農業実践教室第9回目。太陽熱消毒の本講義です。
午前中には、ざっと概要を説明してくれたので、午後お昼ご飯を食べた後は、カロリー消費も兼ねて?早速ちょっとした力仕事です。
まずは原材料を調達。この日のために、溝口さんが取り寄せてくれた堆肥です。そう、消毒なのに堆肥を使うんですね~。
積み込みには女性が大活躍です。
あ、ココにも活躍している子がいました。
お父さんのためにシャベルで取ってあげています。身の丈にあったお手伝いです♪
でも、そのうち飽きてしまい・・・・
お母さんに遊んでもらっていました♪
いいなあ~。
今度は米ぬかをもらっています。
え~、なんで米ぬかを使うの?て思いませんか?
太陽消毒は、比較的最近開発された消毒剤を使わない土の消毒方法です。
農業実践教室では、堆肥、ぼかし肥料、米ぬかを土にすきこみ、マルチシートで覆って太陽熱消毒をしました。
米ぬかは、窒素・リン酸・カリウムの三大要素を持っていて、ぼかし肥料や土の中にいる微生物のエサになります。
太陽熱消毒では、土の中の微生物が、まず米ぬかを分解しようとして発酵が始まります。その後に、堆肥やぼかし肥料、土の中に入っている有機物を発酵させながら、徐々に分解していきます。この分解の時に発熱するんです。発酵熱に加えて太陽熱とマルチシートによる保温効果によって、土の温度を50度~60度まであがります。ここまで高温になると、土の中の雑草の種は死んでしまいますし、害虫や病原菌は死んだり、他の場所へ逃げていったりします。
しかも、野菜づくりに有用な菌は高温に強いのですが、悪い菌(特にネコブセンチュウ)は高温に弱いという特徴があるんです・・・・。
こんな風に、農業教室ではただ作業を指示するのではなく、「なんでそういうことになるのか」詳しく教えてもらいます。ひとつひとつの作業の意味を理解した上で、みんな作業を進めるのです。
まだまだ、溝口さんの説明は続くのですが、残りはテキストで・・。
さて、ぜんぶの材料を畑に入れたら、クワで混ぜ混ぜします。
このとき、ある女性が歌を歌いだしました。「大きな栗の~木の下でぇ~♪」
なんでも、クワを振るうテンポはこの歌くらいがちょうどいいとか・・・。
確かに、やってみるとそんな気がします。しかし、その後
「お~お~きなノッポのふるどけいぃ~♪」でも
「どんぐりコロコロどんぐりこぉぉ~」でも、ピッタリのテンポであることが判明。つまり、ワタシたちの作業スピードは、一般的な童謡のテンポなんだという結論に至りました。
しかし、中にはとてもハイピッチにクワを振るう男性がいて、後にメールで「自分は”つっきが~、でったで~た~、つっきが~でた~”の炭坑節の方が合っているみたいです」と・・・。
そんなこんなでにぎやかにクワを振るっていましたが、えらいひさしぶりにクワを振るったので、「あれ?どんな風にやるんだっけ?」という一幕も。
ちょっとやらないと、忘れちゃうんですよね。
溝口さんから「もっと手首の力を使って・・・」とか、こんな風に改めて見本を見せてもらいました。うーん、ナルホドと見ている生徒さんです。
最後にマルチシートを敷いて、完了です!
コメントありがとうございます。
今回の太陽熱消毒の講義で、ワタシも太陽熱消毒は微生物の助けを借りてやる、ということに本当におどろきました。畑の中では野菜が出来るまでの間に、実にいろんな出来事が起こっているんですね。
有機農業では、いまだ仕組みが解明されていない不思議も多いみたいなので、昔は当たり前だった無農薬・無化学肥料の農業は、これから先、昔のやり方とはまた少し違う形で発展していく部分もあるんでしょうね。現代科学の知識と旧来の知恵を活かした農法、どんなものが出てくるのか、それも楽しみです。