HCJB「アンデスの声」から1986年にいただいたベリカードは、「エクアドルの鳥」を採り上げたシリーズです。
エクアドルには、約1,560種類の野鳥が生息していて、その多さでは世界第4位ということです。
ベリカードにある鳥のイラストを描いたのは、HCJB美術スタッフのJ.D.トンプソンさんです。
まずは、Vermillion flycatcher…和名はベニタイランチョウ。
朱色の小さい鳥で、スズメ目タイランチョウ科です。
Andean Condor…アンデスコンドル、タカ目コンドル科に分類されます。
大きさは、クチバシから尾の先までが約1.2m、両翼の端から端までが約3m、鳥の中では、翼面積が一番大きいのだそうです。主にシカやウシなど大型動物の死体を漁って食物としていて、体重は10kg以上になるのだそうです。
コンドルは羽ばたかないで、上昇気流に乗って優雅に空を舞う姿などから、古代アンデスの神話などで重要な役割を果たしてきました。古代アンデス人の世界観は、「地下世界」「地上世界」「天上国」に分かれ、それぞれを象徴する動物として大蛇、ピューマ、コンドルが当てられ、あがめられていたそうです。
また、コンドルと言えば、アンデスの代表的フォルクローレ(民俗音楽)「コンドルは飛んでいく」(El Cóndor Pasa)を思い浮かべます。1970年にフォークロックデュオ、サイモン&ガーファンクルによってカバーされて、世界的に広く知られるようになりました。HCJB「アンデスの声」日本語放送のオープニング曲「さくらさくら」に次ぐ曲が、これでした。
Cuvier's Toucan…シロムネオオハシとか、シロハラオオハシと言われる、キツツキ目オオハシ科に分類される鳥です。
Plate-Billed Mountain Toucan…イタハシヤマオオハシで、エクアドルとコロンビアの一部にのみ生息し、絶滅危惧Ⅱ類に指定されているようです。
エクアドルに棲息する嘴の大きなオオハシの仲間は19種もいるようです。
Blue Footed Boody…アオアシカツオドリで、カツオドリ目カツオドリ科。
メキシコからペルーにかけての太平洋沿岸に住んでいて、ガラパゴス諸島には、ガラパゴス・アオアシカツオドリという固有亜種がいます。
White Chest Hummingbird …シロムネハチドリは、アマツバメ目ハチドリ科で、その名のとおり、蜂のように飛びながら、花の蜜を主食とする鳥です。
このカードの背景には、富士山のような山が描かれています。エクアドル中央部にあり、チンボラソ山に次いで2番目の高さのコトパクシー山でしょう。