足もとの自然から始めよう 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2009-02-19 |
これはまさに我が意を得たりな本。
著者は言う。
「皮肉なことに、子どもたちに地球環境問題について関心と責任感を持たせようとする我々大人たちの熱意は、子どもたちをこの大地から引きはがしてしまっている」
同感。
たとえば、小学1年生に熱帯雨林で起きる「環境悲劇」を訴えても、その子たちが消化できる視野を超えたものになってしまい、短絡的な結論に導いてしまうか、あるいは、環境問題忌避とでもいうべき心理状態へと追いやってしまう。
原題は"Beyond Ecophobia"。
原書持ってます。でも、まだ読んでなかった(トホホ)。
「エコフォビア」という概念を、ぼくは1997年、シカゴの動物園を取材している際に知った。
「動物園にできること」の中で、そのことに触れたのが、たぶん日本語でのはじめての言及だったのではないかと思う。
いまにして、ぼくが取材したシカゴの動物園は、ソベルの議論を読み込んでいたのだなあとはっきり分かる。
感慨深し。
環境教育にかかわる、あるいは、かかわりたいすべての人。
そして、地球環境を憂うすべての人。
とにかく広く読まれるべきだと信じて疑わない。
関連書としては、何度も紹介している訳者の岸さんの本が重要。
動物園にできること (文春文庫) 価格:¥ 690(税込) 発売日:2006-03-10 |
自然へのまなざし―ナチュラリストたちの大地 価格:¥ 1,835(税込) 発売日:1996-07 |
そう、以前、こんなエントリを書きました。
http://blog.goo.ne.jp/kwbthrt/d/20051027
アメリカ人はわかっちゃいねえ、と言ってるけれど、この本をちゃんと読んだら、「分かっていたのね」と思った次第。
分かってないのは、こっちのほうだってばっ。