子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

再び「麻疹(はしか)」

2007-06-02 22:24:12 | 雑記
今回の麻疹流行に関して、みなさんは何を感じたでしょうか?

「自分は大丈夫か心配」、「子どもが罹ってしまったらどうしよう」などなど、自分や家族の心配をするのは当然だと思います。ただ、どうして欧米等の国では麻疹の流行はほぼ制圧された状態なのに、日本ではいまだに流行が繰り返されているのか不思議に感じた方はいないでしょうか?

新聞やテレビなどの報道を見ていてもあまり話題にはなりませんが、今回の麻疹の流行は日本の予防接種行政の不備によるところが主要因だと思っています。麻疹の流行は、あくまで問題が表面化した行政不備の一角にすぎません。日本の予防接種に関する状況は以前から指摘しているとおり、国際的に見て最も遅れている(いわゆる発展途上国よりも)のが現状です。

海外で子育てをされた方や留学された方などはご存知だと思いますが、子どものときに行われる予防接種の種類や回数が日本では少ないのが現状です。
最近の厚生労働省の予防接種に対する対応を見ていても、わずかでも起こりうる予防接種の副反応に対して過敏になりすぎ自ら責任を取らなくて済む様に国が推奨する予防接種の接種機会を故意に狭めて消極的になっているように感じます。予防接種を受けやすい環境をつくり門戸を広く開けて多くの子どもたちができるだけ予防接種を受けらられるように、国は責任をもって予防接種行政を改善していってもらいたいものです。
ただし、予防接種を受ける側も予防接種の必要性などを十分理解し、受け身の姿勢ではなく逆に国に予防接種行政の改善を要求するぐらいであってもよいのではないかと思います。

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