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ロボット

2013-07-02 06:35:30 | Weblog
<俺は殺されることが、嫌ひだから、人殺しに反対する。従って戦争に反対する、自分の殺されることの 好きな人間、自分の愛するものゝ殺されることのすきな人間、かゝる人間のみ戦争を 参加することができる>白樺派の作家、武者小路実篤の詩「戦争はよくない」の一節だ。

自分は殺されたくない。愛する人がころされるのをみたくもない。夫や子を戦場には行かせたくない。そんな思いこそは、戦争を防ぎ、不幸にしておきた戦争を終結させる最大の力だ。

米軍の無人機のパイロットたちを送り出す妻が、夫の戦死を案ずることはないだろう。無人機が飛ぶのは米国から1万キロも離れた戦場の上空だが、操縦は本土の基地で行う。

仕事を終えたら、テレビの連続ドラマに間に合うようにマイホームに帰る。そんな戦争の新しい形を支えているのが人工知能だ。『ロボット兵士の戦争』(P・シンガー著)によれば、米国内で人工知能研究に費やされる資金のうち、8割は米軍が提供しているという。

自ら敵を探し、仕留める。当然ながら、何の疲労も葛藤も感じないまま。そんなロボットの開発は凍結すべきだとの勧告が国連に出された。勧告は「ロボット兵器に殺人を許すことは、命の重みを軽んじかねない」と指摘する。<殺人されることが嫌ひ>という感情こそは、ロボット開発に必要な「安全回路」だろう。