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ロスジェネの逆襲

2015年04月12日 22時27分22秒 | 小説

池井戸 潤氏の作品。

おなぢみの半沢 直樹シリイズ。 半沢は前作で出向を命じられて終了する。 その出向先での物語。

銀行からその系列子会社の証券会社に出向を命じられた半沢。

その会社には、半沢同様銀行からの出向組と証券会社に就職した元々の社員がゐる。
両者の間には、奇妙な派閥といふか、壁があつた・・・

半沢シリイズは、バブル入行組から始まつて団塊の世代を上司に持つ好景気のバブル世代の話である。
この小説にもあるやうに、バブル時代に青田刈りで大した面接もなく取られた社員の中には
ほんたうに使へないのがゐる。

その後始末をしなければならない、バブルがはじけたあとに大変苦労して就職した部下。

その世界を描いてゐるのが今回のシリイズ。

親会社から出向してくると、大抵は親会社に戻ることを考へて子会社での仕事をそこの社員と
同様にこなすことは考へないのが通例かもしれない。 それが子会社の社員の反発を買ふことに
なるのにさういふ人はあまり気づかない。

果ては子会社の仕事を親会社に売つて、自分が親会社に戻るスベにしやうといふのが出てくる
今回のテイマはそこである。

悲しいサラリイマン、といふのを描く。

だが半沢はさういふサラリイマンとは違つて描かれる。 彼は子会社の社員とおなぢ気持ちで働き、
親会社である銀行に立てつく。

その姿は子会社の社員の信用を得るやうになる・・・・

胸をスク展開になるのだが

この小説では

バブル時代のバカの尻拭いをさせられ、腐つてゐるロストジェネレイションの世代に発破をかけて
ゐるやうでもある。

半沢のバブル世代は団塊の世代の迷惑を被つた・・・ ロスジェネ世代はバブル世代の迷惑を
被つてゐる・・・ 愚痴ばかり言つてゐないで、その世の中を変へろ

これを半沢が行動で示してゐるのが今回の作品と思ふ

ニイトだのなんだのゐるが

文句ばかり言ふよりまず、行動・・・ それが大事

ニイトなど、ゐる場所があるからああいふのが出来る。 ゐる場所が無くなれば必死になつてやるしかない。
その必死さが欠けてゐるあまつたれとしか思へない。

それを育てたのは、どの世代・・・?



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