川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

今年出た作品を総括します。

2006-12-16 14:11:58 | インポート
さて、いよいよ、これからニュージーランド・亜南極に出発です。
というわけで、気が早いけれど、「今年の仕事・総括」をしておきます。

今年は単行本3冊、文庫本3冊、共著1冊が出ました。
ちょっと出し過ぎでした。とはいえ、なかなか自分としても納得のいくラインナップだったと思います。よい仕事ができたと、それなりの満足感があります。
たぶん、あとからみると、充実の1年だった、ってことになるかもしれませんね。
来年は……力を抜いて、なおかつ、もっと充実させます。でも、点数は減るだろうなあと思いつつ、そのほうが自然です。
さて個別の話。
単行本は、3冊ともとても気に入ってます。
もしも気に入っていないまま出したら困るんですが(笑)。

銀河のワールドカップ銀河のワールドカップ
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2006-04


この作品は、あきらかにワールドカップを当て込んでいるわけですが(笑)、それって、「売りいたい」精神のあらわれというより、むしろ、こういう時期じゃないと書けないんですよ。そもそも、企画にのってこない。
だから、ワールドカップイヤーになんとか出せて幸せです。
例によって、変なサッカー小説になりましたけど、たぶん、10年後にもきっと読まれてます。前人未踏にして、空前絶後な話、ですから。ぼく以外には書けません。というか、書きません(笑)。


てのひらの中の宇宙てのひらの中の宇宙
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2006-09


実はこの作品、これまで書いたすべての小説の中で一番好き、かも(もっとも、好きにも色々種類があるので、一番好きな作品はいくつあるんですが)。書きたいことがあって、それを十全に表現し得ていると思うので。というわけで、この作品が肌にあった方、あなたはきっとトモダチです。


星と半月の海星と半月の海
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2006-12-01


はじめての「動物小説」です。
これはドキドキ。どんな人が、どういうふうに読むのだろう。ジャンルがないところに切り込んだわけで、予想もつかないというのが正直なところ。
ネイチャーライティング系のかつての仕事からも分かるように、ぼくは生き物好きらしく、小説でも生き物がたくさん出てくるものを書きたかったわけです。
より正確には生き物とそれにかかわる人たちが織りなす「系」を描きたかった。
それをどんな語法でどんなふうにやるか、まったくの手探りだったんですね。
ひとつの回答が、これ。


で、文庫も3冊ですが、こちらもなかなか充実のラインナップ(のはず)。

動物園にできること動物園にできること
価格:¥ 690(税込)
発売日:2006-03-10


出版後七年を経た、日本国内の動きについて加筆した新章が目玉、かな。
とはいえ、二十世紀最後の十年のアメリカの動物園の話は、今もまだまだ「現役」で、それはむしろ、不健全なのではと思うくらい。
まだ、動物園に関心を持つすべての人に「読め」と言えます。


川の名前川の名前
価格:¥ 735(税込)
発売日:2006-07


これはあまり大きな直しをいれず、さくっと文庫にしました。
書いたのは二年前ですしね。今やっている仕事との連続性も高いし、自分としては今もライヴ感のある作品です。
ちなみに、中学入試によく出てます。




せちやん 星を聴く人せちやん 星を聴く人
価格:¥ 540(税込)
発売日:2006-10-14


さらに、こちらは、「夏のロケット」と同じくらい起源が古いものなので(初稿はアマチュア時代、92年、93年)、単行本になる時にいろいろ工夫はしたけれど、かなり、書き方が違います。
でも、そこいらは全面的に保存、むしろ、話の引き回しで微調整。
読みやすくなっていると思います。
ちなみに、この作品をぼくのベストに推す人がいる反面、肩すかしだったり、あんまりだと思ったり、腹を立てたりする人もいるみたい(笑)。
けれど、夏ロケと裏表だし、「てのひらの中の宇宙」とも親類です。ぼくの中に非常に前からあるコアなテーマを書いています。
その意味で、とても愛しい作品。



最後に共著。
「パパ権」宣言!?お父さんだって子育てしたい「パパ権」宣言!?お父さんだって子育てしたい
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2006-07

これは本当に共著者との出会いがすばらしかった、というのにつきます。



と、本当はもっと書きたいところだけれど、タイムアップ。
さあ、ニュージーランドに行ってきます。

来年も、がんばりますよ。
みなさんも、よいお年を。そして、しっかり休んで、来年もよいお仕事を!

なんていいつつ、ネットつながったら、ちょこっと更新はします。

それではそれでは。