星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
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ルーと龍の対談

2013-11-01 | MUSICにまつわるあれこれ
ルー・リードさんのことでコメントをいただいて思い出した、、昔の 村上龍さんとルーとの対談記事。 ミュージックライフの記事。

 龍さん若い。。

切り取ってしまってあるので正確な年月がわからないのだけれど、 文面から察するに77年12月の対談だろうと思う。 (龍さんが『ブルー』で芥川賞をとったのが76年)

これは ルーと龍がお酒を飲みながら語り合ったものなので、35年も経った今読んで、 どこまで本音かよくわからない部分もあり、、(笑) ディランもビートルズも大嫌い、、 ミック・ジャガーの詞はすばらしい、、って。あとボウイも。。 後半ではドラッグの話、、、。

、、だんだん思い出してきました。。 74年ごろに クラスメイト(のお兄さん)からヴェルヴェッツのバナナアルバムを借りて聴いて、、 77年ごろにはドアーズも、NYアンダーグラウンドのものも 色々と聴いていたから、 龍さんの『ブルー』に出てくるアーティストもだいたいわかるようになってたのかな。。 (ローティーンの娘だったのにね…)

下に写っているのはロッキンオンのインタビュー。「ニュー・センセーションズ」を出した時だそうだから、84年? インタビュアーの名前がないけれど、たぶん渋谷さんでしょう。。
渋谷さん、 ルーの訃報に際してこんなブログを載せていらして、、(http://ro69.jp/blog/shibuya/91238>>)うまくコミュニケーションがとれなかったことを振り返っておられるけれど、、 このインタビューでは、 かなりルーの考えを聞き出せていると、そう思えます。

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文学を学んだルー・リードさんには当たり前のことなのだろうけど、 ルーの意識は常に「作家」として働いていたのでしょう、、 初めから、亡くなる時までずっと。

詩や小説という表現の中で、 60年代~70年代にすでに乗り越えられてしまったタブーの壁、、(バイオレンスや、ドラッグや、セクシャリティや、、) それらが文学的に表現されうるのに対して、 ロックンロールでは未だハッピーな愛や恋しか歌えない、、

エリオットやフォークナーや、 チャンドラーやバロウズが表現できたことを、 ロックで表現したい、、 だから、 24歳くらいで『ブルー』で芥川賞をとってしまった龍さんには、 共感と同時に羨望の気持ちもすごくあったのではないかしら、、 

ルーが晩年まで、 「The Raven」でポーと向き合い、 そして「Lulu」をつくり、、 文学とロックの融合をずっと目指していたその先を、、 本当に見つづけたかった。。。

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今日ツイートされていました、、 ルーのおそらく最後のステージ。 アントニーとの共演。。 美しいです。

Lou Reed & Antony, Candy Says, Salle Pleyel, Paris 6-3-2013