子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

手足口病

2007-07-24 19:39:27 | 病気
手足口病が多くなってきました。

手足口病の原因となるウイルスの一群(エンテロウイルス)は、手足口病以外にもヘルパンギーナ(発熱と口内炎)などの原因にもなるし、発疹等特徴的な症状を認めず熱だけが症状だったりと多彩な症状を呈するウイルスです。
何かかぜと言う以外に特別に名前が付いていると大変な病気のように感じるかもしれませんが、手足口病は夏に流行するウイルス性感染症(夏かぜ)の中の一つです。

症状は、名前のとおり手足の発疹と口内炎が特徴で、発疹は膝、おしり、肘にも認める場合が多く、高い熱がでることもありますが、熱もなく元気にまま経過することも少なくありません。

特に薬は必要なく(効果のある薬はありません)、多くの場合自然の経過で治癒します。

潜伏期は3~7日程度で、熱もなく元気があれば隔離の必要はありませんが、便中には数週間に渡りウイルスが排泄され続けますので、トイレの後の手洗い、乳児のオムツ替え後の手洗い、などはしばらく徹底する必要があります。

ただ、希にですが髄膜炎・脳症や心筋炎といった重篤な合併症を認めることもありますので、状態の変化に注意を怠らないよう心掛けて下さい。