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この世にたやすい仕事はない

2016年03月27日 17時50分22秒 | 小説

津村 記久子さんの作品。

この人の小説は淡々と書いてあつて、しかもその描写がなかなか細かくて読んでゐて面白ゐ。
この作品もそのうちの一つ。

5話からなる短編小説。主人公は大学卒業後10数年続けた仕事を「燃え尽き症候群」のやうな形で
辞め職業案内所の担当者から紹介された仕事を始める。

それぞれの仕事が5回でてくるといふ御話しなのだが、それぞれの仕事がまた面白い。

第一話 みはりのしごと
第二話 バスのアナウンスのしごと
第三話 おかきのふくろのしごと
第四話 路地をたずねるしごと
第五話 大きな森の小屋での簡単なしごと

読みながら、それぞれの仕事に対して興味が沸いた。主人公も、最初はその仕事に好感をいだくのだが
続けるうちに、だんだんと仕事の問題点が出てきて悩むやうになる。

・・・ さうなんだよな、最初いいと思つても辛い事が出てくるし、問題点が見えてくるし・・・と思ひつつ
読み進んだ。

仕事の話に集中してゐるのではなく、仕事を通してみえる「世間」「社会」が面白い。そして少しミステリアスな
部分もあつた。

読んで行つて、さうなんだよな~、この題名が言ふとおり「たやすい仕事はない」んだよな~
だから、「働かないで御金が入つてくる方法ないかな~」とかシヨツチュウ考へるんだな



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