川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

ニッポンをお休み第14回がアップされています

2010-03-12 21:01:42 | 自分の書いたもの
Mt_001_2集英社文庫のウェブサイトでの連載、「ニッポンをお休み!」の第14回がアップされています。
今回は、スチュアート島の鳥たちについて。
ここは野鳥の楽園的なところで、フレンドリーな鳥たちがたくさいるのです。


あらためて「星と半月の海」(文庫版)を紹介いたします。

2010-03-12 11:19:04 | 自分の書いたもの
星と半月の海 (講談社文庫)星と半月の海 (講談社文庫)
価格:¥ 610(税込)
発売日:2010-03-12
本日より、書店に並んでいる予定です。

収録されてる短編は、

・みっともないけど本物のペンギン
・星と半月の海
・ティラノサウルスの名前
・世界樹の上から
・パンダが街にやってくる
・墓の中に生きている


以上、6篇。

単行本から大きく変更した点はないですが、文の流れを多少いじったので、読みやすくなった部分はあるかもしれません。

いずれにしても、これまでぼくが書いた「動物小説」なるものを集めてあります。非常に珍しいカテゴリーでもあるし、また、楽しんでいただける自信もございます。
生き物好きの方は是非!

なお、こういった短編を書いた時だけではなく、90年代によくぼく自身が生き物のフィールドワークをしていた時、しばしば、訪ね、いろいろな助言を乞うていた、遠藤秀紀さんは、この本を書くときにもかなりお世話になりました。

どこでどんなふうに「えんちゃん」が関わっている、遠藤ファンの方はさがしてみてくださいね。

ニワトリ 愛を独り占めにした鳥 (光文社新書)ニワトリ 愛を独り占めにした鳥 (光文社新書)
価格:¥ 861(税込)
発売日:2010-02-17
パンダの死体はよみがえる (ちくま新書)パンダの死体はよみがえる (ちくま新書)
価格:¥ 735(税込)
発売日:2005-02-08


追記
謝辞で名前を挙げさせて頂いた方々で、単行本の時点と肩書きが違う方がいるのをうっかり修正し忘れているのに気づきました。
2006年づけの文章なのでウソではないとはいえ、(現・○○)といったように、現在の所属などを明示すべきであったと思い、ここに補足します。

京都大学霊長類研究所の遠藤秀紀さん →現・東京大学総合研究博物館
オタゴ大学の安藤達郎さん →現・足寄動物化石博物館



自己チェックと外部評価あってこそ「いじめ」にも対抗できる(追記あり)

2010-03-12 00:13:02 | 自分の書いたもの
2126151http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20100308/213272/
日経ビジネスオンラインの連載の四回目です。
日本でも、学校の外部評価というのがよく話題になるけれど、それを、20年にわたって「学校支援」として行っているお話し。

査察ではなく、支援。
そう発想することで、どれだけのポジティヴ・フィードバックが生まれるか、読んでやってください。

なお、記事の中に出てくる「いじめ」について、あそこではただでさえ長いので、簡潔にかきましたが、補足しときましょう。
まず首謀者(?)を、アダムくんとしましょう。

アダム君、息子よりも1週間か2週間か遅れて転校してきた子。8年生。

父さん母さんが離婚し、父さんと一緒に暮らしてます。
仕事の事情での転校らしいですが、前の学校では特殊教育学級というべきところに通っていたということです。

つまり、もとから問題行動があった子、とのこと。
それは、転校当初から、いろいろあって、他人に害がないケースとしては、「まったく洗濯をしていないどろどろのズボンを2週間はいてくる」(学校の清潔な服を着るというコードにひっかかる)、「弁当にタッパーいっぱいの砂糖だけを持ってきたりとか」(いずれにしても、父親がまったくケアしていない)、というショッキングな話を息子から聞いてました。

他の子に害があるケースとしては、「机の下に潜り込んでいきなり消しゴムを投げてくる」とか、「水飲み場の蛇口にかんだ後のガムを片っ端からはり付ける」なんてこともありましたっけ。

ほとんど、いや、100%毎日、なにかを起こす子でした。

で、息子が、嫌な思いをした日というのは、本来彼が、信頼するクラスの中での親切な子たちとのコミュニケーション不全がきっかけ。

担任がやたら忙しくて、補助教員に探求学習を見させている時間がながいわけです。
で、担任はあさ簡単なインストラクションをして、自分のデスクワークをしていたり研修に出たり。なにしろ、マネジメント側に半分足を突っ込んでいる、日本で言う教務主任的立場。それも次期副校長かも、という人なので。

息子は、信頼のおけるブライアンとクリス(いずれも仮名)と一緒に、アニメーションを作る担当になったのに、ブライアンとクリスにはそれが伝わっておらず(担任のミス)、「おまえは、作曲グループだろう」とおしやられた、と。しかし、作曲グループも「ちがう」とゆずらず、彼はブライアンと、クリスにずっとくっついていたわけですね。

それをみていた、アダムが、息子からモニタが見えないように別の方向を向けたり、追従した別のいたずらっ子がヘッドホンを引き抜いたり、おまけに普段は護ってくれる、ブライアンもクリスもみてみぬふりをして、非常に辛かった、と。

さらにさらに、代理の教員も、ブライアンとクリスの方を信じて(なにしろ息子は英語ほとんどダメです)、なんにもケアしてくれない。まさに宙ぶらりん。

おまけに最後はアダム君が、腕をつかんでねじってきて、いまだに痛い。
と、帰宅途中に言い出したのです。

そう、たいてい、「きょう楽しかったこと、嫌だったこと」をすぐに聞くようにしていたので。
で、息子はめずらしく、涙を流し、起きたことを述べるので、「学校行きたくないくらい?」ときいたら「うん」と弱々しくうなずくわけです。

ぼくは、「学校行きたくないくらいの気持ちにさせられる行為にさらされること」をいじめだと勝手に定義しているので、すぐに車をUターンさせて学校に戻りました。
担任も校長も出かけていたので、副校長に話を聞いてもらった次第。

そこから先の顛末は、中に書いた通り。

さらにいうとその後、アダム君は問題行動を繰り返し、結局は、特別支援が受けられるDayキャンププログラムに2週間行くことになりました。

そして、その2週間のうちに、学校の4学期はおわり、8年生だった彼はもう戻ってこない、と。
そういう結末になったのでした。