映画「ゼロの焦点」が半世紀ぶりに映画化されるという。能登を舞台にしたミステリーの代表作である。
かっての能登ブームを作るきっかけになった作品であったから「夢よ再び」の声もあるが、複雑な思いがしないわけでもない。
「ゼロの焦点」の影響が大き過ぎ、後に能登を舞台にした殺人ドラマが、多く作製されたとか。
明るい半島のイメージに、作られた「暗さ」がついて回ることになった。清張作品の功罪半ばと思うのだが。
注目すべきは撮影年代だ。「ゼロの焦点」の前年1960(昭和35)年、吉永小百合のデビュー作「不適に笑う男」のロケが、やはり能登で行われた。
主役の赤木圭一郎がピストルを撃ちまくる痛快な映画だった。なぜ1960年代初頭に次々と能登が映画に登場するのか。
実は、能登線が開通間じかで、半島に光を当てる必要があったのだ。作戦は的中、鉄道はあふれるほど観光客を運んだ。
が、それに匹敵するほどの少年少女が集団就職列車に乗って都会へ消えたのである。名作の背景にある高度成長期の光と影とが、あったのである。
かっての能登ブームを作るきっかけになった作品であったから「夢よ再び」の声もあるが、複雑な思いがしないわけでもない。
「ゼロの焦点」の影響が大き過ぎ、後に能登を舞台にした殺人ドラマが、多く作製されたとか。
明るい半島のイメージに、作られた「暗さ」がついて回ることになった。清張作品の功罪半ばと思うのだが。
注目すべきは撮影年代だ。「ゼロの焦点」の前年1960(昭和35)年、吉永小百合のデビュー作「不適に笑う男」のロケが、やはり能登で行われた。
主役の赤木圭一郎がピストルを撃ちまくる痛快な映画だった。なぜ1960年代初頭に次々と能登が映画に登場するのか。
実は、能登線が開通間じかで、半島に光を当てる必要があったのだ。作戦は的中、鉄道はあふれるほど観光客を運んだ。
が、それに匹敵するほどの少年少女が集団就職列車に乗って都会へ消えたのである。名作の背景にある高度成長期の光と影とが、あったのである。