「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「みつまた・三椏」

2012-04-16 12:38:29 | 和歌

 「三椏」が道端に咲いていた。

 二週間ほど前になるが、虚庵夫人と共に久しぶりにドライブを楽しんだ。山際の小道で車を止めて道路に降り立ったら、図らずも目の前に三椏が咲いていた。


 
 団子状に身を寄せ合って咲く三椏は、周辺から咲きだして中ほどには未だ莟が残っていた。今年は寒気が何時までも残っているので、三椏の開花も遅れているのかもしれない。

 三椏は楮(こうぞ)と共に、樹皮が和紙の原料に使われることで有名だが、三椏和紙はシワになり辛く、丈夫なことから紙幣に使われているのは、意外にも皆さんはご存知ないようだ。紙幣の有難さは身に染みているが、紙の原料を詮索しても我が身の助けにならないことから、当然かもしれないが・・・。

 三椏は山間のやせ地でも栽培できるので、曾てはかなり栽培されたようだが、ここの三椏もその名残であろうか。


 

          山際の小道に立てば三椏の

          ぼんぼりに咲く花々迎えぬ


          身を寄せて小花咲くかも三椏は

          寒さをしのぐや小枝の先に


          三椏の花一房を摘み取りて

          妻にささげむ胸の飾りに


          鶯の鳴く聲も和す山辺かな

          三椏の花と語らいおれば