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舟を編む

2012年06月16日 16時34分52秒 | 小説

三浦 しをん氏の作品。

三浦氏の作品は、エツセイ以外は全部読んだと思ふ・・・・ (もともとエツセイよりは小説が読みたいので、エツセイは人に限らず滅多に読まない)

以前もかんぢたが

三浦氏は、登場人物を描くのがすごく上手い。だから小説が面白くなる。

この作品でもそれを感じた。

「舟を編む」とは変はつた題名であるが、これは辞書を編纂する出版社の辞書編集部とそれに関はる人たちの物語である。

辞書編集部で長年すごし、まもなく定年を迎へる荒木公平
荒木と一緒に辞書づくりに携はつてきた松本先生
荒木の部下の西岡
編集部で働く佐々木さん
西岡の紹介で、辞書編集部に異動になつたまじめ
まじめが下宿する先の大家のタケおばあさん
トラさん
突如出現する謎の美女

この人たちのそれぞれの性格・人柄の描写が大変面白いので、「辞書作り」といふ「一見地味に思へる事」が実際どれだけ労力を必要とし、労力だけでなく注意力、考察力、言語のセンス等々さまざまな能力が問はれるか考へさせられる。

社会人になると、仕事によりほとんど辞書を使はなくなるが

小学生から高校まで、いろいろな辞書にお世話になつてきた。 何気なく使つてゐたけれど、こんな労力を費やされてゐたのか・・・・と感動するばかりである。

三浦氏の小説だけあつて、ただの辞書作りの話だけではない。辞書作りの中の人間関係、それから始まる物語・・・・もあり、この人ほんとに描くの上手いな、と半ば感心しながら読んだ。

「舟を編む」の意味は、物語早々に出てくるので、是非読んでみてください。

 



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