作るのが主婦の仕事」とし「インスタント
ラーメンの正しい食べ方は単身で仕事の時間が不規則な男性だ、手軽に栄養も取れるのだし」というかなり矛盾した
ながれがそこで見られるのがまた面白い。

残念な点は歴史に関する所々の記述に誤りがある。「日本名であっても植民地時代の圧力で改名した」P90等。
然し昔から朝鮮人は犯罪してたとよくわかる。

過去に於いてよく、日本人は他国のものをどんどん取り込んで変えてしまうという「売れるものに改良する」事を
外国が「オリジナルがないくせに」等々日本を批判したが、ラーメンというある意味支那から来たものがここまで
あれこれ色々な種類が出て日本の文化として世界に存在しているさまは、過去の外国の批判を形にしたような
ものであろう。

ある意味、日本人の特徴の凄さが凝縮されたものがラーメンなのかもしれない。


それでも遺伝子組み換え食品を食べますか?

2011年06月07日 20時11分06秒 | 飲食

アンドリュー・キンブレル氏の著書。 キンブレル氏だけではなく、色々な医学博士、農家、環境活動家の方のコメントがあるので、キンブレル氏編集と言つてもいひかもしれない。

納豆を買ふときにちらりと見ると

「大豆(アメリカ・カナダ産 遺伝子組み換え食品は使つてをりません)」とか書いてある。

日本では、原則輸入禁止の遺伝子組み換え食品。

なので、明記されてゐたり人の食料では輸入できないが

飼料や、加工品で遺伝子組み換え食品が使用されてゐたら・・・・ それは確実に輸入されてないとは言へないのである。

遺伝子組み換え食品とは・・・・

元々の食材に、他の食材の遺伝子を組み込んだ食品である。例えば、豆に人の遺伝子を組み込んでゐるとか、魚にトマトの遺伝子を組み込んでゐるとか、有機栽培の農家が使用してゐる「自然界の殺虫成分のある植物」の遺伝子を組み込んだ野菜とか自然界では通常起きない「交配」を人工的に起こし作成した品なのである。

その結果、何が起きてゐるか

「自然界の殺虫成分のある植物の遺伝子を組み込んだ」ブロツコリイが作られる。最初はそのブロツコリイには虫はつかない。しかし、数年経つうちに、昆虫に耐性が出来てくる・・・・ さうなると、もはやその殺虫効果は無い。

さうなると、知らづに殺虫効果のある植物を使つて栽培してゐる農家は耐性のある昆虫の害に遭う・・・・・・

もしくは、遺伝子組み換え植物の花粉が飛ぶ・・・ 通常の植物と受粉する・・・・・・ 知らづ知らづに「苗」や「種」が侵されてゐる・・・ 

被害は殺虫効果だけではなく、食物アレルギイを持つ人に及ぶ。

海老やかにのアレルギイのある人が、その遺伝子を組み込まれた野菜を食べるとアレルギイ症状が起こる。しかし、当人は野菜を食べたつもりなのでなぜ海老やかにを食べたときの症状が出てゐるのかわからない・・・・・ 最悪の場合は死に至る。

このやうに、遺伝子組み換え食品には「目に見えない」危険が一杯なのである。

本書はアメリカ発行の本なので、アメリカを基準として遺伝子組み換え食品がどれか等が書いてある。

それを見ると、とうもろこしが圧倒的に多い。とうもろこしは加工品として日本に随分来てゐるやうである。

さうすると、遺伝子組み換えされたとうもろこしを使つた食品が日本にも出回つてゐることとなる・・・・ 

かなり恐ろしいことだ。

残念ながら、アメリカ政府はアメリカの農家、消費者に対して冷淡であり遺伝子組み換え食品の生産を禁じず、特許まで認め(大抵は化学会社が開発・特許取得し商品を販売してゐる)企業の味方のやうである。

それはまさに、日本の官僚が関係企業に天下る構図である。

何処の国でも一緒なのか・・・・と思ひつつ、わかる範囲で遺伝子組み換え食品は買はないこととした。

 


すし屋の常識・非常識

2009年09月15日 18時42分13秒 | 飲食
重金 敦之氏のご著書。
重金氏は、「週刊朝日」在任中に松本清張氏、池波正太郎氏、渡辺淳一氏らを
ご担当された経験がおありです。その後大学教授を経て文芸ジャアナリストと
してご活躍されてをります。

「すし」はいまや日本のみならず、世界で食されてゐる食べ物となりました。
勿論、「創作すし」として世界各国には日本では思ひつかないものが「すし」として氾濫してゐることもありますが・・・

本書はすしねたから、すし屋の始り、すし屋に来る客等々すし屋に関することを
記述されてゐる「すしの雑学歴史」のやうな一冊となつてをります。

あたくし、すしが大好きでま~ちやんとのご会食には「すしかイタリアン」とホザ
き「そんなに寿司好きなん?週に一度は来てるやんか」と言はれたほどでありますがすしは贅沢品でほとんど食べられなかつた子供時代の反動が来てゐるのと「ほんたうに寿司は旨い」と思ふのとあります。

しかし~
本書にもありますが、関東と関西のすしは味が違ふ。
どちらが好きなのかは好みの問題として、だうしてその違ひが出てきたのかも
本書では歴史とともに記述してくれてをります。

日本文化最高文化のすし、皆さんも楽しまうでは御在ゐませんか!!

ビール・イノベーション

2009年09月10日 17時58分50秒 | 飲食
橋本 直樹氏の著書。
橋本氏は京大農学部をご卒業後麒麟麦酒にご入社され、開発化学研究所長、ビール工場長、常務取締役の経歴をお持ちで、農学博士でもあられます。

本書は、そのご経験を生かしビールの歴史を著述された興味深い一冊です。

イノベーションといえば、革新といふやうなイメージなのでせうか。
ビールがこの世に最初に出てきたところから、段々と変化・進化していくまでの歴史が記載してあり、読み応えがあります。

ビールの産地といへば、真つ先に浮かぶのは ドイツ なのですが、最初にビールが誕生した地は「オリエント」といふ四大文明チグリス・ユーフラテス川付近だつたといふのです。

驚きました。
また、最初のビールも今のものとは相当違つてゐたやうすも書かれてをります。
そしてワインが登場し、ビールとほぼ同じくらいの歴史を持つてゐるのですがワインのはうはほとんど、昔も今も形態が変わらないのにビールは様々な変化を遂げてゐるのです。

本書には、ビールだけでなく、ワイン・蒸留酒の歴史も記述されてゐて読み応え満載でした。
ビールの値段の歴史もあり、高級品だつたビールが今随分と大衆酒となつたのだなあと思ふと同時に日本のビールの消費量は高度経済成長に比例してゐるむきもあるなと思ひました。

「嗜好品」といふのは何時の日でも贅沢品なのかもしれません。