ドラマにもなつてゐる、ガリレオ 湯川教授シリイズ 最新作(と思ふ)。
本の帯には「湯川が殺人を?!」とか書いてあつたやうな気がする。
本書も、一章から四章の短編なのだが
帯にあることは、四章の物語のラストシインである。
一章から三章まで、さすが東野さんといふべく、面白い推理小説が並ぶ。
しかし、第四章は少し毛色が変つてくる。
湯川とおなぢ高校を卒業して湯川の在籍する大学に入学してくる男子生徒。 湯川は彼が高校時代、彼の所属する物理サアクルに新入生が入部しないことに関する相談にのり、新入生を「呼ぶあるもの」を造る手助けをしてゐた。
その「手助け」が本来の目的とは違ふこと、つまり殺人の道具として使はれるやうになつたとき、「教えた」湯川は・・・・
湯川の態度から考へたのは、今の世の中に対する東野さんの「警鐘」だ。
責任逃れをする人達が多い中、湯川のこの態度はそれを諫めるものであると言へやう。
東電の勝俣も清水も、民主の鳩山バカン野田もかういふ態度を取るべきではなかつたか?