非実在青年にかんする条例改正案について、なんだか緊急のようなので仕事を放り出して書きます。
都小Pが強く、条例改正を支持している件。
都小Pといいますと、都のすべてのPTAの意見(=保護者の意見)だと感じられるますし、実際に議会などでは、「保護者代表」として扱われます。
けれど、実際は、ぜんぜん代表していないのです。
それについて解説。
まず第1に、都小Pは、東京都のすべてのPTAを束ねているわけではありません。
確実に入っていると言えるのは5区・1村・4島。区部では世田谷、目黒、荒川、足立、文京。さらに都下の檜原村。大島、神津島、新島、八丈島の4島。
最大でも7区(うち1区【墨田区】は部分参加、また1区【千代田区】は意志決定に参加せず)・1村・4島。
なぜこんな複雑な表現をしなければならないかは、こちらを参照のこと。
いずにしても、これだけの組織割合では、「代表性」に疑問があるのは分かるはず。
単純に考えて、東京都の小学生保護者の過半数は都小P会員ではないですものね。
第2の理由として……都小Pに参加している、PTAの連合体でも、このことは特に支持されているわけではないのです。
ぼくは世田谷区在住なので、都小P会員(自分の学校のPTA会員になると自動的にそうなる)が身の回りにたくさんいますが、「ニュースで知った」人以外、まったくこの話題を知りませんでした。自分が、支持しているような格好になっている、ことも自覚していませんでした。
これは、PTA役員レベルでもそうで、どうも、都小Pの独自の動きのようです。
世田谷区のPTA担当セクションに確認したところ、世小Pでは、この件について承認ですとか、支持をしたことはなく、単に都小Pから配布された資料として、役員会(世小Pの会長、副会長などが出席)で、情報共有が図られただけだそうです。
これでは、各小学校のPTA役員すら、知らないわけです。
また荒川区でも同様であったと電話で確認できました。
さらに足立区では、ふだん都小Pとの連絡役として役員会に出席する「理事」が、3月4日の役員会を欠席したためこの件について充分な説明を受けなかった、とのことです。P連会長のコメントとして「特に反対しているわけではないが、積極支持をしているわけでもない」ということでした(生涯学習センター経由の伝言)。まあ、会として、議事にかけてもいなわけですねからね。
というわけで、都小Pが「保護者全員の願い」であるかのように、この条例を押すのはおかしなことだというのが分かっていただけると思います。
なぜ、こんなことが起きるのか。
都小Pの役員は、都小P自身の前年度役員の推薦によってだいたい決まります。
また、各区市町村のP連は、「理事」を都小Pの幹部として送り出すのですが、そういった人たちは、P連の会長経験者が多く、現役の保護者ではなくなっている人も多数です。
理事の中から、推薦を受けて、やがて役員になっていくというルートがあり、現会長の新谷氏も、世小P会長→都小P理事→都小P副会長→都小P会長というルートを辿ってきた方です。
で、各市区町村のP連から出た理事は、基本的にお任せ状態で、都小Pの運営に携わるようなのですね。もちろん、時々、市区町村のPTA連合との間を取り持って(たとえば、会費やら保険の話など、お金にまつわることなどシビアですし)くれることもありますが、基本的には選任されたという立場で、自らの良識に従って活動するようです。
その良識が、保護者の良識と、常に同じとは限らない、という話、ですね。
さてさて、これを読んでくださったみなさん。
自分も会員なのに、相談されることもなく、自分とは違う意見をあたかも「みんなの意見」のように述べられたと感じる方が、世田谷、荒川、文京、目黒、足立あたりにいるのであれば、都小Pに対して、「会員だが、反対だ」と述べることは可能でしょう。もしも、採決までに時間があれば、ある程度の軌道修正が図られる可能性はあります。なにしろ、PTAは民主的組織なのだそうですから。
もしも、そのほかの会員ではない区や市の方も、「同じ東京都の保護者として、反対だ」ということを述べることもアリでしょう。
voice05@ptatokyo.com ファクスは03-3431-7042です。
いずれにせよ、都小Pが保護者の意見を代表しているというのは、一見そのように見えつつも、幻想です。
そのことについて、議会に理解してもらうことが、今は緊急かもしれません。
だれにどのように話せばいいのか、ぼくには即効性のあるアイデアがないので、とにもかくにも、都小Pが「東京都の保護者をまったく反映していない」という理由をのべ、みなさんに役立てていただきたい次第です。
********
なお、これを機会にPTAっどうよと思った方には、こういうものがあります。
1年半前の本なので、今より認識が浅いし、自分が役員をしている時に書いたものだから「内から目線」だけれど、知られざるPTAについて、きちんと書いたつもり。
追記
以上の文章は、2010年3月23日までに、カワバタがPTAにかかわる活動や取材を通じて見聞したことと、18日19日に東京都のいくつかの区に電話取材したことを元に書かれています。当事者である都小Pや各区などの小学校PTA連合などの幹部とは直接連絡を取るチャネルがありませんので(都小Pの電話はこの2日間、留守番電話です)、正確な事実と微妙にずれている可能性があります。内部者の方など、「そこは違う」という部分があれば、お知らせください。
都小Pが強く、条例改正を支持している件。
都小Pといいますと、都のすべてのPTAの意見(=保護者の意見)だと感じられるますし、実際に議会などでは、「保護者代表」として扱われます。
けれど、実際は、ぜんぜん代表していないのです。
それについて解説。
まず第1に、都小Pは、東京都のすべてのPTAを束ねているわけではありません。
確実に入っていると言えるのは5区・1村・4島。区部では世田谷、目黒、荒川、足立、文京。さらに都下の檜原村。大島、神津島、新島、八丈島の4島。
最大でも7区(うち1区【墨田区】は部分参加、また1区【千代田区】は意志決定に参加せず)・1村・4島。
なぜこんな複雑な表現をしなければならないかは、こちらを参照のこと。
いずにしても、これだけの組織割合では、「代表性」に疑問があるのは分かるはず。
単純に考えて、東京都の小学生保護者の過半数は都小P会員ではないですものね。
第2の理由として……都小Pに参加している、PTAの連合体でも、このことは特に支持されているわけではないのです。
ぼくは世田谷区在住なので、都小P会員(自分の学校のPTA会員になると自動的にそうなる)が身の回りにたくさんいますが、「ニュースで知った」人以外、まったくこの話題を知りませんでした。自分が、支持しているような格好になっている、ことも自覚していませんでした。
これは、PTA役員レベルでもそうで、どうも、都小Pの独自の動きのようです。
世田谷区のPTA担当セクションに確認したところ、世小Pでは、この件について承認ですとか、支持をしたことはなく、単に都小Pから配布された資料として、役員会(世小Pの会長、副会長などが出席)で、情報共有が図られただけだそうです。
これでは、各小学校のPTA役員すら、知らないわけです。
また荒川区でも同様であったと電話で確認できました。
さらに足立区では、ふだん都小Pとの連絡役として役員会に出席する「理事」が、3月4日の役員会を欠席したためこの件について充分な説明を受けなかった、とのことです。P連会長のコメントとして「特に反対しているわけではないが、積極支持をしているわけでもない」ということでした(生涯学習センター経由の伝言)。まあ、会として、議事にかけてもいなわけですねからね。
というわけで、都小Pが「保護者全員の願い」であるかのように、この条例を押すのはおかしなことだというのが分かっていただけると思います。
なぜ、こんなことが起きるのか。
都小Pの役員は、都小P自身の前年度役員の推薦によってだいたい決まります。
また、各区市町村のP連は、「理事」を都小Pの幹部として送り出すのですが、そういった人たちは、P連の会長経験者が多く、現役の保護者ではなくなっている人も多数です。
理事の中から、推薦を受けて、やがて役員になっていくというルートがあり、現会長の新谷氏も、世小P会長→都小P理事→都小P副会長→都小P会長というルートを辿ってきた方です。
で、各市区町村のP連から出た理事は、基本的にお任せ状態で、都小Pの運営に携わるようなのですね。もちろん、時々、市区町村のPTA連合との間を取り持って(たとえば、会費やら保険の話など、お金にまつわることなどシビアですし)くれることもありますが、基本的には選任されたという立場で、自らの良識に従って活動するようです。
その良識が、保護者の良識と、常に同じとは限らない、という話、ですね。
さてさて、これを読んでくださったみなさん。
自分も会員なのに、相談されることもなく、自分とは違う意見をあたかも「みんなの意見」のように述べられたと感じる方が、世田谷、荒川、文京、目黒、足立あたりにいるのであれば、都小Pに対して、「会員だが、反対だ」と述べることは可能でしょう。もしも、採決までに時間があれば、ある程度の軌道修正が図られる可能性はあります。なにしろ、PTAは民主的組織なのだそうですから。
もしも、そのほかの会員ではない区や市の方も、「同じ東京都の保護者として、反対だ」ということを述べることもアリでしょう。
voice05@ptatokyo.com ファクスは03-3431-7042です。
いずれにせよ、都小Pが保護者の意見を代表しているというのは、一見そのように見えつつも、幻想です。
そのことについて、議会に理解してもらうことが、今は緊急かもしれません。
だれにどのように話せばいいのか、ぼくには即効性のあるアイデアがないので、とにもかくにも、都小Pが「東京都の保護者をまったく反映していない」という理由をのべ、みなさんに役立てていただきたい次第です。
********
なお、これを機会にPTAっどうよと思った方には、こういうものがあります。
1年半前の本なので、今より認識が浅いし、自分が役員をしている時に書いたものだから「内から目線」だけれど、知られざるPTAについて、きちんと書いたつもり。
PTA再活用論―悩ましき現実を超えて (中公新書ラクレ) 価格:¥ 819(税込) 発売日:2008-10 |
追記
以上の文章は、2010年3月23日までに、カワバタがPTAにかかわる活動や取材を通じて見聞したことと、18日19日に東京都のいくつかの区に電話取材したことを元に書かれています。当事者である都小Pや各区などの小学校PTA連合などの幹部とは直接連絡を取るチャネルがありませんので(都小Pの電話はこの2日間、留守番電話です)、正確な事実と微妙にずれている可能性があります。内部者の方など、「そこは違う」という部分があれば、お知らせください。