ちょうど10年前の平成19年10月に雇用保険法が改正され、失業給付を受給するには、原則として「12ヶ月以上」の被保険者期間が必要となった。いまだに「6ヶ月以上」で受給権を得られるものと記憶している人もいるようだが、現行制度では、それは「特定受給資格者」と「特定理由離職者」に限っての扱いとなっている。
「特定受給資格者」とは、倒産や解雇等により離職を余儀なくされた者であって、いわゆる“会社都合”での離職者を言う。
もう一つの「特定理由離職者」とは、平成21年に新設された区分で、「正当な理由のある自己都合により離職した者」を言う。特定理由離職者は、失業給付に際して、当面は(当初は「平成24年3月31日までの暫定措置」であったが、現在は「平成34年3月31日まで」に延長されている)特定受給資格者と同様の扱いをするものとされている。
なお、これに「有期雇用契約の更新を希望したにもかかわらず更新されずに契約満了となり離職した者」を含む取り扱いは、今は廃止されている。
まれに、「正当な理由=会社都合である」と誤解してか、「特定受給資格者」として扱うよう会社に求めてくる退職者もいると聞くが、会社はそれに応じる必要は無い。
確かに、例えば「配偶者の転勤により通勤困難になったため」というような理由は、単なる「転職希望」とは性格を異にする正当な離職理由ではある。しかし、そうであっても、“自己都合”であることに変わりはないのだ。
もし、そのように求めてくる退職者がいたら、「特定理由離職者」という区分があって、給付制限や給付日数等についても「特定受給資格者」と同様に扱われることを説明し、理解を求めるのが正しい対処だ。
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