三浦 しをんさんの作品。
文楽の大夫を修行中の健(たける)は、ある日師匠から三味線弾きの兎一郎(といちろう)と組むやうに言はれる。
兎一郎は、「風変わり」な人物と評され組む大夫のゐない三味線弾きであつた。
その訳は・・・・
大夫の駆け出しとして舞台に出ながら、師匠の世話もし、修行もする健の成長が
描かれる。
文楽の演目ごとに8章からなる作品だが、文楽の演目は歌舞伎と同じものもあり
健の「語り」を通して、海老様もかふ考へながら演じられてゐるのかななどと思ひながら読んでをりました。
三浦さんは、いろいろな題材に取り組んで作品を発表されてゐますが、三浦さんだけでなく、作家といふ仕事は「勇気がある」仕事だなと思ひました。