ちまたでは、動物園ブームというか、動物園特集ブームだ。
新聞や雑誌で「今動物園がおもしろい」「動物園に注目」的な特集がよく見られるし、しのぶん情報によれば、このたびLeeなんぞでも特集するのだそうだ。女性誌でまで、というとブームにも本格感が漂う。
この前、NHKからの連絡と前後して、読売新聞の記者さんからもコンタクトがあり、近所のファミレスで雑談した。
ぼくは動物園の専門家じゃないので、雑談的に知っていることを語るのはできるけれど、「動物園を紹介します」といようなナヴィゲーター的な立場で雑誌やテレビに登場するのはちょっとやりにくい。だから、記者やディレクターやライターが自分の頭で考えて動物園についてああだこうだ言うタイプの企画に関しては、できるだけ協力はしたいと考えてる一方、テレビ出演なんかはだいたい断ってる。
それはそれ、「自分の頭で」タイプの記者さんやライターさんと会うのって、それ自体楽しいということもある。
自分が情報提供をしつつも、新たな視点を提供してもらえる場合がある。話しているうちに、自分の中の情報が整理され、見通しがよいものになることがある。そうなるためには聞き手がある程度の知的水準を満たし、また、ある程度以上のコミットメントがあり、つまりはいろいろ勉強していて背景知識も広い、という条件が揃わなければならないみたいだけれど。
この前会った読売新聞の記者さんが、そういうタイプだった。実は感染症関係に強い方だと途中で分かり、最終的には鳥インフルエンザやら、新興感染症とメディアの疫学リテラシーみたいな話になっていた。
そして、アスベストについて、お互い、ため息をついた。
なぜって……。
ここ十年くらいの間に我々が「リスク」として大騒ぎしてきたものはいろいろある。
環境ホルモン、ダイオキシン、目下も大問題のBSE。
でも、アスベストほど、誰の目にも明らかな、人的な被害を大量に発生させていたリスクはない。
環境ホルモンだー、メス化だー、とか騒いでいた頃、やはり中皮腫で苦しんでいた方はたくさんいたわけで、我々のリスク・センスっていかがなものよ。目配りの悪さっていかがなものよ、とつくづく思ってしまう。大きな既存のものを見落とし、小さな新興のものを過大に取り上げる。
ほんとうに「正しく怖がる」ことは難しい。
というわけで、動物園→感染症→アスベスト→リスクセンス、というようなお話しになった午後だった。面白いというか、刺激されるという感覚。
すべては地続きだ。
動物園とリスクセンスだって、今のマスコミの取り上げ方ではまったく別のベクトルだけど、実を言うとさっきのような経由なしでも直結するし(動物を扱う仕事では、様々なリスク管理を日常的にしなければならない)、ひょっとすると「アスベスト」にだってつながっているかもしれない。
そもそもぼくたちは、小さく、ネットワークされた、世界に住んでいるのだからして。
新聞や雑誌で「今動物園がおもしろい」「動物園に注目」的な特集がよく見られるし、しのぶん情報によれば、このたびLeeなんぞでも特集するのだそうだ。女性誌でまで、というとブームにも本格感が漂う。
この前、NHKからの連絡と前後して、読売新聞の記者さんからもコンタクトがあり、近所のファミレスで雑談した。
ぼくは動物園の専門家じゃないので、雑談的に知っていることを語るのはできるけれど、「動物園を紹介します」といようなナヴィゲーター的な立場で雑誌やテレビに登場するのはちょっとやりにくい。だから、記者やディレクターやライターが自分の頭で考えて動物園についてああだこうだ言うタイプの企画に関しては、できるだけ協力はしたいと考えてる一方、テレビ出演なんかはだいたい断ってる。
それはそれ、「自分の頭で」タイプの記者さんやライターさんと会うのって、それ自体楽しいということもある。
自分が情報提供をしつつも、新たな視点を提供してもらえる場合がある。話しているうちに、自分の中の情報が整理され、見通しがよいものになることがある。そうなるためには聞き手がある程度の知的水準を満たし、また、ある程度以上のコミットメントがあり、つまりはいろいろ勉強していて背景知識も広い、という条件が揃わなければならないみたいだけれど。
この前会った読売新聞の記者さんが、そういうタイプだった。実は感染症関係に強い方だと途中で分かり、最終的には鳥インフルエンザやら、新興感染症とメディアの疫学リテラシーみたいな話になっていた。
そして、アスベストについて、お互い、ため息をついた。
なぜって……。
ここ十年くらいの間に我々が「リスク」として大騒ぎしてきたものはいろいろある。
環境ホルモン、ダイオキシン、目下も大問題のBSE。
でも、アスベストほど、誰の目にも明らかな、人的な被害を大量に発生させていたリスクはない。
環境ホルモンだー、メス化だー、とか騒いでいた頃、やはり中皮腫で苦しんでいた方はたくさんいたわけで、我々のリスク・センスっていかがなものよ。目配りの悪さっていかがなものよ、とつくづく思ってしまう。大きな既存のものを見落とし、小さな新興のものを過大に取り上げる。
ほんとうに「正しく怖がる」ことは難しい。
というわけで、動物園→感染症→アスベスト→リスクセンス、というようなお話しになった午後だった。面白いというか、刺激されるという感覚。
すべては地続きだ。
動物園とリスクセンスだって、今のマスコミの取り上げ方ではまったく別のベクトルだけど、実を言うとさっきのような経由なしでも直結するし(動物を扱う仕事では、様々なリスク管理を日常的にしなければならない)、ひょっとすると「アスベスト」にだってつながっているかもしれない。
そもそもぼくたちは、小さく、ネットワークされた、世界に住んでいるのだからして。
同年代の皆さんは覚えてませんか・・・?
アスベストにしろ、鳥インフルエンザにしろ、
妙なブームになってしまった(そしてもうブームは去った?)風太くんにしろ
なに一つ「他人事」ではなく「自分と関わりのある事」
だよなー、とつらつら思っている午後のひと時です・・・。