年間500店以上を食べ歩く飲食店プロデューサーの食日記

仕事柄、日本中を飛び回っていて、その出張先での外食を日記にしています
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東京メトロ銀座線日本橋駅:「高屋敷肉店」     焼肉の王様とも言える「カルビ」を売らない革新的焼肉屋

2014-06-21 22:32:15 | 関東
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お肉ブームである今、いろんな焼肉店がオープンしていて…
ワタシはお肉をタレで揉み込むことでタレの味を楽しむ伝統的なスタイルが好きなんだけど、最近のお店はお肉の質をウリにする革新派が多いようで、その姿を誇張するように厚切りや大判で提供することでインパクトあるスタイルが主流であるようですね



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今年3月にオープンしたココ「高屋敷肉店」もそんな革新派スタイル
精肉店って名前から伝わるように色んな部位にこだわったお店でありまして、ココには焼肉の定番とも言える「カルビ」が無いのであります
サシの美しさとその甘味が重宝されたこれまでのスタイルから、赤身のサッパリとした美味しさへと注目が移る中、新しいスタイルを提案しているようであります


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あちらこちらで見かけるようになったリブロースの一枚焼でありますが、ココで提供されるのは250gほどとしっかりとした厚みがあるモノ
コレを切り分けることで、リブ芯やリブ巻き、下駄とそれぞれの食感や味わいを楽しむことが出来ますね
そして、それほど力を入れているようには思えない牛タンですが、そのカットの仕方が独創的でありまして、ベローンと長い形で提供されます
そして、こちらのイチオシ商品である"雌牛肉厚ロース食べ比べ"
腕や腿を中心としたお肉を細かくパーツ分けすることで、その希少価値をウリにしているのでありまして…
それぞれの部位の合わせて、最も美味しくいただくことが出来るようにと厚みを変えているってこだわりは素晴らしモノですが、それほど原価を掛けず、お客さまに価値を感じていただける仕掛けでありますね


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ワタシが最も注目する商品はコレ
"六重塔"と名付けられたこの商品はザブトンと呼ばれる赤身肉を6枚重ねているのですが、注目すべきはその食べ方でありまして…
軽く炙る程度に焼き上げたら、生卵を潜らせてすき焼き風にいただいたり、添えてあるシャリ玉のようなご飯にのせて肉寿司のようにもいただくことが出来て…
こう言った食べ方の提案が、肉食女子を惹きつける秘訣なんでしょうね


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ってことで、今日のこちらの営業は予約で満席になっているとのことでありまして…
続々とやって来られるお客さまに頭を下げることの連続
中には強者の女子がいまして、予約のお客さまが来られるまでの時間で良いからと、40分ほどの時間でチャチャっと食べて帰られる方もいましたね
彼女らの会話から察しますと、一人の方が2~3日前にココを利用してファンになったからと、その友達を遠方から誘ってきたようですね
だから、ちょっとの時間でも良いから何とか… ってことだったようです


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〆にといただいたのは"まかない丼"と"一口冷麺"
共に480円で提供されているモノでありまして、焼肉をたっぷりといただいたから一人前はいらないけども、少しは〆をいただきたいってお客さまの気持ちを考えた商品ですね
焼肉と言う料理を提供すると言うよりも、肉を売るお店って感じでありますから、こう言った料理物には大した期待をしていなかったのですが、これがナカナカで…
やはり、自分たちが食べるまかないは美味しいモノを工夫しているようですね



仕入れ値が高いカルビを敢えて売ることをせず、比較的仕入れ値が抑えられる腕や腿を細かくパーツ分けするという手間を掛け希少と言う価値を売る
お肉を知り尽くしているからこそ成せる業でありますが、お客さまはそんな価値に高いコストパフォーマンスを感じることで話題となって人気店へと…
今はまだ「予約をしないとは入れないお店」でありますが、近いうちには「予約が取れないお店」になるかもしれませんね



【雌牛ロースとホルモン専門 高屋敷肉店】
東京都中央区日本橋3-8-10 島崎ビル1F
03-3527-9362