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9.11 アメリカに報復する資格はない!

2010年06月15日 22時59分55秒 | 政治関連・評論・歴史・外交
 
ノーム・チョムスキー氏のインタビュー録。
 
2001年9月11日の同時多発テロに際し、ヨーロッパ・アメリカのメディアが
チョムスキー氏にインタビューを行なつた。そのときの質疑応答である。
 
チョムスキー氏の視点は、「メディア・コントロール」を初めて読み「こんな見方をする
人がアメリカにもゐるんだな」と思つた。
りゐべのアメリカの印象としては、「自分たちはいい、何をしても。でも人はダメ。」を強行に
推し進めると言ふものがある。
チョムスキー氏の視点はそれと重なるところがあり(実際、歴史的事実に基づいてチョムスキー氏は発言してゐる)、「自分たちはいい、何をしても。」のスタンスでゐるはづのアメリカ人の視点とは違ふものであり、驚きであつた。
 
このインタビューの中でも、淡々と返答するチョムスキー氏の姿があるが、驚くのは
「マスゴミの発想は世界共通?」と思ふやうな、メディアの質問であつた。しかも、既にチョムスキー氏の考えが公になつてゐることを改めて聞いてゐて、「その件なら以前に答えてる」と返答されてゐるのもあつた。
 
それはさておき。
 
一読しながらずつと思つてゐたこと。
 
アメリカと、「同盟」を結んでゐる必要があるかだうか。
アメリカとの「同盟」が日本のためになるかだうか。
 
この本の中で何度か出てくるが、アメリカは「かつての同盟国」が意見を違えるととたんに態度を変えて攻撃してゐる。日本もさういふ目に何度か遭つてゐるはづだ。一番酷いのが、湾岸戦争で130億ドルも「援助」したのに「感謝」の中に国名がなかつた。
 
民主党がマニフェストに「対等な日米関係」と挙げたのは、理解できる。
 
しかし、イザ、「独立防衛」となると日本にはその準備が出来てない。準備といふか、「アメリカがゐてくれるし、憲法9条があるし・・」といふ考えにおいて、「独立防衛」に取り掛からない節がある。
アメリカは、尖閣諸島のことは知らないと返答をしたのが最近である。
 
今までの経緯と、尖閣諸島に関する返答、そして本書で「アメリカとの同盟」は日本国のためになるのか?
と考えた一冊であつた。
 
訳者、山崎 淳氏の「あとがき 解説」(P145-157)が非常によく本書をまとめてわかりやすくしてくれてゐる。


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