「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「明日あるを」

2011-02-28 01:19:50 | 和歌


 このところ夜更かしが過ぎて、布団に入るのが二時・三時になることが習慣になった。

 若者が勉強や、趣味などに熱中して夜更かししても、彼らには「若さ」がるから、疲労は溜らない。しかしながら、じい様の夜更かしは百害あって一利なしだ。 ましてや夕刻からグラス片手に、寝るまで離さぬのはまさに異常だ。本人は百も承知なのだが・・・。

 夜更かしの理由は、あれこれあるが、根源的な理由は「今のうちに、あれもこれもヤッテおかねば・・・」との欲張り根性にあるようだ。古稀をとうに過ぎて、その内に「やるべきこともヤレナクなる」との、じい様流の焦りの思いが頭を擡げて、ついつい熱中して夜更かしとなる。


    あすなきと
    思えばひたぶる夜なべかな
    い寝るを忘れて何を残すや



 斯くして、今年の「お書初め」は「零時入床」を半紙に揮毫して落款印を押した。どんなに遅くも「零時にはお布団に入ります」との決心だ。
半紙の余白にその時の思いをを一首、筆先がすり減った古筆で認めた。一気書き故に、荒れた筆致にはお目こぼし願いたい。


              あすあるを
              思えばこの世は(八)
              ゆたか(可)なれ
              けふをかぎりの(支利能)
              いのちにあらねば(八)