「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「デンタータラベンダー」

2011-02-26 16:08:04 | 和歌
 
 このラベンダーは、何時見ても花を付けているようだ。
ラベンダーについては詳しいことを知らがないが、年間を通して花を付けるのであろうか、或は虚庵居士の記憶が加齢と共に覚束なくなって、混乱しているのかもしれないが・・・。





 もともと華やかな花ではないが、特徴のある葉と花の佇まいは、何処か気品を漂わせていて、「見て観て!」などとセガマナイところが奥床しい。
 
 人間社会でも共通するが、キラビヤカに飾りたてる女性や、目立ちたがり屋にはどうも馴染めない。会議や集りの場などでも声だかに発言したり、目立たないと気が済まぬご仁もいるが、おっとりと構え、皆さんの意見を聞いたうえで徐に自説を開陳する男もいる。

 「デンタータラベンダー」は、どちらかと言えば後者のタイプであろう。花も人間も同じだが、「見て観て!」のタイプは自己主張型とでも言うのであろうが、虚庵居士に言わせれば後者の「おっとり」型の、自ずと滲み出る気配には素晴らしいものがある。

 お仲間や、先輩・後輩などあまたの人々と接して来たが、自らに厳しい試練を課し、研鑽を積み重ねた者だけが、その様ないぶし銀の領域に辿り付けるのであろう。「そう云うお前はどうか?」と問われれば、穴があったら入りたい心境だ。何事によらず、精一杯生きて果てたいと念するこの頃だ。



              何時見ても小花を捧げるラベンダーに

              問うは季節の移ろい無きやと


              葉も花も仄かに白く化粧して

              気品を保つやラベンダーの花は

 
              細き葉も花茎までもがいとしげに
              
              あはれ抱くや薄色の花を


              何故ならむこの花と居らば安らぐは

              床しく醸すけわいにひたれば