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子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

季節外れのRSウイルス感染症

2011-07-27 16:42:55 | 雑記
ヘルパンギーナ、手足口病、アデノウイルス感染症(プール熱)といった、例年この時期に流行する感染症は多いのは当然なのですが、、、

冬季に流行することの多いRSウイルス感染症にかかった子をここ1週間で数人確認しています。
乳幼児が感染すると、熱以外に咳・喘鳴(ぜーぜーする)といった症状が主症状としてみられ、呼吸が苦しくなり入院を必要とすることもあります。
残念ながらこのウイルス自体に効果のある薬はないので、症状に対する治療で状態をみながら自然経過で治るのを待つ事になります。
詳しい病気の内容は下記リンクを参照してみてください。

「RSウイルス感染症」感染症情報センター(国立感染症研究所)


夏休みでいろいろ予定が多いとは思いますが、具合の悪い時は無理をせずにゆっくり休養をとるよう心がけて下さい。

夏かぜ

2011-07-18 18:21:59 | 雑記
もう(すぐ)夏休みの時期になりました、

ここに来てヘルパンギーナや手足口病といった夏に流行るウイルス感染症が増えてきました。
ヘルパンギーナや手足口病は、エンテロウイルス属の中の数種類のウイルスが原因となり得ます。ヘルパンギーナや手足口病は見た目(口内炎や発疹など)で診断がつけられますが、同じウイルスが原因でも特徴的な所見を欠く場合には夏風邪として括られることとなります。

その他、アデノウイルス感染症(俗名:プール熱、実際プールはほとんど関係ありません)や溶連菌感染症も注意が必要です。

溶連菌は抗生剤が有効で、しっかりと指示された期間(7~10日ほど)内服が必要となりますが、その他のヘルパンギーナ・手足口病・アデノウイルス感染症には有効な薬はありませんので、診断が確定した場合には、ある程度の期間回復するまでゆっくり休養が必要となります。

幼稚園や学校などは、夏休みに入り集団での活動をしなくなると感染症は例年減ってきますが、保育園などはしばらく流行に注意が必要だと思います。

さなぎ

2011-07-18 09:45:39 | 雑記
クリニック入り口の「きんかん」の木にアゲハの幼虫がいましたが、
いつのまにか自動ドアの枠と外壁の角でさなぎになっていました。




無事に成虫になれるとよいにですが、、駅前なのでちょっと心配です。
いたずらしないで見守ってあげて下さい。

梅雨明け

2011-07-10 20:43:34 | 雑記
アッと言う間に梅雨明けしてしまいました。

ここのところクリニックの診療は落ち着いています。
例年この時期に多い、手足口病やヘルパンギーナといった感染症が今のところ少なく、最近になりやっとちらほら見かけるようになりました。

昨年のことはもう記憶が薄れていますが、昨年8月は猛暑でしたが、それがもう7月半ばで到来?
この後どうなるかは分かりませんが、暑さで体調を崩さないよう健康管理など気をつけるようにして下さい。

高校1年生対象の子宮頸がんワクチン新規受付再開

2011-07-10 20:39:39 | 雑記
高校2年生に引き続き、7月10日から高校1年生に対する接種が可能となりました。

接種ご希望の場合は、電話などでお問い合わせ下さい。

2回目以降の接種が来年度になった場合の助成は、来年度の市の予算次第で不確定な状況です。出来るだけ年度内に3回接種を済ませるよう(1回目の接種を9月30日までに済ませる)にしましょう。

薄着の勧め(特に乳児の服装について)

2011-07-03 12:10:28 | 雑記
ここ最近急に暑くなり、汗疹などの皮膚のトラブルが増えてきました。

昨年も書いたような気がしますが、乳児の着せ過ぎが気になります。

おむつ+ロンパース+ズボン・シャツといった組み合わせが多く見受けられます。

特におむつにロンパースは通気も悪くなり、その上にズボンは今の季節論外だと思います。
更に出かける時は、ベビーキャリアなどで更に包まれお母さんなどに密着、ベビーカーも道路からの照り返しなどで暑くなります。

基本1枚で、室内に入り冷房など効いているようなら、上に1枚羽織るものを準備しておけばよいと思います。

お腹がでてしまうのを気にされる方が多いですが、今の時期よほど冷房など効かせているのでなければ、多少お腹が出るくらいで何の支障もありません。

特に風邪などで発熱しているような時は、着せ過ぎないように注意して下さい。
また、節電などでエアコンの使用を控えるなどもしかたないかと思いますが、発熱などで具合が悪い時は無理せずに部屋の温度は快適にしてあげて下さい。

大人は自分の判断で服装など調節できますが、乳児などは保護者が配慮してあげなくてはなりませんので気をつけてあげて下さい。

これからのワクチンの話題

2011-06-26 19:02:06 | 雑記
過去20年近く停滞していた日本のワクチン事情が、ここ数年で急速に国際水準に近づこうとしており、それに伴いワクチンに関する話題も多くなっています。
今、分かっているワクチンの話題を紹介します。

1、ロタウイルスワクチン

既にワクチンは承認されており、早ければ、今度の流行期(冬)前に接種が可能になると思われます。

ロタウイルスは、ウイルス生胃腸炎の原因となるウイルスの中の一つで、冬季に乳幼児を中心に流行し「乳児嘔吐下痢症」とよく言われるもので、症状としては「白色の下痢」でみなさんご存知かと思います。

乳幼児期にほとんどの子どもが初感染を経験し、多くの場合は自宅での療養で対応できますが、40人に1人程度の頻度で重症例がみられ入院治療が必要になることがあります。

現在諸外国では2種類のワクチンが使用されており、2種類とも経口生ワクチンで接種回数にそれぞれ2回と3回といった違いがあります。今回日本で導入予定のワクチンは2回接種で、生後6週から24週の間に2回飲むことになります。1回目は生後15週になる前に済ませ、2回目を4週以上間隔をおいて接種することになると思われます。

定期接種に組み込まれるなり費用助成で全ての接種対象となる子どもたちに接種できるようになることが望まれますが、当面は任意の接種で費用がかかると思われ、接種対象は限定されてしまうと思います。乳児期から保育園など集団生活を考えているような場合には、費用を考えても接種のメリットがあるのではないかと思います。


2、インフルエンザワクチンの小児接種量の見直し

現在日本では、1歳未満:0.1ml、1~6歳未満:0.2ml、6~13歳未満:0.3ml、13歳以上:0.5ml(成人と同量)で、13歳未満は2回接種となっています。

昨シーズンに接種量の変更が予定されていましたが間に合わず、今度の接種から接種量が変更される見通しとなっています。

今回、3歳未満:0.25ml、3歳以上:0.5mlとなり、過去に接種歴のない場合のみ2回接種となる見込みです。

以前から、1歳未満のインフルエンザワクチンの効果は、接種量が少ないため限定的(不確実)とのことで積極的にはお勧めしていませんでしたが、今回変更になれば1歳未満でも6ヶ月以上なら接種をお勧めすることになると思います。

高校2年生対象の子宮頸がんワクチン新規受付再開

2011-06-26 18:21:17 | 雑記
子宮頸がんワクチン新規接種受付は、メーカーのワクチン供給体制の問題で一時見合わせていましたが、供給改善にともない順次接種再開できる見通しとなりました。

まず、高校2年生接種希望者の新規接種が可能となりました。
高校2年生以外の接種希望者の方はもうしばらくお待ち下さい。

今年度は高校2年生も接種費用助成の対象となっていますが、費用助成を受けるためには松戸市では平成23年9月30日までに1回目の接種をする必要がありますのでご注意下さい。
また、3回目の接種も平成24年3月31日までに済ませるようにして下さい。

「松戸市:子宮頸がんワクチン接種再開のお知らせ(高校2年生相当年齢の方へ)」

高校2年生の接種は当クリニックでも受け付けていますので、ご希望の方はお問い合わせ下さい。

ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン同時接種後の死亡報告(熊本市)について

2011-06-15 22:05:53 | 雑記
既に報道でご存知と思いますが、熊本市が13日に「市内の医療機関でヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの同時接種を6月3日受けた同市在住の2カ月の男児が、接種翌日に死亡していた」との発表をしました。

3月に報道された予防接種同時接種後の死亡報告(7例)後の初めての死亡報告(8例目)で熊本市では2例目の報告となります。

熊本市は接種と死亡との因果関係について「現時点では不明」としており、 厚労労働相は「接種時の状況などについて情報収集し、因果関係の有無について専門家に意見を聞いている段階」とのこのとで接種見合わせなどの対応は今のところ行われてはいません。

具体的な調査結果がでていないのでどのような対応がとられるのか結果を待つしかありませんが、今得られる情報から判断して、今の段階で当クリニックでは今まで通り同時接種を含めヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンの接種は継続します。
当クリニックで接種予定している方で、結果がでるまで接種することに不安があり接種を見合たいなどの場合は早めにご連絡をお願いします。

亡くなられたお子さんの遺族の方は非常に辛い思いをし、色々な報道や色々な人の発言を聞いたり見たりすることで色々な思いを持たれることに考え無責任な事は言えないという思いと同時に、何も自分の態度をはっきりしないまま接種を続けることもできないと考えて、今の自分の立場を書きましたので、これから接種を予定している方は参考にして下さい。

3月の死亡報告に関しては予防接種との明確な因果関係はないとのことで4月より、同時接種を含めヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン接種は再開されていました。

今回の事例は時間経過(接種翌日に死亡)以外に乳児突然死症候群(SIDS)の可能性が示唆されている他、死亡の原因は今のところ報道されていません。

予防接種が原因で翌日の死亡するようなことがあるのなら、死亡後にしても調べれば何かしらはっきりした異常が認められるだろうと、多くの医師は考えることだと思います。
何もはっきりした原因が調べてもわからなければ、乳児突然死症候群(SIDS)という可能性になる訳ですが、予防接種(または同時接種)で乳児突然死症候群(SIDS)の危険性が高まるのではないかとという可能性が残されます。ただ、日本では同時接種を含めヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンの接種の歴史が浅いため結論は出せません(今のところ危険性の増加はない)が、日本以外の諸外国では同時接種を含めヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンの接種は10年以上の実績があり、今まで乳児突然死症候群(SIDS)の危険性が高まるといった報告はなされていません。

厚生労働省の予防接種後副反応報告書(平成16年4月1日~平成21年3月31日)では、時間経過や因果関係など詳細は読み取れませんが、5年間でヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン以外の小児定期接種(単独接種)で29例の死亡が報告されています。

一方で、ワクチン接種をすることで予防できる病気で亡くなられたり・後遺症を残す事になってしまったり辛い思いをする子どもや保護者の方も少なくはなく、ワクチンを適切な時期にすることでこれらのことの多くが防げることは諸外国の状況をみれば明らかです。

これらのことを考慮し、現段階では厚生労働省からはっきりした通知が発表されるまで、当クリニックでは今まで通りワクチン接種をしていく方針です。
ただ、保護者の方に強制するつもりはありませんので、同時接種を含めヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンをどの様に受けるかの最終的は判断は保護者がすることになります。

難しい判断かもしれませんが、接種をどうしたらよいかと聞かれたら、現状では同時接種も含め接種することをお勧めします。