うどん 熊五郎のブログ

日替わりメニューの紹介や店での出来事など徒然なるままにつづりたいと思います。

連載117

2013年03月24日 | 学習室
熊五郎と12名の仲間達

数年前、こんな逸話がある。一人の塾生がクラブ活動との両立で悩み、父親が相談に訪れた。生憎く、授業中であったため、娘と井森が応対した。授業が終わり、事務室に戻ると父親は私が戻るのを待っておられた。そして、同じ事を私に伝えたのである。何も知らない私は
「勉強は学校で出来ます。クラブ活動は今しか出来ないものです。お子様の気持ちを大切にしてやって下さい。自分で決めた道です。クラブ活動に集中する反面、勉強に対する集中力もつくはずです。」
父親に自分の考えを述べた。すると
「さっきお話ししたのですが二人とも同じ事をおっしゃられました。」
と話された。怪訝そうな顔をしている私に娘が
「さっきね。相談されたんだけど、井森君が塾長なら必ずこう答えると思いますよ。って言った内容と全く同じだったのよ。」
なんと、私が言おうとしていたことを既に当時アルバイトの身であった井森が代弁した格好になっていたのである。スポーツ万能の彼は、中学三年生の時、英検準二級の二次試験と駅伝大会との日程が重複してしまったのである。どうしたものか迷ったあげく、私に相談してきた。
「井森君。学校を代表して駅伝の選手になれるのは今年が最後だよ。英検は一年間受験資格がある。試験の事なんか考えずに駅伝に出た方が良いんじゃないかな。学力特待については担当の先生に訳を話して合格した前提で話を進めるから安心して駅伝大会に出なよ。」
その時の答えがこれである。きっと井森の脳裏にはこの言葉がよぎったのに違いない。
 最後に妻に話したことを最後に書き添えておこう。
「何百人、何千人の生徒を教えた結果、たった一人でいい。俺の考えに共鳴した生徒がいれば俺の仕事はそれで満足だ。」190
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