「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「朝鮮山つつじ」

2012-05-09 12:30:07 | 和歌

 散歩の途上で出遭ったもう一つの「つつじ」をご紹介する。
 ほとんど白だが、ごく淡い透き通るようなピンクの花が重なって、咲いていた。

 虚庵居士の撮影の力量では、この美しさを捉えられないのが何とも悔しい限りだ。加えて、ブログに掲載したら更にピントがぼけて、映像の取り扱い方が拙劣なためだろうが、皆さんに鮮烈な姿をそのままご覧頂けないのが残念だ。
 
 太陽光線があたる部分は淡いピンクも消し飛んで、花びらはほとんど白く見えるが、花が重なり、日差しが陰る部分では淡いピンクが見事に発色して、吸い込まれるようだ。色白の乙女が、恥じらいを見せてぽっと頬を染めた、そんな印象であった。
 
 この「つつじ」に出遭ったタイミングも、将に理想的な花時だったようだ。莟がまだ一つ二つ残っているが、ほゞ満開であった。つつじは陽射しに極めて敏感な花だから、一両日もすれば花びらが日焼けして、こんな美しい花には出逢えなかったろう。虚庵夫妻は最高の花時を愉しませて貰った。

 帰宅して、早速花図鑑のお世話になった。
これほど見事な花はななかな見つからなかったが、ほぼ是だと思われるつつじが見つかった。「朝鮮山つつじ」に違いあるまい。


 

          ごく淡いピンクを秘めるしろたえの

          つつじはフェンスに依りて咲くかな


          フェンスより身を乗り出すは誰待つや

          花びら淡くピンクに染めるは


          しろたえのつつじは花に花重ね

          ピンクに染まるは恥じらう乙女か


          色白の乙女は何を恥じらふや

          皐月の陽ざしに頬をそめるは


          しろたえのつつじはおもひをひめるらし

          こふるおもひかほのかに におうは


          みるひとのこころにしみいるつつじかも

          はなしろたえにほのかにいろそえ