
アート・オブ・ノイズを初めて知ったのは、1983年秋の「高橋幸宏のオールナイトニッポン」だった。
ちょうど、越美晴さんがゲストの回に、ロンドン帰りのトシ矢嶋さんがそのレコードを持って出演し、「ビートボックス」の一部がかかった。
「Into Battle With The Art Of Noise」という挑発的レコードは、ZTTレーベル旗揚げとしてのプロパガンダ・意志表明。
「ビートボックス」に、幸宏は「ドラムの音が最高」と言いつつ、トシさんと2人で、これは明らかにアイランドレコードが噛んでいる背景も含め、教授の「B-2UNIT」が元になっていると語っていた。
そういうパクリではあったものの、世界を舞台にして、ZTTが音楽界を荒らしまくった事実は時代に刻印されたし、様々な影響をその後の音楽にもたらした。
ある意味、彼らのメインストリームへの登場が、最終的にOTT(Over The Top)・教授のシングル「GT」のクラッシュ音のような大破に向かう、ニューウェイヴの終焉への加速を結果的に促した。
自分も最先端の流れとして、ZTTからレコードが出るたびに、随時聴いていた。
アート・オブ・ノイズ、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、プロパガンダ・・・・。
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何年前だったかは忘れたが「Into Battle With The Art Of Noise」のジャケットの2枚組記念CDが発売されて、ついつい新品価格で購入してしまった。
確か1枚は、DVDだったような気がする。

たまたま今日、ネットを見ていたら「Influence」なる、アート・オブ・ノイズの新たな編集盤が出ていることを知った。
これまた2枚組だが、12インチ・シングルに収録されたヴァージョン等をかき集めたものらしい。
今まで見たことが無い、ジャケットのモノクロームのショットに、ついついそそられる。。。
思えば、ZTTは、12インチ・シングルというチャンネルエリアを活用しながら、1つの楽曲に対して、多様な観点からヴァリエーション豊富なヴァージョンを、執拗に出し続けた。
これも、ZTTの戦略の1つであり、それまでのミュージシャンには無かった、彼らならではのやり方だった。
自分もレコード屋さんを巡って、いろんな12インチを探し買い求めたが、全部は持っていない。
まあ、アート・オブ・ノイズとも、30年近い・長きに渡る縁。
ということで、このCD「Influence」を買おうと思っている。
PS:最近、アマゾンを見ていると、CDが驚くような安い値段になっているのに気づく。
YOUTUBE等の普及で、今の学生さんたちはCDを買うということは無いと聞く。
商売として成立しえないくらいにまで、有形の音楽メディアの商品価値が落ちているのだろう。
私もYOUTUBEのお世話にはなれども、「これだけは手に入れて所有しておきたい」と思うものは、やはり買ってしまう。
■ Art Of Noise 「Beat Box (Diversion 3.4 - Extracted)」 ■