これは何?
治具って?
というところでしょうね。
こんなものは、あってもなくても関係ない人がほとんどですが…。
ものを作っていっていると、目標のものを作るために必要なものを作る、つまり、作るための道具を作るということをしなければならない時があります。売ってなかったり、自分に合うものがなかったり、…。
僕の場合は、たいてい買えないから自分で作るのですが、この場合はこんなのは売っていませんから。
そういうのを、治具といいます。
実は、木版の版にするのに、良い材料はないものかと探していたのですが、100均で、MDF材というのをみつけたので、早速試しに刻してみたのです。
MDF材というのは、雑木の繊維を固めたものです。購入したのは、100×100×6㎜。つまり、正方形の薄い板です。
これならば、柔らかくて簡単に刻せるかな、と一気に彫り進めたのですが…。
久しぶりの木版。
そして、あわてたので、大切な「見当」をつけるのを忘れたのです。
「見当」は、木版の基本です。一番先にやらなくてはならないことなのです。これがなくては、うまく刷ることができません。
見当がつかないのです。刷る場所が定まりません
正に、このことから、「見当をつける」という言葉ができたのですが…。
買ったMDF材がちょうどハガキの短い辺の長さにピッタリだったもので、つい角に合わせればいいか、と思ってしまったのです。
失敗でした。
やはり、「見当」がいるのです。
そこで、こんなのを、作ってみたわけです。
これが、この版をハガキ大の紙に刷る時の道具、
つまり、木版ハガキ大用治具です。
写真の➡の所に、「カギ見当」、見えにくいですが、右側に「引き付け見当」をつけました。
「見当」の所は、刷る紙が引っ掛かるように、浅く凹を作ってあるのです。
刷る位置も二通り。ハガキ大の紙の下の方、と中央にくるような、二つずつの見当です。
これで、正確に刷れます。
また、怪我の巧妙ですが、同じ大きさの材が6枚セットでしたので、版を換えて刷ることもできます。
でも、勝負はこれからです。
良い版を刻さなければ、意味がありませんからね。
写真では、とりあえず、あわてて刻した「カレンダー用数字」を置いてみました。
それで、どうなったって?
それは、また明日。
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