「三椏」が道端に咲いていた。
二週間ほど前になるが、虚庵夫人と共に久しぶりにドライブを楽しんだ。山際の小道で車を止めて道路に降り立ったら、図らずも目の前に三椏が咲いていた。
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団子状に身を寄せ合って咲く三椏は、周辺から咲きだして中ほどには未だ莟が残っていた。今年は寒気が何時までも残っているので、三椏の開花も遅れているのかもしれない。
三椏は楮(こうぞ)と共に、樹皮が和紙の原料に使われることで有名だが、三椏和紙はシワになり辛く、丈夫なことから紙幣に使われているのは、意外にも皆さんはご存知ないようだ。紙幣の有難さは身に染みているが、紙の原料を詮索しても我が身の助けにならないことから、当然かもしれないが・・・。
三椏は山間のやせ地でも栽培できるので、曾てはかなり栽培されたようだが、ここの三椏もその名残であろうか。
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山際の小道に立てば三椏の
ぼんぼりに咲く花々迎えぬ
身を寄せて小花咲くかも三椏は
寒さをしのぐや小枝の先に
三椏の花一房を摘み取りて
妻にささげむ胸の飾りに
鶯の鳴く聲も和す山辺かな
三椏の花と語らいおれば