千一夜第3章第200夜 牛島釣行記後編

2019-12-30 16:54:16 | 磯釣り

2019.12.30(月)

17時30分頃から私は竿を出す。まずは初めての釣り場なので、仕掛けの飛び具合を確認し沈み瀬などの瀬際を探る試行である。暗闇になると瀬などは全く見えなくなるので、まだ明るい内に感覚を覚えておく必要がある。しかしアタリは全く無い。夜は永いが少々不安が募る。

18時、夕まずめ時である。三日月と金星?が西の空にくっきり見える。今日は月も早く沈むので暗闇は濃くなるが、晴天なので満天の星空と向かいの祝島の集落の明かりで結構夜目は効く。メバル釣りは曇り空で真っ暗闇の方が理想である。

Tも深夜の食卓作りを整えこの頃から竿を出す。いきなり良型のメバル2尾を揚げる。6時30分頃には私も同型のメバル2尾を揚げるが、この後は潮も止まりアタリが無くなる。誘いを掛けては時々揚がる程度である。それでもTは手前の瀬際を攻め、小振りのメバルを数揚げているようだった。

22時30分~23時30分頃まで潮がゆっくりではあるが西から東(上関方面)へ流れ、この時間帯が時合だった。良型のメバルが立て続けに揚がり、一時入れ食い状態となった。こういう時は手返しの上手さが釣果を分ける。

この時間には既に私は足腰、尻が痛くて仕方なかった。徹夜というものが如何に無謀なものか少々不安にもなってきた時間帯である。冬の釣行は厚着なので動作も鈍くなる。最小限の動きが余計に身体を固くしてしまうのだ。この歳になるとやはり身軽い夏場の方が良い。通しの磯釣りは年に1~2回程度なのでなかなか慣れない。23時頃から夜食の予定にしていたが、時合のため1時間ずれた。

23時50分頃から食事の準備に入る。Tは岩場での炊飯には慣れており、必要な道具も十分に揃えている。私はと言えばTにおんぶにだっこである。今夜のメニューは焼肉におでん、フィニッシュがカレーライスである。この頃、ちょっと東風が吹いていたので火力の消耗が激しかった。

1時30分頃まで宴たけなわとなる。1時間半程度の食事タイムだったが、冬の真夜中に岩場の上で食すというのもなかなか良い。空を見上げると満天の星空である。子供が小学生の頃は星座の名前も良く覚えていたが、いまではカシオペア座など少ししか思い出せないし、星座の位置関係もあやふやである。これだけ星があるのだから、我々のように寒い夜中に、竿を出して魚を釣っている異星人がいても不思議ではない。そのことをTに言うと上手く伝わらなかったのか興味も無いようだった。想像力に欠けている。

食事前の23時57分、40cm級チヌゲット。実は磯釣りに来て初めてのことではあったが、サーフ竿を1本忍ばせて来た。だから餌にコウジが混じっているのだ。捨て竿で置いておこうと思ったのだが、上手くいけばヒラメをと欲を出したのである。サーフは2回しか投げていない。1回目は上陸後直ぐに投げて放っておいたが、20時頃巻き上げて見ると完全な根掛かりとなっており、錘は回収出来たものの針は全部切れていた。遠投して錘が着底すると直ぐに藻に掛かるようで、2回目に投げた時には投げっ放しで置いていた。食事時にサーフ竿のことを思い出し、巻き上げようとするとやはり根掛かり状態、但し、何度か竿を引くとスッと抜けたように感じた。こういう時には魚が釣れている可能性が大である。続けてリールを巻き上げていると魚の確かな手応えが竿を持つ掌に伝わって来る。岩場近くまで寄せてヘッドライトを付けてみると白い腹だけが良く見えたので、ひょっとするとスズキかなと一瞬思ったが、正体はチヌ(黒鯛)だった。普段、50cmのチヌでも持ち帰らないが、この時季のチヌは美味いと言うし、会社同僚のN嬢が魚を取りに来るというので持ち帰ることにした。

朝まずめ頃の6時過ぎからは全くアタリもないので、6時30分頃から納竿準備に入る。クーラーボックスの上の方の2尾で記念撮影。今回は22~24cm程度の良型のメバルが多かった。今回、メバルの引きは十分に楽しめた。

2人で22ℓのクーラーがほぼ一杯になった(底に氷が少し入っているので上げ底)。

7時10分には瀬渡し船が着く辺りに荷物を纏める。

ゴミは岩陰で焼却した。

7時39分に渡船が迎えに来る。この時には背中から臀部に掛けて筋肉痛である。背中を伸ばそうにも痛くて伸び切らない。先に尾島の釣り人4人を迎えに行ったようで、荷物の積み込みを手伝って貰って助かった。

船上で尾島のメンバーと釣果を報告し合う。次回は尾島にも行ってみたい。

7時51分、牛島の波止のメンバーを迎えに行く。25cm程度のアジやメバルが釣れたとのこと。それと、60cm級のマダイもゲットしていた。

8時15分光井港へ帰港。荷物は全員が一列に並んでリレー方式で陸揚げした。

帰りにT邸へ寄り、魚を仕分ける。全部の数を数えてはいないが、私がメバルを30尾程度釣ったと思う。Tは私より多く釣っていると思う。私は他にはチヌ1尾、アジ10尾程度か。Tはホゴメバルの大きいのも釣っているが、チヌの下辺りにいるのか姿が見えない。

私がメバル20尾とアジ6尾を持って帰る(大半は配った)。Tは要らないと言うので、魚を取りに来た会社の同僚N嬢が残り全部を持ち帰った。N嬢も友人知人に配るとのこと。今日はN嬢に搗きたての餅を頂いたので敬称は”おばさん”ではなく”嬢”となった。物々交換のようでもあったが。

9時30分頃帰宅。道具や荷物を片付け一風呂浴びる。この時の風呂は最高に心地よい。疲れが一気に抜け出していくようだが、筋肉痛は消えない。風呂上がりに、早速家人が捌いたメバルの刺身で一杯やった。やはり獲れ立ての刺身は美味である。歯応え、味とも申し分ない。

釣行日:12月28~29日
旧暦:12月3~4日
場所:牛島岩場
時間:28日出港時16:10~29日帰港時08:15 16時間釣行
天候:晴れ(夜は満天の星空だった)
風 :概ね凪、一時東風 月齢:1.9~2.9
潮 :中潮 (徳山港)28日干潮16:15潮位105cm  満潮21:41潮位269cm                         
           29日干潮04:17潮位  11cm  満潮10:58潮位299cm 
狙い目:メバル
釣り方:浮釣り
餌 :アオムシ ・コウジ
釣果:メバル30尾程度・アジ10尾程度・チヌ1尾
釣友:同僚T=メバル40尾以上、アジ2尾・ホゴメバル1尾・アイナメ1尾

【12月30日過去の釣行記録】
・2005年大島居守、19:20~22:50、大潮、釣果=2人でメバル7・メイタ1
・2006年第2埠頭東側、06:15~17:15、若潮、釣果=カレイ13・キス1・アイナメ3・カナガシラ1・ハゼ3・マダコ1
・2018年徳山築港、06:40~11:15、小潮、釣果=30cmカレイ2・30cmアイナメ1・ハゼ8・キス1

【この日の釣り情報】
・この日の釣り情報はありません。

【旧暦12月5日釣行記録】
・1991年01月20日、門前川河口、10:00~13:00、中潮、釣果=39cmイシガレイ1
・1998年01月03日、新日鉄波止場、14:00~17:30、中潮、釣果=キス3・ハゼ2・アジ11
・2005年01月14日、大島大原、19:00~23:50、中潮、釣果=2人でメバル17
・2007年01月23日、中電西側岸壁、12:00~15:30、中潮、釣果=カレイ9・アイナメ1
・2008年01月12日、櫛ヶ浜港防波堤、18:15~23:40、中潮、釣果=メバル7・ソイ1・カサゴ1
・2015年01月24日、第2埠頭東側、06:40~13:00、中潮、釣果=ハゼ5

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千一夜第3章第199夜 牛島釣行記前編

2019-12-29 19:19:09 | 磯釣り

2019.12.29(日)

28日~29日に通しで、釣友Tと今年最後のメバル釣りに行くことになった。場所は光市の牛島か尾島の何れかということだった。この日に集まる瀬渡人の人員によって調整があるようだから、乗船する最終人員が決定してから釣り場は決まるようだ。我々はどっちの島でも良かったので釣り場が流動的になった次第。早くから予定していたので天候が心配だったが、当日は好天に恵まれた。大島(屋代島)では良く釣れているよという情報も貰ったが、日によって釣果が随分違ってくるものだから、こればかりは行ってみないと解らない。結局釣り場は牛島になり、14時半に釣具店集合、15時過ぎに渡船が迎えに来る光井港に行き、16時出港という段取りである。

釣行日:12月28~29日
旧暦:12月3~4日
場所:牛島岩場
時間:28日出港時16:10~29日帰港時08:15 16時間釣行
天候:晴れ(夜は満天の星空だった)
風 :概ね凪、一時東風
月齢:1.9~2.9
潮 :中潮 (徳山港)28日干潮16:15潮位105cm  満潮21:41潮位269cm             
           29日干潮04:17潮位  11cm  満潮10:58潮位299cm 
狙い目:メバル
釣り方:浮釣り
餌 :アオムシ ・コウジ

上は牛島の航空写真(中国新聞社1993年版)。我々が上陸した岩場は、右上の平茂岬の下の瘤になっている所である。

渡船が迎えに来る光市光井港、この日は11人が乗船予定で、この港からは7人が乗船した。我々が着いた時には他の5人は既に待機していた。

渡船が迎えに来るまでに、この港に係留しているプレジャー・ボートが帰って来た。一人で船釣りに出ていたらしく、港には家族2人(妻と女の子供)が迎えに来ていた。干潮時だったので船から埠頭の高さがかなりあったので、船からクーラー・ボックスを上げるのを手伝った。クーラー・ボックスの中を見て吃驚!60cm級と80cm級のヒラメが2枚入っていた。サビキと胴付き(アジの泳がせ釣り)で2枚揚げたとのことだった。家族は正月の肴が出来たと大喜びだった。

さて、我々も16時10分に光井港を出港。渡船には先客4人が乗船しており、彼らは尾島の岩場に上陸組、我々と一緒に乗船した5人組は、牛島の波止に上がるとのことだ。出港時のこの時間帯が一番楽しい。皆、期待感で一杯、4人組も5人組も初対面だが話は弾む。

上は尾島の航空写真(中国新聞社1993年版)。4人組が上陸したのは、尾島の一番下の尾っぽの左側ではないかと思われる。

尾島の尾っぽの岩場。険しい岩場でいかにもメバルが居そうな場所だ。夜通しの釣りなので、夜は風除けの場所もありそうだ。

まず尾島から下船する。次は牛島の波止に5人組を降ろし、最後に下船するのが我々2人となる。

健闘を祈り尾島を後にする。

2番目の釣り場である牛島の波止に5人組を降ろす。波止なので釣りは楽そうである。皆、椅子も持参していた。頑張れよと声を掛け別れる。

尾島は無人島だが牛島には住民が居る。但し写真に写っているこの場所だけだと思われる。牛島には巡行船もあったと思う。昔、同級生数人で泊りがけでアオリイカ釣りに来たことがある。瀬渡しの料金は結構高いので巡行船で来れば良いのにと余計なことを思ってしまう。我々の釣り場はこの山の反対側方面である。

最後が我々が上陸する岩場である。この岩場で徹夜の釣行(通し釣り)となる。

やっと岩場に上陸し渡船と別れる。明朝7時30分頃迎えに来る予定となっている。それまでは、風が吹こうが雨が降ろうが助けてくれる者は無い。自己責任で上陸するのだから当然である。尤も、超緊急時には海上保安庁やドクター・ヘリなどの助けも有り得るだろう。

上陸して、Tはまず夜食の場所を選定し基地化する。今夜のメニューはカレーライスにおでん、焼肉と豪華版だ。夜は寒いので2人で1升ばかりの日本酒も確保してある。 

Tは何度かこの岩場に上陸して釣行しているので、瀬の場所もほぼ把握しているが、私は初めてなので明るい内に釣り場の瀬の様子をしっかり見ておかなければならない。ここは釣り場前方で、満潮時には前方の小岩は完全に沈み瀬となる。夜釣りは仕掛けの棚を短めに取るので底の根掛かりは少なかろうが、沈み瀬に引っ掛ける可能性は十分にある。気を付けなければならないが、ついつい忘れてしまうものである。

釣り場右手の岩場、私は上、下の写真にある岩場で竿を繰り出すことになる。果たして釣果は?
今日は非常に疲れているので、釣行記録は前編、後編に分けて記載します。もう瞼が閉じそうです。 

【12月29日過去の釣行記録】
・2007年笠戸本浦港防波堤、06:40~15:30、中潮、釣果=カレイ2・キス3・チダイ1・ナマコ1・グチ5R
・2012年第2埠頭東側、06:30~12:20、大潮、釣果=カレイ2(24、28cm)

【この日の釣り情報】
・2005年上関四代、夜釣り、中潮、釣果=メバル入れ食い(最大28cm)

【旧暦12月4日釣行記録】
・2018年01月20日、第2埠頭東側、07:40~12:50、中潮、釣果=キス3・ハゼ25

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千一夜第3章第198夜 地味な釣り

2019-12-21 20:10:23 | サーフ

2019.12.21(土)

今日は釣友Sが昨夜呑み会だったため不参加。Sが来る時は何時もモーニングコールをお願いしているのだが、今日は自力で起きなければならなかった。目覚ましは1回目をパスし、スヌーズで何とか起きられた。ほぼ予定通りに釣り場に着いたが、曇っているせいでなかなか明るくならない。まだ少し薄明るくなった程度だったが、6時45分にサーフ開始した。

旧暦:11月25日
場所:徳山築港
時間:06:45~11:00
天候:曇り
外気温:朝6℃
風 :弱風
月齢:24.5
潮   :長潮 満潮04:21潮位230cm 干潮10:21潮位104cm
狙い目:カレイ
釣り方:サーフ
餌   :アオムシ・ホンムシ
釣果:カレイ3・キス3・イイダコ1

最初の獲物は、7時33分、まずは小振りのキス。今年は夏に殆ど釣行していないのでキスはあまり釣っていない。キスは1年中釣れるので特に夏という訳でもないのだが、キスと言えばやはり夏となる。私の過去の釣行記録や釣り情報から、正月にキスが50尾釣れた年もあるのだから、何とも言えないが・・・。まあそれはどうでも良いが、この後も同サイズのキスが2尾釣れた。

7時48分、ボウズ逃れの23cmカレイとイイダコがダブルで揚がる。リールを巻くのが重いなあという程度の感じだったのでヒトデだろうくらいに思っていた。リールを巻き上げる途中に生体反応も無かった。7時55分にも他の竿に25cmのカレイが1枚とヒトデが付いていたが、これも手前まで引いてきて初めて解った。今日はあまり魚の活性が無かったようだ。

納竿前の10時45分、干潮も過ぎてやっと潮が動き始めたかと思っていた矢先、朝方と同サイズの25cmカレイゲット。これは何となくカレイかなという予感はあった。揚げる前に竿先が小さくお辞儀したからである。それにしてもカレイも小さくてカレイを釣ったと言うにはちょっとおこがましい次第である。先週はSが木っ端ガレイを10枚揚げているが、今日はそれ程の活性も無かった。今週も尺ガレイを期待したが気配すら無かった。兎に角アタリを見たのが1回だけだから。

丁度10時に娘からライン受信。孫共々昼ご飯を食べに行こうと言う。今日は元々11時頃納竿と決めていたので時間には間に合う。だが、午後からの私の予定は全てキャンセルとなった。確定ではないが25日に船釣りで夜のメバル釣行なのでその準備をしておこうと思っていたし、28日~29日は島に渡り、通しで磯釣り予定なのでこちらの支度もそろそろと思っていた。仕掛けは最低でも10個程度は作って行く(夜は目が効かないので仕掛けが思うように作れない)ので、それなりに時間は掛かるし、取り掛かるまでの時間も相当掛かる。この頃はどういう訳か、取り掛かるまでの時間が非常に長くなった。やりだしたら集中して大して時間も掛からないのだが・・・。

11時には釣友Hからもライン受信。私とSが竿を出しているだろうと思って連絡してきたようだ。ラインに気付いた11時半頃は、丁度帰ろうと車を出したところだった。Hは防府から既に車で出てこちらに向かっているとのことだった。Sと一緒なら当然釣りは続いていたが悪いことをした。Hとは当分出会っていないので会いたかったが、まあアポ無しの出たとこ勝負なので仕方ない。次回からは行く時には前夜にでもラインします。

【12月21日過去の釣行記録】
・2014年第2埠頭東側、13:30~14:30、大潮、釣果=ボウズ

【この日の釣り情報】
・2006年華西南防波堤、夜、大潮、釣果=13~18cmメバル7・32cmチヌ1・26cmクロ1

【旧暦11月25日釣行記録】
・2007年01月13日、笠戸本浦港、06:30~14:20、長潮、釣果=カレイ4・ガンゾウビラメ1・キス2・ハゼ2
・2007年01月13日、華西防波堤、18:50~19:45、長潮、釣果=メバル3
・2007年01月13日、柳井国病前、06:00~10:00、長潮、釣果=カレイ1・キス5
・2008年01月03日、第2埠頭東側、15:20~17:30、長潮、釣果=カレイ2・キス3・ハゼ1・マダコ1
・2008年01月03日、大島大原、19:25~20:20、長潮、釣果=メバル3
・2008年01月03日、櫛ヶ浜港防波堤、20:50~22:30、長潮、釣果=メバル11
・2013年01月06日、第2埠頭東側、07:40~11:00、長潮、釣果=ハゼ1
・2013年01月06日、今津川河口、夕方、長潮、釣果=45cmイシガレイ1

 

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千一夜第3章第197夜 量より質(私) 質より量(S) 両方いけるよ

2019-12-15 22:52:13 | サーフ

2019.12.15(日)

先週から久し振りに投げ釣りを再開したが、初回は少し感覚が戻った程度。今週は私の好きな潮でもあり、リベンジを果たすべく釣友Sを誘う。Sは先週、34cmのアイナメを揚げたこともあり、午後から用事があるようだったが昼までということで参加した。

先週と同じく、6時に釣具店集合で、6時30分頃サーフ開始とした。釣り場は空いていて、予定通りに推移し7時頃までには全ての竿を出し終わった。

7時20分にSが18.5cmの木っ端ガレイを揚げる。今日のボウズ逃れとはしゃいでいたが、5分後には私が32cmのマコガレイを揚げ逆に余裕が出る。本当はこれより10分程度前に、この竿にカレイ独特の、竿先がお辞儀するアタリを見ていたので、その時点で釣れていたものと思われる。今回は、餌を十分に飲み込ませ、取りっぱぐれの無いように十分に時間を掛けたのだ。私にしても久し振りの30cmオーバーだったので、揚げるまで十分に引きを楽しんだ。

このアナゴが今日最初の獲物だったろうと思う。私が1時間程度置き竿で放っておいた竿にきていた。朝まずめ開始後暫くしてサーフ開始したが、まだ薄暗かった頃に投げていた2本の竿の内の1本である。普段はもう少し明るくなってから竿を出すのだが、今朝はサーフの準備が早く終わっていたのでついつい早く開始してしまった。暗い内に始めると90%の確率でアナゴが釣れる。アナゴは仕掛けをぐちゃぐちゃにするので、アナゴを釣らないようにサーフ開始の時間を遅らすのが常套である。今朝のアナゴは綺麗に唇に針掛かりしていて、仕掛けも汚されていなかったので助かった。恐らく朝一で釣れていたものと思われる。

8時丁度、Sがリールを巻き上げていたが私の仕掛けと絡んでいるという。2人でそれぞれのラインを持って揚げたが、その先には16cmの木っ端ガレイが付いていた。Sがこのカレイは私の方の針に付いていると言い出したが、よくよく見てみると2人両方の針で釣れていた。Sの餌を飲み込み、私の針が唇に掛かっていたのだ。これはやはり餌を飲み込んでいる方のものだろうと私が言い、Sの釣果とした。写真のカレイの口から2本のハリスが出ているのがお解りだろうか。

8時10分、Sが重い重いと言いながら揚げた竿には、上針に石、下針に23cmのカレイ(Sの今日の最大のカレイ)が付いていた。2つ合わせるとイシガレイである。写真で見るとカレイも大きく見えるが、23cmしかない。わざわざ私が下に降りて撮影した。

10時3分、私の竿にアタリ、2回、3回と続けて引くのでカレイで無いことは確かである。Sの予想通り、キビレだった。これも唇に綺麗に掛かっていたので、針を外した後、即リリースした。この釣り場で釣れるクロダイは殆どがキビレであり、チヌの方が珍しいくらいだ。

10時25分にもまた私の竿にカレイのアタリ、これも竿先のお辞儀を見たので慌てて揚げるというようなことはしなかった。5分程度経過してまた竿先にアタリを見たので、間違いなくカレイが釣れていると確信して揚げた。朝方の32cmには及ばなかったが29.8cmあった。私としてはこの時点で納竿しても良かったのだが・・。

11時10分、Sが20cmと18cmの木っ端ガレイをダブルで揚げる。木っ端だが久し振りのダブルだった。今日はサイズは兎も角、カレイの特異日だったかも知れない。Sは総じて木っ端だったが、今日は終始釣っていた。11時以降は、私は釣っていないのでSの一人舞台だった。何と20cm前後の木っ端ガレイが爆釣だった。普通は潮時前後に潮が止まるのだが、今日はどういう訳か潮止まりが無かった。緩やかではあっても、ずっと潮が動いていたということである。これは非常に珍しい現象である。それで数釣れたのかも知れない。

今日の釣果を時系列に記す。
7時台:私=32cmカレイ1・アナゴ1、S=18.5cm木っ端ガレイ1 ・小キビレ1
8位台:S=15.5、23cmカレイ2・メゴチ1
9時台:私=20cmカレイ2、S=15、22cmカレイ2
10時台:私=29.8、18cmカレイ2・29cmキビレ1・ハゼ1、S=キス1
11時~12時:S=13~20cm木っ端ガレイ5・メゴチ1・イイダコ1

今日最後の釣果、久し振りにイイダコが揚がった。釣れる時には2人で10杯近く釣れることもある。今年はあまりサーフ釣行していないので、イイダコもあまり見ていない。

旧暦:11月19日
場所:徳山築港
時間:06:30~12:30
天候:晴れ 
風 :西弱風のち東風
月齢:18.5
潮   :中潮 満潮10:59潮位310cm 干潮04:17潮位3cm
狙い目:カレイ
釣り方:サーフ
餌   :アオムシ・ホンムシ
釣果:32cm、29.8cm、20cmカレイ3、計5枚・アナゴ1・29cmキビレ1・ハゼ1(カレイ以外はリリース)
釣友:S=13.5~23cmカレイ10・小キビレ1・メゴチ2・キス1・イイダコ1 

私のカレイ釣果、32cmを筆頭に5枚を揚げる。私の場合は尺ガレイ狙い、Sの場合は数が優先する。今日は釣り場から港内北側方面が木っ端ガレイのオン・パレードでSの釣り場、私の釣り場は釣り場西側からフェリー乗り場と灯台の間方向で、ここがビッグ・ガレイのポイントだった。釣果は日によって違うが、最近では概ねこのポイントは変わらない。昔は何処に投げても尺クラスのマコガレイが釣れたが、ここ数年、大きいのは釣りつくした感がありあまり釣れなくなった。

今日は大潮2日後の中潮、昔からこの潮は私との相性が良い。良型のカレイが2枚だったが、まずまずである。投げ釣りの感覚が戻りつつある。

【12月15日過去の釣行記録】
・2007年第2埠頭東側、06:36~16:30、中潮、釣果=カレイ4・キス14・マダコ1・アナゴ1
・2007年徳山築港、06:40~14:00、中潮、釣果=キス3・ハゼ10・アイナメ1・キビレ1

【この日の釣り情報】
・この日の釣り情報はありません。

【旧暦11月19日釣行記録】
・2007年01月07日、第2埠頭東側、15:15~16:30、中潮、釣果=イイダコ1
・2007年01月07日、大島大原、18:30~00:00、中潮、釣果=2人でメバル35
・2010年01月03日、第2埠頭東側、06:40~13:30、中潮、釣果=カレイ5・ハゼ1
・2012年12月31日、第2埠頭東側大島大原、10:00~12:20、中潮、釣果=ボウズ

 

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千一夜第3章第196夜 久々のSデー

2019-12-08 21:13:11 | サーフ

2019.12.8(日) ジョン・レノンの命日

来週から釣行再開予定だったが、忌中期間が既に終わっていたことから急遽今日にした。 昨夜、釣友Sにラインで明日釣行すると送ると、即行くと言うので今朝の6時に釣具店集合とした。最近釣行していないので朝まずめの時間が良く解からないが、新聞のこよみ欄では日の出が7時7分となっていたので、朝まずめ開始は6時30分頃と見当をつけた。水温は1か月遅れと言うが、ここ数日の内に急激に寒くなってきたので、カレイの活性も上がってきたかも知れない。釣果はあまり期待せず、まずは身体を釣行に慣らすことと、カレイ釣りの感覚を取り戻すことが主な目的である。


この写真は以前撮ったもの。実は今日は釣り場をパノラマ写真で撮ったのだが、どうもサイズ的にこのブログに張り付けることが叶わなかった。

予定通り6時30分前には釣り場に着いていたが、東の山並みはまだ暗かった。それに岸壁に接岸しているあけぼの丸も6時40分に出港するというので、出港後に釣行開始とした。あけぼの丸の一番若い船員が、先週、ここで35cm級クラスのカレイが2枚揚がっていたというので俄然やる気が出て来た。

旧暦:11月12日
場所:徳山築港
時間:06:40~14:30
天候:曇り
外気温:朝方8℃
風   :北弱風
月齢:12.5
潮   :中潮 満潮06:24潮位241cm 干潮12:17潮位120cm
狙い目:カレイ
釣り方:サーフ
餌   :アオムシ
釣果:木っ端ガレイ1・キス3・ハゼ2・キビレ1
釣友:S=27cmカレイ1、木っ端ガレイ1・カサゴ1・キス8・34cmアイナメ1


Sが8時5分に27cmマコガレイゲット。

釣行開始後直ぐに、まずSが足元に落としていた竿に小振りのカサゴが来た。続いて7時台にまずまずのサイズのキス3尾を揚げる。その間、私はキス1尾のみである。8時05分、Sが又もや足元に落としていた竿に27cmのマコガレイが釣れる。カレイの背中に白い点々があるが、これはイシガレイでは無く、地面に落とした時に付いた小石である。この後Sは10時台まで1時間に2尾ずつキスをゲットする。9時8分には18cmの木っ端ガレイも追加する。まずまず好調に推移していたが、11時以降は14時の納竿間際のアイナメまで全く釣れなかった。私はと言えば2時間に1尾程度のキス、木っ端ガレイ、ハゼである。12時以降は1時間に1尾ずつの釣果だった。

餌切れで納竿間近の14時丁度、Sが足元に落としていた竿がまたまた激しく揺れる。何と、丸々太った34cmのアイナメだった。揚がった瞬間、色合いといい、太さといい、ソイかと思った。

それにしても丸く良く太っている。私もアイナメは数揚げているが、長寸は兎も角、これだけ太いのはあまり記憶に無い。そもそもSは特筆出来るようなアイナメを私との釣行で釣ったことは無い。刺身サイズのアイナメを釣ったのは数十年振りなのではないか。それにしても、今日は足元の竿が特に有効だった。それもワンポイントである。そのポイントで、カサゴ、マコガレイ、アイナメと今日の特筆すべき魚を全部揚げているのだ。まあこういう日があっても良い。

私は納竿前の最後の締めを飾る。14時10分、遠投していた竿に大きな継続的アタリ、カレイで無いのは間違いない。マダイかチヌだろうと見当をつけたが果たしてキビレだった。即リリース。大きなアタリで書き忘れていたが、この数十分前に、遠投の竿が正面から大きく右に曲がっていた。竿を手に取ると根掛かりである。と言うよりも、根掛かりと信じて疑わなかったので、竿を幾度か振り上げたり何だりで外そうとしたが駄目だった。仕方なくラインを持って仕掛けを外しに掛かり、上手くスッと抜けたので一安心。そのままリールを巻き上げて見ると針も切れておらずラッキーと思った。がしかし、針に付いていたのは千切れたマダコの吸盤だった。そう、根掛かりと思っていたのが実はマダコが釣れていたのでした。マダコと解っていれば何としても粘って揚げていたのだが、これも久し振りの投げ釣りで感が鈍っていた証拠であろう。ああ、また悔しさが蘇ってきた。

【12月8日過去の釣行記録】
・2007年第2埠頭東側、06:30~17:00、大潮、釣果=カレイ4・キス5・メイボ1
・2012年大島大原、18:00~20:30、長潮、釣果=メバル4
・2013年櫛ヶ浜港防波堤、17:30~19:30、中潮、釣果=ボウズ

【この日の釣り情報】
・この日の釣り情報はありません。

【旧暦11月12日釣行記録】
・2006年12月31日、第2埠頭西側、朝方、中潮、釣果=38、40cmカレイ2
・2016年12月10日、徳山築港、06:40~11:00、中潮、釣果=カレイ1・キス1・ハゼ1・チヌ1・イイダコ1

 

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千一夜第3章第195夜 最近の読書23

2019-12-04 21:29:39 | 読書

2019.12.04(水)

10月下旬に義父が死去したため喪中は釣行を断っている。12月12日には喪が明けるため、恐らくシーズン入りしているであろうカレイ釣りをその週末には再開したい。忘年会も3つ入っているので、体調を万全に整え望む。2か月近くも釣行しないでいると、行くのが面倒になる反面、やる気もみなぎる。まあ、楽しみは後に取っておくのも良いだろう。

プール通いの方も10月中旬からバルブの修理で1か月程度休みだったが、先週より再開した。1か月半程度中断したお蔭で体重の方も3㎏程度リバウンドしてしまった。減量目標がまた10㎏からになってしまった。それでも妊婦状態の頃に比べれば10㎏減量している。

最近読んだ本。記載するのは今回で23回目、評価を付けるのも気が引けるが、最も面白く読んだものは☆5つである。


令和元年10月18日発行の令和天皇御即位記念硬貨の表裏 

『日本会議の研究』 菅野完著 扶桑社新書 評価☆☆☆☆☆ ’19年10月10日読了
寸評:日本会議関連の本を読むのはこれで3冊目である。「日本会議戦前回帰への情念」山崎雅弘著、「日本会議の正体」青木理著、そしてこの本である。何れの本も安倍政権の諸政策と日本会議の主張や運動、思想や価値観、目指す方向の一致などを指摘している。本書は日本会議の歴史、生い立ち、日本会議の事務局である日本青年協議会の活動、歴史、思想を解説する。また日本会議を取り巻く一部の人々ぼ位置付けを浮き彫りにしていく。安倍政権との関係も解明していくが、日本会議、日本青年協議会の生い立ちから、カルト集団という人もいるように大体に於いて批判的に書かれている。安倍自民の支持母体に問題ありと言っても、民間保守団体は全国に草の根ネットワークを持ち、安倍政権以降の総選挙は自民党の連戦連勝ということからしても、国民の大半は安倍自民を支持しているということになる。政権を担える野党不在ということもあるが、与党に対して何でも反対という野党のスタンスは改め、実現可能な政策と根拠を明確に示す必要があろうかと思う。ちょっと本の寸評から逸れてしまった。

『国境で読み解く日本史』 古川浩司監修 造事務所編 光文社知恵の森文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年10月18日読了
寸評:いきなり、「どこまで知っている?日本の国境」という問いから始まる。日本地図が書いてあり、国境の線を引けというのだ。2013年に名古屋で実施されたが正解率は3.6%だっとのこと。これは北方四島、竹島、尖閣諸島、南鳥島、沖の鳥島などの正確な位置を知っていなければ答えられない。かくいう私も不正解、日本人としては恥ずべきことだろう。本書は国際法から見る国境の解説から始まり、ヤマト王権の成立と支配地域の拡大、大陸国家と古代から中世日本、鎖国の完成と接近する欧米列強、近代国家樹立からの領土拡大、特に明治時代から第2次世界大戦による勢力圏の拡大まで詳細に、時系列に書かれており解かり易い。最終章は現代日本の国境と題して、戦後から今日までのことが書かれている。私がこの本で初めて知ったことは、大東亜戦争降伏後、ドイツのように日本の分割統治が検討されていたということだ。北海道・東北地方をソ連、関東・中部地方と三重県はアメリカ、四国は中華民国、中国・九州地方はイギリスがそれぞれ単独で占領し、東京市は4か国の共同管理、近畿地方と福井県は米中の共同管理という案である。もし日本がこの分割占領を受け入れていたらと思うと肌寒くなる。

『韓国という病』 月刊HANADA著 飛鳥新社 評価☆☆☆☆☆ ’19年10月30日読了
寸評:’17年5月から文在寅政権になってから反日が著しく盛り上がった。慰安婦問題、元徴用工問題の蒸し返しに始まり、’18年10月新日鐵住金、同11月には三菱重工業への損害賠償命令、12月にはレーダー照射(宣戦布告と同意)問題、’19年2月には韓国国会議長・文喜相が慰安婦問題で天皇の謝罪を要求、同7月には和解・癒し財団の解散(日本に返金無し)、日本も同7月に韓国への輸出管理強化、ホワイト国除外を発表し9月から実施したが、対して韓国は8月にGSOMIA破棄を通告してきた。まだ他にも、戦略物資の横流し、福島の処理水に対するイチャモン、オリンピックメダルのデザイン、同旭日旗持込禁止、同ボイコット(来ない方が良いかも)等々、よくもまあこれだけ次から次へと出てくるもんだと感心する。一種のストーカーだな。新日鐵住金・三菱重工の資産差し押さえは’20年2月に先送りしたようだが、三権分立を主張するのだから遠慮なくやれば良いのに。日本の次の対抗措置が見たかった。そもそも、明治30年に福沢諭吉氏が、「朝鮮人を相手の約束ならば最初より無効のものと覚悟して、事実上に自ら実を収むるの外なきのみ」と120年も前に書いている。未だに変わっていないのだ。ドタキャン、協定違反、ウソ、裏切り、言い掛かり、ゆすり、たかり、物乞い、捏造、自己正当化、感情で動くなど韓国が抱える病理は凄まじい。まあこのようなことが300頁くらい書いてある。見過ごせないのは、韓国の戦争犯罪「ライダイハン」問題である。ベトナム戦争に出兵した約32万の韓国軍兵士たちが、12歳の少女を含む数千人のベトナム人女性を強姦し3万人の混血人が生まれた。この子供らをライダイハンと呼ぶが迫害され続けている。韓国はベトナムにおける戦争犯罪を一切認めず40年間、公式謝罪も賠償も行っていない。日本には従軍慰安婦に対して謝罪や賠償を要求し続けている。これもダブルスタンダードの韓国という病か。文喜相国会議長は天皇陛下(現上皇陛下)に謝罪要求したが、どの面下げて来日するのだろうか。日本は入国拒否すれば良いのにと思う。韓国には恥ずかしいという感情は皆無である。

 
令和元年10月18日発行の天皇陛下御即位記念切手と説明文

『独りだけの役員会』 広瀬仁紀著 光文社文庫 評価☆☆☆☆ ’19年11月5日読了
寸評:昭和62年の長編企業小説だが今でも面白く読んだ。著者の本はまだ数冊しか読んでいないが解説によると、経済起業・社会派サスペンス小説の作家で、この小説もそうだが証券会社を舞台に描き出す欲望の人間ドラマが得意で面白い。現実の事件をヒントに、或いは作家の想像力の所産であれ、常にビジネス、企業社会に身を置く人たちの関心事にストレートに訴求する題材が前面に押し出されている。現場主義で知られる著者は旺盛な取材精神を重ねる。高杉良に通じるが私の評価では高杉の方が上である。本書では証券会社を食い物にする総会屋、事件屋、政治家のドス黒い癒着や裏切りを描き、ラストのヤマ場では推理小説のドンデン返しのような逆転劇が控えている。少し読み難い感じもあった。

『夏草の賊』(上)(下) 司馬遼太郎著 文春文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年11月11日読了
寸評:戦国武将長曾我部元親の大河ドラマである。長曾我部物を読んだのは初めてだ。青年期から戦死までを描くが、前半では妻の菜々が、後半では長男の弥三郎信親が元親に絡んで描かれる。四国土佐の片田舎の僅か一群の領主でしかなかった若者が野望に燃え、武力調略を駆使し遂には土佐一国を制す。そして近隣諸国へなだれ込み四国全土を征服、あわよくば京へとなるが、そこへ立ちはだかるのが織田信長、豊臣秀吉だった。信長の死後、秀吉が四国に侵略の手を伸ばして来たことで、営々と築き上げてきた四国全土から土佐一国に押し込められる。その後は秀吉に従うが信親は戦死、元親も関ケ原の前年に死ぬ。幼少の4男の盛親が後を継ぐが石田三成に組したため土佐一国も取り上げられてしまう。読了後感じたのは、長男の信親は若いが世代交代が遅すぎたように感じた。戦国時代において隠居は難しいが、元親は天下の情勢を掴むのが遅く、また長男を土佐の片田舎に留め置いたのが敗因となった感がある。

『義経幻殺録』 井沢元彦著 講談社 評価☆☆☆☆☆ ’19年11月13日読了
寸評:井沢元彦と言えば日本史研究家で鋭い洞察力と想像力で逆説物を書くのが得意。私も多くの著書を読んでいる。が、この本は主人公が芥川龍之介と明智小五郎で、サスペンス、推理小説である。実在の小説家と江戸川乱歩の小説のキャラが主人公である。龍之介の使命は、清王室の出自に関する文書、禁闕文庫という秦皇帝が所蔵し宮廷の秘庫に収められた門外不出の「玉牒天瀇世系」という本の解読、真贋鑑定、及び世界への真実の公表にある。源義経の不死伝説、義経が清朝の祖となったことをである。物語のキーワードは「避諱」(ひき)である。中国文学に詳しい人なら恐らくピンと来るかも知れない。避諱とは先祖や皇帝の諱(忌み名)に使われている文字は、書物は勿論、私的な文章にも使うことが許されないというもの。どうしても使わなければならない時は、同じ発音で意味の近い文字に差し替えるか、欠画(最後の一画を省く)という方法を使った。日本では中国とは真逆で、編諱や継名という習慣がある。中国と日本、ロシアまで加わって物語は展開する。黒幕は明治の元帥山縣有朋。面白い本だった。


令和元年10月18日発行の下松市市制80年記念フレーム切手

『幻夜』 東野圭吾著 集英社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年11月21日読了
寸評:直木賞を始めとして各賞総なめの感がある著者、東野圭吾の著書に外れは無い。同僚の女性は殆ど読んでいると言っていたが、私もたまに読みたくなるのだ。この本は「白夜行」の続編となる。と言っても、続編ということは巧妙に隠されていて全くの別作品だといっても良い。読み進めて行く内に”アレッ”と気付いた。半信半疑だったが後で解説にも書いてあったので、”やっぱり”と納得した。物語は、新海冬美と名乗る女の魔性に捕えられ、操られ、自らの人生を犠牲にしてしまった男を描く。ミステリーのみならず人間の生き様を重層的に描く。

『教団X』 中村文則著 集英社文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年11月28日読了
寸評:大作である。突然姿を消した女性を探し、奇妙な老人を中心とした宗教団体に辿り着く。そして彼らと対立する性の解放を謳う分派のカルト教団X(オウム真理教が下地にあると思う)。2人のカリスマの間で蠢く悦楽と革命への誘惑、4人の男女の運命が絡み合う。カルト教団はやがて暴走し、国の根幹を揺さぶり始める。神とは、運命とは、個人の存在とは、絶対的な闇とは、光とは何か。奇妙な老人の話は哲学的でまともである。宇宙のこと、量子力学のこと、万物の運命のこと、仏教のこと、釈迦のこと、脳の神経細胞のこと、私が最も感銘を受けたのは、意識を司る脳の特定の部位は存在しない、脳の大局的な働きによって意識が生まれる、脳が無ければ意識は発生しない、脳の活動が意識に反映される、意識によって脳に何らかの因果作用を働きかけることは出来ない。つまり私が「閃いた」と感じた時、その0.何秒か前に実は脳が「閃いて」いるということ。これまで発想だにしなかった。結末はカルト教団の、教祖の破滅にある。カルト教団の信者となる者は、何処かで挫折した者、社会から弾かれた者、自分を優秀と信じて疑わない者と相場はほぼ決まっている。恐らく誰も指摘していないと思うが、本書は三島由紀夫の豊饒の海第3部暁の寺を相当意識していると思う。

『可児才蔵』 志木沢郁著 学研M文庫 評価☆☆☆☆☆ ’19年12月3日読了
寸評:可児(かに)才蔵という戦国時代の武将を描く。歴史本にたまに名前が出るので名前は知っていたが、人物像は全く不明だった。類まれな槍の使い手で若き頃より武名が轟く。修業時代の総仕上げとして、雑賀の宝蔵院流に挑みこれを打ち負かす。戦場では笹の枝を旗指物とし、討った首にその葉を咥えさせたことから「笹の才蔵」として知られる。無骨なまでの正直さゆえに上司や主君と衝突し6度も主君を替えている。それまでに仕えた大名は皆滅んでいるため、才蔵を召し抱えた大名は滅ぶと評判が立つが、最後の主君、福島正則とは気が合った。関ケ原では大活躍をして家康からも激賞された。指揮力に欠けたため一軍の将にはなれなかったが、信念を貫き理想の働き場所を得た男の生涯を描く。 

【12月4日過去の釣行記録】
・2010年中電西側岸壁、06:20~11:30、大潮、釣果=カレイ3・キス1・アイナメ1・イイダコ1・メゴチ2
・2011年第2埠頭東側、06:20~13:00、長潮、釣果=カレイ2・キス1・チダイ1・コウイカ2

【この日の釣り情報】
・この日の釣り情報はありません。

【旧暦11月8日釣行記録】
・2000年12月03日、今津川河口、13:00~16:00、小潮、釣果=イシガレイ2
・2009年12月23日、粭島小瀬戸橋、19:00~20:40、小潮、釣果=メバル1

 

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