先日、ビジネス・ストラクチャーを変えられない理由の一つとして、ビギナーズ・ラックの存在をあげました。
ビギナーズ・ラックは、実は、ラックではなく、多くのケースで起きうるものなのです。
例えば、
サイコロのゲームを考えてみます。
サイコロを振り、1の目が出たら、500円もらえる。
ただし、1回あたりの参加費を100円とします。
さて、皆さんは、ディーラーとプレーヤー、どちらが有利と思われますか?
もちろん、期待値で考えれば、ディーラーが有利です。
期待値=500円÷6=83円
つまり、このゲームでは、プレーヤーは100円の投資に対して、83円のリターンしかありません。
ギャンブルとは、そもそも確率的にいえば、常にディーラーが有利にできているのです。
では、このゲームでプレーヤーが負ける確率は、何パーセントでしょうか?
計算を単純化させるために、6回振る内に、必ず1回のみ1の目が出ると仮定します。
実は、最小値では、たったの6分の1しかありません。
なぜでしょうか?考えてみてください。
(上記の仮定がない場合、6分の1よりも負ける確率は大きくなりますが、極端に大きくなるわけではありません。)
ビギナーズ・ラックは、偶然ではなく、必然的に起きていたのです。
これが起きなければ、誰も勝てるはずのないギャンブルには参加しません。
確率論的には、常に負けることが分かっているギャンブルに、参加者がい続けるのは、この必然的に起こるビギナーズ・ラックにより勝てるという錯覚が起きていたのです。
これがビジネスでもまったく同じように起きていたのです。