「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「雪柳の移ろい」

2012-04-20 12:21:35 | 和歌

 雪柳の早春の芽吹きをカメラに収め、ブログに掲載するつもりだったが、虚庵居士の都合などお構いなしで、春の移ろいは駆け足だ。

 3月初旬の雪柳の芽生えは、針金のようなか細い小枝に、緑の若芽が萌えて、ごく繊細な春の風情であった。そんな中に、狂い咲きの一・二輪が可憐な花を付けていた。
時期外れではあるが、捨て去るのには忍び難いので、ここに掲載した。

 桜の開花を待たず、雪柳は一足先に満開になった。

 細い枝に無数の小花を咲かせた雪柳は、春の微風にも敏感に反応して枝が大きく揺れ、その様は手弱女の踊りを思わせる。時には容赦ない春風がかなり強く吹くと、白い花びらの花吹雪となって舞い散ることになる。
「春風よ、そんなに強く吹かずにいておくれ・・・」
と祈る虚庵居士の思いをもて遊ぶかのようだ。そんな時の道路や庭先は、白い花びらが散り敷いて、これまた風情ある情景だ。

 そんな一・二週間を愉しませて呉れた雪柳だが、今では僅かな残り花が、新たに伸びた緑の小枝に交じって咲くだけとなった。3月初旬の芽生えから花吹雪まで、ほぼ二か月を雪柳とは沢山の会話を交わして来た。この先も「うつろ庵の雪柳」とは、枝の剪定など未だたっぷりと交流が続くことになる。


 

          凍てつける冬の終わりを敏感に

          芽生えは告げぬ春到来を


          一・二輪 狂い咲くかな雪柳の

          春陽を恋ふる思ひぞいとしき


          手弱女の風情に咲くかも雪柳は

          白き手かざして微風に舞へば


          春風よ強くな吹きそ雪柳の

          小花を散らすに しばしをとどめよ


          芽吹きから花吹雪舞ふ春の日の

          移ろい訓える雪柳かな


          白妙の小花の花びら散り敷けば

          掃かずにとどめん春の名残に