子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

日本脳炎予防接種

2007-07-14 01:27:31 | 雑記
平成17年に現行ワクチンでの推奨接種の差し控えの通知が厚生労働省からだされ、先行きの具体的な見通しも示されないまま現在に至っています。

そんな中、現在日本脳炎ワクチンの供給が不足しています。
ワクチン製造メーカーの生産量自体も差し控えの通知後少なくなっているのもあるのですが、差し控え後新しいワクチンでの再開の見通しもはっきりせず、差し控えの期間が長くなってしまったため、接種をする医療機関と接種を希望する保護者の方が増えてきたためではないかと思います。

厚生労働省は、ワクチンの副反応が出た時の責任問題に萎縮してしまい、病気を予防するという予防接種の本来の目的に対する積極的な姿勢を示す事なく、日本脳炎ワクチン接種の判断を現場(接種する医療機関と保護者)に任せた姿勢を続けています。
新しいワクチンでの接種再開まで、日本脳炎の発生が増えるなどしない限り厚生労働省は今の状態を続けるのだと思います。

今年の麻疹の流行で、厚生労働省の予防接種に対する姿勢がいかに不十分で国際的に遅れたものなのかがみなさんも分ったのではないでしょうか。
予防接種は、病気が流行してから対応するものではなく、病気を流行させないために事前に行っておくものであることを忘れないで下さい。
厚生労働省の姿勢の問題だけではなく、我々予防接種を受ける側も「何かやらなくてはいけない予防接種と言われたので」「通知が来たから」などと受け身の姿勢で予防接種を受けるのではなく、病気の予防ということを積極的に考えて予防接種に関心を持つ必要があると思います。