第106夜 フグの蘊蓄

2007-03-28 21:50:22 | 魚の蘊蓄
2007.3.28

例年、年末から3月にかけて上関の料亭にフグを食べに行っていたのだが、今年は行く便がなくてスーパーのフグで我慢している。寂しい限りである。

フグの本場ってやっぱり山口県、延縄漁法の発祥地も粭島だと言われています。周南地区にもフグを食べさせるお店は沢山あるのだが、地元ではあまり食べに行っていない。

フグは、『鰒』と書きますが、本来はアワビを指す漢字です。『フク』と音読みできることからこの字が用いられているようです。また『鯸』とも書き、『侯』は膨れるという意味で大きく膨れる魚でフグとなっています。他に『河豚』とも書かれますが、これは中国の河川の中流域までメフグが棲んでいたために『河の豚』=フグとなったようです。

昨年、下関と宮島の水族館に行きましたが、何とフグの種類の多いことかと吃驚でした。フグ類は世界中の暖海域に広く分布しています。日本近海では、本州中部以南に分布し、東シナ海に多く分布しているようです。日本では特にトラフグが最高魚で、瀬戸内西部のものが最高らしいです。ですから、粭島のフグと言えば超高級フグとなります。今でも粭島ではフグを獲っているのかしら。

『カラス』と呼ばれるフグはトラフグの代用として扱われ、韓国から輸入されています。また『カナフグ』はフグ類の最大種で1mにもなるそうです。南日本からインド洋まで分布していて、肝臓に特に強い毒を持つようです。

フグの有毒成分は、肝臓や卵巣にあるテトロドトキシンです。1匹分で数十人の命を奪うほどの毒があると言います。

フグの旬は冬で、特に師走のフグが最高。値段も最高です。フグの肉は脂肪が少ないので味は淡白。歯ごたえがあるのでお皿が透けて見えるほど薄くそいだ「薄造り」にされます。ポン酢醤油にアサツキ、紅葉おろしなどの薬味で食すと最高です。「ちり鍋」も骨付き肉のエキスが旨味を出して美味。そして雑炊ですね。後は、鰭を乾燥させて炙ったものを熱燗に入れた「鰭酒」、マッチで火を点けてアルコールを飛ばすのがコツですね。旨いんだなあこれが。ついつい呑みすぎてしまいます。

この文章を書いている先から食べたくなりました。金欠なので誰か招待して!
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